───たわけモン道中記23/魔王アヤーホの幻───
【ケース57:弦月彰利/僕と僕らの夏色小町】
───……で……。
彰利 「なんでみさおさん、気絶しとんの?」
悠介 「フフフ、知りたがりは長生きせんぞ」
全力でとぼける悠介くん。
どうやら彼が気絶に導いたのは間違い無いらしいザマス。
彰利 「あ、そんでそっちはやること終わった?」
悠介 「ああ、それは間違いなく終わった。そっちは?」
彰利 「オウヨ、こっちも滞りなく終わりました。のう聖や」
聖 「うん」
悠介 「そっか───みさおは自業自得だから気にしなくていいぞ」
彰利 「ンマー、何があったのかは訊かんでおくけど。次、行く?」
悠介 「ん?ああ、ここの後悔ってあの男のことでよかったのか?」
彰利 「イエス。ここの後悔はあれで終了ザマス。つーわけで次行く?」
悠介 「そか。んじゃ行くか」
彰利 「オッケーざますー!!月空力!」
拳をガチィンと合わせ、アラビアンゲートを発動させる。
いや、本当はただの月空力なんですがね?
彰利 「そりゃ〜〜!暦間移動!」
そげな月空力を弾けさせ、その場に居たみなさまとともに時空を越える。
剣でもあればクレス=アルベインの真似でもしたんですがね。
───……。
……キヒィンッ!!
彰利 「あい、とうちゃ〜く……ってアレアレェ!?」
見渡す景色は壮大な……
悠介 「………」
壮大な……
聖 「………」
悠介 「……また過去か」
過去でした。
しかもなにやら争ってます。
彰利 「また村を救えとかいうものですかねぇ……いやどすなぁ悠介。……悠介?」
ドゴシャァアアアアンッ!!!
男1 「ギャーーーーッ!!!!」
彰利 「おわぁあーーーーーっ!!!!」
振り向いた先に悠介はおらず、気づけば争う人達の波にラリアットをかます悠介が居た。
彰利 「やっ───ちょ、ちょちょちょっとなにやってらっしゃるの悠介さん!?
転移するなりラリアットなんて紳士的ではありませんことよ!?」
ドカバキベキゴキガンガンガン!!!
男ども『ジェーーーン!!!!』
彰利 「……あらら」
アタイの言葉を無視して男どもの争いを実力行使で黙らせる悠介さん。
多勢に無勢の筈なのに、相手の方が可哀相に見えるのはどうしてなんでしょうか。
彰利 「ハッ!思いふけってる場合ではござらん!聖、悠介を止めますよ!」
聖 「う、うんっ!」
気絶しているみさおをそのままに拙者と聖は駆け出した。
もちろん向かう先は男どもではなく、悠介さんであるわけですが。
───……。
……ややあって。
悠介 「総員正座!!」
男ども『は、はいぃっ!!』
俺と聖を含む皆様が正座をさせられた。
うう、強すぎだよこの人……もう人間じゃねぇよ……。
俺もそうだけど、悠介ってば努力して人間やめちゃったよ……。
悠介 「争いの原因を事細かに説明しろ。どうしてそんな馬鹿な真似をしたんだ」
男1 「よ、よそモンには関係が」
ドッガァンッ!!
男1 「おひゃああっ!!?」
悠介サンの持つ槍の石突きが地面にクレーターを作った。
男はそれで沈黙。
従順にぽつぽつと話し始めた。
男1 「こ、この場所に新たな村を作ろうとしたんだ……。
それでその……ひとりの女を村長にしようって、
根四門を倒してくれたヤツが言ったんだ。
最初はそれでよかったんだが……あとになってみたら、
女が長だなんて冗談じゃねぇってことになって」
悠介 「なんで女が村長じゃ駄目なんだ」
男2 「一向に作業が進まねぇんだ。それもこれも、指導者が悪いからに決まってる。
大体、女なんかに物事を任せようってのがおかしいんだ。
どうして男である俺達が女の言うことを聞かなきゃならねぇんだ」
悠介 「───」
キャアアア馬鹿!!そげな差別なんぞしたら悠介さんキレちゃうじゃない!!
悠介 「……その女に会わせてくれ」
男10「なに言ってやがんだ!誰とも知らねぇヤツがしゃしゃりでてんじゃ───」
ギンッ!!
男10「───!!、が、ああ……!!」
あ〜あ……眼光一発で固まっちまったい。
馬鹿ですね〜ィェ……チョロ、チョロチョロ……
彰利 「ややっ!?ゲ、ゲェエエエーーーーッ!!!!」
聖 「わぅっ!?う、うぁあう……!!」
すぐ近くに居た男10が漏らしやがった!!
彰利 「ターーッ!!なにやってるのアータ!男として恥ずかしくないのかね!!」
声 「スーパージャガーになった彰衛門さんが何を言っても説得力ありませんよ」
彰利 「キャーーッ!!?って───あらみさおさん!起きてたの!?」
聞こえた声に振り向いてみれば、頭を擦りながらこちらへ歩いてくるみさおさん。
聖 「すーぱ……?」
ギクリ。
彰利 「あっ!いやっ!ななななんでもござらん!忘れたまえ!」
聖 「……?うん」
彰利 「みさおさん!!」
叫び、ズシャシャアッ!!と間合いを詰める。
みさお「わっ、な、なんですか」
彰利 (馬鹿ですかアータ……!!
スーパージャガーになったのはキミも同じでしょうが……!!
話がこじれて質問責めにされりゃああたしゃ容赦なく暴露しますよ!?)
みさお(そんな道連れ根性出さないでください!)
彰利 (だったらキミもだぁってなされ!
アレはキミとアタイとのふたりだけの秘密だって誓い合ったでしょ!?)
みさお(うう……)
あれだけは……あれだけは人々に知られるわけにゃあいかんのです。
そげなもんはキリュっちと真穂さんだけで十分ですよ。
みさお「で───あの。悠介さんは?」
彰利 「へ?そこに───あら?」
指差したそこには既に男どもも悠介も居ませんでした。
彰利 「い、いか〜〜ん!!話に置いていかれてるぞ!
行きますよ聖さん、みさおさん!」
聖 「うんっ!」
みさお「はいっ!」
彰利 「これ!ですから返事は『はい』ではなくてですね!」
みさお「ああもうやかましいです!!」
何はともあれ、我らは人々が歩いてゆく場所へと向かったのでした。
───……。
……で、人の群れに習うように歩いていった場所にはひとりのおなごがおがったとしぇ。
ちなみにその傍には悠介くん。なにやら話しておるようです。
彰利 「なに話しておるんでしょうね」
みさお「さあ……聞こえません。もうちょっと近くに行ってみましょうか」
聖 「うん、そうだね」
男どもを掻き分けて悠介とおなごの傍へとゆく。
と───
悠介 「まずは名前を名乗るべきか。俺は兇國日輪守悠之慎。お前は?」
おなご「私にはよそ者に構っている時間などない。解ったのなら立ち去れ」
悠之慎「悪いけどそれは出来ない。この場所に用があるのは確かなんだ、ほっとけない」
おなご「なにを馬鹿な……貴様の都合など私には関係無いだろう」
まったくで、といいたいところですがね。
腰に備えている刀を見るに───このおなご、どうやら剣豪おなごらしい。
おお、思い返される夜華さんとの日々。
みさお「あの……なにいきなり泣いてるんですか?」
彰利 「えっ!?あ、あれ?なんでボク泣いてるんでしょう」
おお……切り刻まれた歴史ばっか思い出したからでしょうか。
我が頬を伝う涙が生暖かくて悲しくて。
みさお「どうせヘンなこと思い出してたんですよね?解ってます」
彰利 「キミってほんと容赦ないよね……」
心無し、涙の量が増えた気がしました。
聖 「パ、パパ、泣かないで……?」
と、そげな拙者の涙をハンケチーフで拭う聖さん。
おおなんとめんこいのでしょうまったくちくしょい。
アタイは感動の意も込めて、
聖さんをがばしっ!と抱きしめて、そのサラサラの髪の毛を撫でてあげました。
聖 「は、はううぅ……」
聖さんはなにやら顔を真っ赤にしながら拙者の腕の中にすっぽりと入りました。
あ〜、抱き心地がよろしいですなぁ。
悠之慎「とりあえず、名前を名乗った人に名乗り返さないのは注意点だぞ」
おなご「よそ者に名乗る名など無い」
悠之慎「───減点。
それも昔っぽくていいけど相手が『よそ者』って理由なのはいただけない」
おなご「なにを貴様っ!私を侮辱する気か!?」
悠之慎「侮辱されてるのはこっちなんだけどな……。
あのさ、お前刀を手に取ってるなら礼節も覚えるべきだぞ。
それを侮辱だのなんだのと……」
彰利 「はーい。悠介───じゃなかった、悠之慎も礼節を弁えるべきだと思いまーす」
悠之慎「はっはっはぁ、おもしろいなぁ親友よ。いっぺん空飛んでみるか?」
彰利 「そういうところが礼節欠いてるっつーんですよ!!
キミ俺を何度フライトに導けば気が済むんですか!」
悠之慎「千回」
彰利 「鬼神ですかアータ!!鬼では生易しいですよ!!」
おなご「貴様ら……何がしたいのだ」
悠之慎「言ったところで納得するのか?また侮辱がどうとか言う気だろ」
おなご「貴様っ!私を侮辱する気か!」
おお!ほんとだ!
こいつは案外からかい甲斐があるやもしれませんよ!?
彰利 「これ!そこなおなご!」
おなご「……?なんだ貴様は」
彰利 「押忍!拙者、弓彰衛門と申す者!おんしの名はなんと申すか!」
おなご「……貴様のような輩に名乗る名など───」
彰衛門「ほっ!?ほっほっほ!!
名乗った者に名乗り返さぬとは礼儀知らずもいいところじゃて!
親の顔を見てみたいもんじゃのぅぉ〜〜〜〜っほほほほほ!!!」
おなご「かぐっ……!き、貴様ぁあああ……!!空さまを侮辱する気なのだな!?
いい度胸だと褒めてやるが───今すぐ刀の錆にしてくれる!!」
彰衛門「えぇっ!?なんで!?」
一瞬でした。
抜刀された刀がヒュキィンと閃き、じゃけんど拙者はそれを紙一重でかわしザクシュッ!!
彰衛門「キャオラァアアーーーーーッ!!!!!」
鼻の頭を両断されました!
おお激痛!!大激痛!!シュビドゥバ!!
悠之慎「おおっ!鼻から血が出てるのに鼻血と形容できないものが飛び出てるぞ彰衛門!」
彰衛門「物凄く楽しそうっすねキミ!!」
縦にパックリと斬られた鼻から勢い良く血が溢れる。
チューーー、とか鳴ってるから相当です。
彰衛門「ええい治れ治れ!ベホイミ♪」
パァアア……!
彰衛門「ハイ完治!そんで小娘!貴様の名は!?」
おなご「…………」
彰衛門「……ウィ?」
おなごは拙者の鼻を見て驚愕の表情を浮かべている。
そんで一言。
おなご 「貴様……純之上と同じ力が……?」
彰衛門&悠之慎『むっ!?』
純之上って───桜純之上!?
彰衛門「小娘!貴様純之上を知っておるのかね!?」
おなご「貴様こそ知っているのか!?あいつは───あいつは何処に行ったのだ!」
彰衛門「質問を質問で返すなぁ〜〜〜っ!質問しているのは私だ〜〜〜っ!!!」
おなご「なにを貴様っ!!」
シュキィンッ!!
彰衛門「甘いわ!」
おなご「なにっ!?」
抜刀を救世主避けでやりすごす。
小娘は驚いていたようだが───つーか……
彰衛門「……ん?ンン〜〜〜?」
おなご「……!?な、なんだっ!」
彰衛門「……おお」
ポムと手を打った。
彰衛門「キミ、魔王アヤーホ?」
おなご「なっ───私はあやほとかいう名前ではない!!」
彰衛門「なんだとテメコラ!てめぇどっからどう見てもアヤーホだろうが!!
俺を騙そうったってそうはいかねぇぜ!?」
おなご「黙れ!私は『あやほ』というやつと間違われるのは嫌いなのだ!!」
彰衛門「馬鹿野郎!俺ゃアヤーホって言ったんだ!
キミ絶対アレだ!綾稀彩帆だ!文部省認定!似すぎ!いや本人だろ!」
おなご「貴様ぁああっ!!!」
おなごが抜刀に走る!
拙者はその構えをクワッと見つめて構えた!
彰衛門「真ッ剣ッ!白刃取りッ!!」
コォオオオキィイイイン……!!
神経が研ぎ澄まされる!
拙者はそのゆったりとした中で抜刀の速度に合わせて手を弾くように合わせズバシャァッ!
彰衛門「ギエェェエエエエーーーーーーッ!!!!」
おなご「う、うわっ……!?」
手が飛びました。
左手がこう、ゾパァンと。
彰衛門「キャッ───キャアアアーーーーーーッ!!!!!」
男ども『うわぁあああーーーーーっ!!!!』
聖 「パ、パパァッ!!」
俺は叫んだ!ギャラリーも叫んだ!!
悠之慎「今井は叫んだ」
みさお「待ってくれーーーっ!!!」
彰衛門「なに暢気なこと言っとんのですかキミたち!!
つーかナチュラルに心を読んで言葉並びを作らんでください!マジで!!」
いやいやそげなことよりも!
彰衛門「おぼえとれよこの小娘!
手が復活したらゲンコツの一撃でもくらわせて、
『気ン持ちいい〜』って言ってやるからな!」
悠之慎「独歩かよ」
彰衛門「そこっ!こげな時に細かいツッコミは要りません!
それより手!そっちに落ちてるからプリーズ!」
悠之慎「おお!さすがだな彰衛門!
上腕内側を走る動脈を圧迫し、見事に止血が完成している!」
彰衛門「やかましゃあ!!」
みさお「まだ続行ける気ですかグランドマスター!」
彰衛門「やかましゃあ!!」
くそっ!なんてことだ!この俺がからかわれてる!
おのれこうなりゃ一発逆転ぞ!
アタイは悠之慎が理力で弾かせて浮かせたアタイの手を受け取って構えた!
彰衛門「ファイティングゴッド・愚地独歩よ!我と御身に栄えあれ!
パイルダァーー・オォーーンッ!!」
ガッシィイインッ!!
手首と手をくっつけたところで月生力発動!
ハイ元通り!
彰衛門「ありがてぇもんだぜ、医学ってなぁよぉ……死ねぇえーーーーーっ!!!!」
みさお「おおっと愚地選手、手が治った途端に物騒なことを言って女性に拳を向けました!
これはどうなのでしょうか解説の悠之慎さん!」
悠之慎「人として───というより漢として最低ですね。
女性に拳を向けて死ねなどと、よくもまああれで漢を名乗れます」
彰衛門「うっさいわい!ほっといてよもう!
───ともあれ拳を振るったアタイはもはやボクサー!
俺の拳が血を求めている!」
ザクシュウッ!!
彰衛門「アモゲェエエーーーーーーッ!!!!」
振るった拳はしかし、おなごが構えていた刀にザックリと刺さって大激痛なことに!
悠之慎「おお!よかったな彰衛門!血を求めた甲斐があったじゃないか!」
彰衛門「なにそれ!訳解らんよ!
自分の血で染まってて『よかったな』とか言われても嬉しくねぇよ!」
みさお「ああほら〜彰衛門さ〜ん?刀にとはいえ拳は一応当たったんですから、
『気ン持ちいい〜』って言わなきゃだめですよ〜」
彰衛門「全然気持ちよくないよ!痛いだけだよこれ!
手首近くまでザックリ行ってるんだよ!?
ていうか少しくらい心配してよ!悲しいじゃない!」
聖 「大丈夫……!?パパ……!」
彰衛門「おお……おお……聖はやさしいねぇ……。じゃけんど大丈夫じゃよのび太くん。
アタイはこれしきのことでヘコタレたりはせんよ……ベホイミ♪」
パアア……!
拳がみるみる内に治ってゆく。
それを見て、やはり目の前のおなごは驚いていた。
おなご「その力……貴様、純之上の知り合いなのか……?」
彰衛門「そうじゃ」
おなご「なっ───それは真実か!?」
彰衛門「ウソじゃ」
次の瞬間、払いから打突に切り替えられた構えから一閃された突きが俺の腹に───!!
───……。
彰衛門「オゲェッホゲェッホッ!!こ、この小娘が!なんてことをなさるか失礼な!」
おなご「黙れ!真剣な話に偽りを持ち出すなど───恥を知れ!」
彰衛門「なんだとこの小娘めが!
拙者は貴様などが知りえぬであろう恥など涙が出るくらい知っておるわ!!」
悠之慎「おーい彰衛門〜?そいつ、多分そういう意味で言ったんじゃないと思うぞ〜」
彰衛門「───えぇっ!?そうなのですか!?」
私はあまりの出来事に大変驚きました!!
彰衛門「おのれ小娘!恥を知れと言ったのにそうではないとはどういうことですか!!」
みさお「彰衛門さ〜ん、『そうじゃない』って言ったのは悠之慎さんですよ〜」
彰衛門「───……この小娘が!拙者を混乱させて楽しもうってハラか!!」
おなご「………」
悠之慎「彰衛門〜、困惑されてるぞ〜」
彰衛門「キミ達が話を滅茶苦茶にしてるんでしょうが!!」
みさお「彰衛門さん!人の所為にするのはよくないですよ!?」
悠之慎「そうだこのタコ!」
彰衛門「お、おのれらぁあ〜〜〜……!!!ああもう!とにかくキミ名乗りなさい!」
みさお「タコー!」
悠之慎「タコー!」
彰衛門「やかましいから黙ってなさい!!
てめぇらも何見てんだ!見世物じゃねぇぞこら!失せろ!」
男ども『な、なんだとてめぇ!てめぇに命令される筋合いはねぇぞ!!』
悠之慎「やかましいから失せろ」
男ども『しょっ───承知致しましたぁっ!!!』
ずどどどどどっ……!!!
彰衛門「…………」
悠之慎「悪は去った……」
みさお「悪なんですか?そりゃあまあみんな去りましたけど……恐怖に引き攣った顔で」
彰衛門「フッ、きっと悠之慎たら皆様に嫌われてるのYO」
悠之慎「お前はからかわれてるけどな」
彰衛門「あの……その本人が自分だってこと、解ってて言ってます?」
悠之慎「当然だ」
彰衛門「鬼ッスネ……もういいだわさ!
これ小娘!名を名乗れ!くどいようだが拙者は弓彰衛門!」
おなご「下郎に名乗る名は無い」
彰衛門「げっ……!?」
悠之慎「やったな彰衛門!ランクアップだ!」
みさお「好感触ですよ!?」
彰衛門「キミたち何処をどう見ればそう思えるの!?
眼科行ってきなさい!いい医者紹介するから!」
みさお「え?誰ですか?」
悠之慎「どうせリヴァイアだぞ」
みさお「ああ……なるほど」
彰衛門「アイヤァアアーーーッ!!ネタばらししないでぇえーーーっ!!!」
何故ェ!?何故なのグレート!何故アタイがからかわれなきゃならないの!?
因果!?今までの報復ですか!?はたまた因果応報ってやつですか!?
彰衛門「ハッ!そ、そうか!これが貴様策略なのだな小娘め!
俺を馬鹿にしようってハラだな!?」
おなご「そのような時間の無駄はしない」
彰衛門「うわヒデェッ!!初対面の人に向かって時間の無駄とまで言いますか!?
ああもうホント親の顔見てみたいわ!」
おなご「っ───一度ならず二度までも!空さまに謝罪しろ!!」
彰衛門「空さまって誰よ!あたしゃそげな人知りませんよ!?そげな人───あれ?」
空さま……空さま?
確か夜華さんの頼みで過去に飛んだ時、とある神社で会った神の子が空神様だった気が……
ハッ!そ、そうか!
彰衛門「謎は全て解けた!」
みさお「犯人は───この中に居る!」
彰衛門「じゃあしゃあ!!珍しく真面目にいこうとしてるんだからほっといてよ!」
悠之慎「よし似合わん」
彰衛門「即答!?」
ヒドイ!なんてヒドイ!
ていうかどうして俺思いっきりからかわれてんの!?訳解らんよもう!
彰衛門「と、とととにかく!貴様は神の子の娘なのだな!?知ってます!知ってますよ!?
この場と貴様からは微弱ではあるが空神様に似た気配を感じます!
よって貴様の親は空神様!おーけーね!?」
悠之慎「違うらしいぞ」
彰衛門「まだ何も言ってないでしょうが!ねぇお願いおなご!早く返事して!
今日のこの人達なんかヘンなの!お願いよ!」
おなご「何度も言わせるな。下郎に語ることなど───」
彰衛門「ちなみにここで答えなければキミは空神様の名を汚すことと知れ」
おなご「なっ───何故だ!私は空さまの名を汚すようなことは!」
彰衛門「だってさ、人に聞かせたくないほどに空神様のことが嫌なんでしょ?
嫌じゃなかったら胸張って言えるじゃろうし。違うかね?ン?ンン〜〜?」
おなご「貴様───!!」
彰衛門「ついでに貴様の名前も言ってしまってくれませんかね。埒開かんよもう」
ここで大袈裟にモシャアと溜め息。
や、埒が開かないというのは本当の話です、マジで。
悠之慎「喧噪の権化が『埒開かない』だってよ……」
みさお「どの口がそんなことをいけしゃあしゃあと……」
彰衛門「あの……内緒話するならもうちょっと小声で喋ろうよ……ね?」
そげにアタイが真面目に話進めるのが珍しいとおっしゃるのか……?
……いや、珍しいけどさ。
おなご「いいだろう……そこまで言われたのならば答えぬわけにもゆくまい……」
彰衛門(キャア!なんだか昔の人みたいな物言い!ステキ!ステキよおなごさん!)
悠之慎(昔の人なんだから当たり前だろ。何言ってんだ)
みさお(馬鹿だから仕方ありませんよ)
彰衛門(馬鹿とはなんだコノヤロウ!!つーかわざわざツッコミ入れないでよ!)
おなご「私の名は鳳翼志京。空さまは確かに私の母だ」
彰衛門「ほーよくしきょう?ふむ、なんとステキな名よ。
実に昔チックでよろしおますよ。ね?悠之慎?」
悠之慎「よし、現代に戻ったら篠瀬に
『彰利が過去に飛んで他の剣豪美人に言い寄ってた』って報告してやろう」
みさお「いい考えですね悠之慎さん」
彰衛門「やめてぇええーーーっ!!そったらことしたらまた切り刻まれちゃう!!
ていうかなに!?ほんとになんなの!?今のキミ達明らかにヘンよ!?
なにか拾い食いでもしたのかね!?おいさん怒らないから言ってみな!?」
悠之慎「馬鹿お前、俺はただみさおに『明るい喧噪に身を置く方法』の教授をだな」
彰衛門「なにも今教えんでもいいでしょ!?なんでよりにもよって今なの!?
今ボク志京さんと大事な話してるの!ね!?解ったら静かにしてなさい!」
みさお「わぁ、怒りました。自分で言ったことも守れないんですか彰衛門さん」
悠之慎「怒らないって言ったくせに何怒ってんだ馬鹿」
彰衛門「うわすっげぇ冷静な罵倒!!しかも失礼すぎる!痛すぎる!!
つーか馬鹿とはなんだコノヤロウ!!」
悠之慎「ホレ、大事な話し合るんだろ?話進めろホレ、どうした?」
みさお「わたしたちのことは気にしないでいいですから。どうぞごゆっくり」
彰衛門「あのちょっとみさおさん!?それってなんか別の意味に聞こえるんですけど!?」
悠之慎「それじゃああとは若いモンに任せて……」
みさお「行きますか」
彰衛門「え!?いやちょ───待ってよ!若いモンって誰!?
今この場に俺より歳食ってる人居るの!?待って!待ってってば何処行くの!?
その『子の成長を見守る親』みたいな顔なに!?
俺べつに告白するわけじゃないんだよ!?ちょ……なに談笑してんの!
なにその親同士が重荷を置いて楽になったような笑い!
置いていかれた方の身にもなってよ!あれ結構居心地も空気も重いんだよ!?
だから───な、なに志京さん。名乗ったからには無礼ではないだろう?
やっ……ちょ待って!!なんで刀抜くの!?ここで刀抜く必要ないよね!?
ほら!あのふたりも会話を促してるんだしさ!ね!?暴力イケナイこと!
仲良くしよ!?今だけはあのふたりの言うことに従ってよう!?
───え?従うなら戦え?キサマらなに勝手なこと言ってんの!!
任せるって言ったじゃん!立ち去った人に発言権なんてないよ!
ね?わ、解ったでしょ?だからその物騒なものを仕舞って……待って!
仕舞ってくれたのはいいけどなんで居合いの構えとってるの!?
それヤバイよ!やめなさい!危険なことしちゃダメでしょ!?
だからやめて!やめヴァアアーーーーーーーーーッ!!!!」
Next
Menu
back