───神にも悪魔にもなれない男───
【ケース61:弦月彰利/準備トカ】
旅の準備をする中、ふと気になったことを僕は親友にぶつけることにしました。
彰利 「ところで悠介?この地図……どうしてここの……そう、この南東の。
旧ベヒーモスの縄張りと棒人間の集落の中間にだけドクロマークがあんの?」
悠介 「メルヘン妖精が縄張りを作ってやがったからだ」
彰利 「よし、俺は何も聞かなかった」
解決したけど喜ばしいことは一切ありませんでした。
悠介 「ああ彰利?お前って確かダークマテリアを体に取り込んでたよな」
彰利 「うむ?うむ。今や“黒”に溶け込んでおるでよ、とても助けになってます」
悠介 「もう一個ダークマテリアやるから何処かにつけとけ。
過去に行ったらマナの汲々は無いから」
彰利 「へ?なん……ぐあ、そうだった。
馬鹿なヒューメンどもの所為でマナが枯渇してるんだっけか……」
悠介 「枯渇とまではいかないけど、相当弱ってるだろうな。
ああもちろん癒しの大樹は回復させるつもりだから、それまでの凌ぎだ」
彰利 「んぉ……そか。で、お前は?必要なマナが半端じゃないだろ」
悠介 「努力と根性と腹筋でなんとかする」
彰利 「……あー……えっと。
俺としてはお前がそんな弾けたことを言ってくれるのは大変嬉しい。
けどな、親友。ヤケクソだけはやめてくれ。死ぬぞ」
悠介 「俺としてはお前がそんな真剣なことを言ってくれるのは大変嬉しい。
けどな、親友。真顔で返すのはやめてくれ。虚しい」
どうやら冗談として受け取ってほしかったらしい。
でもねぇ親友?この状況じゃあどうにもならんよ。
実際精霊たちは大分弱ってるわけだし、
それをお前、マナの無いところになんて突っ込んだりしたら……
彰利 「キミは間違っている!!」
そう!間違っておるのだ!!
これは精霊たちの健康に係わること!
いけません!己の修行以外のスパルタなどこのオイラが許しませんことよ!?
彰利 「精霊たちのことももっと考えようや!ね!?
マナの無い世界に飛んだら、マナの貯蔵も内精霊たちはどうなることやら!!
ああっ!考えただけでもおっそろしいわぁっ!!」
悠介 「なんで喋り方が変なんだ?」
彰利 「今はそんなことどうでもよいのです!!
とーにーかーく!!精霊たちが回復するまでやっぱり反対だ!!
精霊たちのマナと諸力が回復するまでじっくり休もうや!!
新しい精霊との同調だってまだ済んでないんでしょ!?」
悠介 「いや、もう済んでる」
彰利 「グムッ!?じゃ、じゃあ魔法の生成とか───」
悠介 「それも済ませた」
彰利 「ウ、ウムムム〜〜〜ッ!!!」
い、いかーーーん!!説き伏せようとしてたつもりが逆転されそうな雰囲気ナリ!!
このままではいかん!!───はうあ!!
彰利 「そ、そう!!俺にはまだするべきことがあった!!
それをやり終えるまで待ってくれねぇか!?な、なぁにすぐ終わるって!な!?」
悠介 「構わないが」(あっさりと)
彰利 「へ……い、いいの?」
悠介 「目ェ見れば解る。お前のウソもホントも、もう見飽きた。
間違えることもそりゃああるけど、今のお前は『本当』だ。だからいい」
彰利 「………」
こりゃ驚いた。
苦し紛れみたいに思い出したことだったのに、すぐに信じてくれるとは。
彰利 「あのさ。もしかして俺がやろうとしてること、もう気づいてる?」
悠介 「『記憶』だろ?俺も付き合うぞ」
彰利 「よっしゃ!!じゃあ───いざ!
夜華さんや未来の皆様に怒られに!しゅっぱぁーーーつっ!!!」
悠介 「いや、怒られるのはお前だけだろ。俺はべつに干渉してないし」
彰利 「……あれ?───ゲ、ゲェエエーーーーーーッ!!!!」
新事実判明。
どうやら怒られるのは僕だけのようでした。
神様、僕はあなたが憎いです。
勝手な逆恨みですけど受け入れてください脳内神。
【ケース62:弦月彰利(再)/謝罪の言葉なんて用意してないよ、うん】
ドキドキドキドキ土器王記……
彰利 「き、ききき緊張するね?」
僕は震える手でドアノブを握り締めた。
これを捻り、開け放てば……そこは未来の地界。
僕らのことを忘れてしまった人々がぎょ〜さんおるのです。
そして僕はそんな人々の記憶を呼び覚まし、謝罪を……しません。
ああいえ、呼び覚ましはしますが謝罪はしないという意味です。
何故ってその時はそれが最良の方法だと思っていたからです。
それを今さら否定するつもりなどありません。
彰利 「そ、そうさ!僕は彼らの記憶を解放するだけさ!!
知り合っている人たちだけの記憶を!!それでいいじゃないか!!」
勇気を持ちましょう!
恐怖に負けない勇気を!!
彰利 「チェ、チェストォーーーッ!!!」
ガチャッ───!!
ああ、とうとう僕は地界への扉を開いてしまいました。
もうなにも恐れるな!突っ走れ!!
僕に怖いものなどありはしないのだ!!
───……。
……。
怖いものはなかったけど……代わりにボッコボコにされました。
彰利 「ほががががが……な、なんてことすんねん……」
地界に舞い降りるとともに、
全力でセカンドハンズフリーザーとデスティニーブレイカーを発動させ、
消し去った記憶を『知り合い』の分だけ元に戻し───
挨拶周りに行き、それぞれに殴られ、最後に夜華さんに切り刻まれて……現在に。
夜華 「う、うるさいっ!!彰衛門貴様っ……!!
よりにもよって人の記憶をいじるなど!!恥を知れ!!
全てを思い出した時、わたしがどんな思いをしたか……!!
このっ!この……馬鹿者が……!!」
彰利 「ば、馬鹿とはなんだコノヤ───あ、い、いや。
なんで泣いてるの?何が悲しいの?奥歯にもやしでも詰まったの?」
夜華 「何故そこでもやしが出るんだ!」
彰利 「知らんわ!!」
でも───ああ、なんだろう。
物凄く心にしっくりくる。
心が満たされる、なんてことがあるんだとしたなら、
やっぱりこんな時にこそそう感じるんだと思う。
彰利 「でもね?夜華さん。
あのままではキミは自分の気持ちに押しつぶされてしまうところだったのよ?
だからおいどん、キミの身を案じて───」
夜華 「そんなことは解っている!
だがその感情の全ては───そ、その、貴様に向けていたものだったんだぞ!!
それを一方的に消されて『ああそうか』と納得出来る馬鹿が居るものか!!」
彰利 「はい先生!居てもいいと思います!!是非とも第一号になって俺を許せ!!」
夜華 「ふざけるな貴様!!」
彰利 「ふざけてなんかねぇ!俺はいつだって本気だぜ!?」
そう、いつだって本気です。
でもね、こうボロクソに言われて、尚且つボコボコにされると悲しいものがあります。
でも僕は本気なのです。本当です。
聖 「パパの馬鹿!!」
彰利 「馬鹿とはなんだコノヤロウ!!つーか聖さんキミまで!!?」
夜華 「そうだ!貴様は馬鹿だ!この馬鹿めが!!」
彰利 「夜華さんそりゃあ日頃の仕返しですか!?“バッ”!!この“バッ”!!」
バカって言葉を早口というか、瞬間的に言うようにするとバッってなるよね?
や、今は関係ないんだけど。
彰利 「と、ともかく!キミたちの記憶は元に戻したのだ!私はこれで失礼するよ!?
これでも私は忙しいのでね!時間を無駄にしたくはないのだよ!!」
悠介 「っ……くはは……」
彰利 「そこ!なに声を潜めて笑っているのかね!!」
悠介 「だ、だってなぁ、お前、時間を無駄にしたくないとか言えた表情じゃないぞ?
そんな嬉しそうな顔して何を否定したいってんだよ」
彰利 「なんと!?」
親友の言葉に、僕はすぐに黒をツルリとした状態で展開し、自分の顔を映しました。
すると……
彰利 「嫌気がさすほど眩しいガイアスマイルですが」
悠介 「そりゃ今お前が作ったからだ」
イエス。
でも自分の嬉しそうな顔なんてあまり見たくはないものですよ?
彰利 「と、ともかく!埒があかんので私はこれで失礼する!!
スケジュールが押しているのでね!!さあ悠介くん!行くぞ!!」
悠介 「へ?あ、ああ───」
夜華 「なっ───待て貴様!!」
聖 「パパ!?まだ話は終わってないよ!?」
彰利 「終わっていないというのならいつでも事務所に来るがいい!!
だが先ほども言ったように私は忙しいのでね!留守の場合が多いと思うがね!」
悠介 「彰利、さっきからずっと気づいてないようだから言うけど。お前顔真っ赤」
彰利 「だ、黙りたまえ!!顔が自然とニヤケてしまうのだから仕方ないだろう!!」
悠介 「あぁ篠瀬?俺達今空界に住んでるんだ。
モンスター退治の時に来たから解ってると思うけど、
リヴァイアの工房から行けるようになってる。暇になったらいつでも来てくれ。
……ていうかむしろ、話があるなら今すぐ来てくれ」
夜華 「え───いいのですか!?」
彰利 「ギャアちょっと悠介!?いきなりなんば言いはらすばい!?
そげんことしたらオラの安息が無くなぁっべやぁ!!なしてこげんこつば!?」
悠介 「面白いからだ」
彰利 「原中魂かよ!!キミには似合わんから堪忍して!?」
悠介 「皇竜王ロヴァンシュフォルスとして断言する!!断る!!」
彰利 「ゲ、ゲエエーーッ!!人に散々その名で呼ぶなとか言っておきながら!!」
オーマイガァ!!(おかしすぎるわよ!!)
こ、この俺が追い詰められている!!
だってのにどうしてこの頬はすぐにニヤケやがるのか!!
ええいシャッキリせんかシャッキリ!!
彰利 「うぐぐ……!!」
悠介 「観念しろ。お前は確かに篠瀬の記憶が戻ったことを喜んでる。
お前のその態度見れば一目瞭然だ。喜べることは素直に喜んでおけって」
彰利 「ウ、ウムムム〜〜〜ッ!!だ、だが私にはアリサが〜〜〜っ!!!」
悠介 「なんでもそっちの方向で考えるからダメなんじゃないか?
篠瀬が『一緒に居られるだけでいい』って言うなら、
知り合い感覚でも許容してやればいいだろ」
そうは言うがね……夜華さんの本気泣きとか見た僕はそげな風に思えそうにもないっす。
悠介 「俺はてっきり、もうお前は誰からも逃げないって思ってたけどな」
彰利 「───!!」
……なにをやっているんだろうか私は。
紳士として、もう誰からの気持ちからも逃げないと決めた筈だったのに。
そう……話したいことがあるのならなんでも話せばよかったのだ。
心行くまで話して、それで……ゼット救出絵巻を延期に……クォックォックォッ。
彰利 「よし夜華さん!思いっきり話し合いましょう!!
あなたを僕の別荘へご招待します!!」
悠介 「いつから空界はお前の別荘になったんだ」
彰利 「心の中ではいつからでも!!」
悠介 「そうか。そんな心境の中でゴブリンに殴られてたのか……」
彰利 「そげなこと今さら持ち出すでねぇだよ!!
とにかく!夜華さん!貴様をご招待します!そして聖さんはここでお留守番ね?」
聖 「え───パパどうして!?わたしだってパパに言いたいことがいっぱい───」
彰利 「キミはじいやと離れている間に随分と口調がしっかりしてきおった……。
今や、そうして普通に大声を出せるほどじゃて……じいやはそれに驚いた。
そしてじいやは悟ったのじゃ……。
じいやの存在が、聖の成長の妨げになっとる、とな……」
悠介 「聖、こんなこと言ってるがな。
こいつはただ娘であるお前に罵倒を飛ばされるのが怖いだけだぞ」
彰利 「アイヤァバラしちゃダメェエエーーーーッ!!!」
聖 「パパ……」
グ、グムウウウ……なんとしたことだ……。
考えていたことをズバリ的中されちまった。
俺って顔に出やすいんかな……それとも悠介だからこそ解ったのか……。
彰利 「ともかく、少し落ち着いたら聖の文句も全部受け止めてやるから。
もうちょいだけ心の準備をする時間をくれ。
正直な話、こうして向かい合ってるだけでも罪悪感でいっぱいなんだ。
だからまずは、気持ちを踏みにじっちまった夜華さんからだ」
聖 「パパ……うん、解った」
彰利 「おうおう、聖はよい娘ッ子じゃて」
久しぶりに聖の頭をワシワシと撫でる。
───と、僕の中になんともいえない感情が沸き起こりました。
もうなんていうのでしょうか、彼女を抱きしめて頬擦りして回転したくなるほどに。
でも許してもらったわけではない俺がそれをやるのは犯罪な気がしてなりません。
だから実行に移すのは見送りになりました。
彰利 「ゲフン!えと……ンマー、ともかくさあさ夜華さん、ともに行きましょう。
向こうでそれはもう話し合いましょうぞ、時間を忘れて」
悠介 「そうだな。俺の工房の中なら時間を気にせずゆっくり話せるぞ」
彰利 「……てめぇ汚ェぞ!!」
悠介 「なんでいきなり汚いとか言われてるんだ俺」
おのれヤツめ……考えおったわ。
でもここでこうしてても埒があきません。
悠介の言うとおり、まずは空界の工房に行きますか───。
【ケース63:弦月彰利(超再)/中国茶のひとつです。スモーキーフレーバーが最高】
───……で。
彰利 「えーーーーと…………」
どうしてだろう。
空気がとっても重いです。
彰利 「あ、あ〜……あぁああ……あのぅ……?どうしてここに春菜さんが……?」
春菜 「黄仁さんに兄妹の縁のことで話を聞いたから来たの。
そっちから事情の説明しに来るまで待ってるつもりだったのに、
ちっとも帰ってこないから」
彰利 「あ……そスカ」
あぁくそ……なんだかこの状況も懐かしいなぁ……。
……というのも今現在、空中庭園の広い草原の上に悠介が創造した古風な椅子の上……
そこに僕と夜華さんと春菜さんと粉雪が座っています。
工房で話し合うのをなんとしてでも止めた俺ですが、
なんか悪化してる気がしないでもありません。
僕らの周りにはイセリアさんと悠介が居て、なにやら話し合っているのです。
遠くを見れば、聞き耳を立てている原中の猛者ども。
……今すぐハルマゲドンを起こしたい。
彰利 「あ、あのー……春菜さん?
悠介に話があるなら座ってる場合じゃないんじゃ……」
春菜 「アッくんが篠瀬さんの記憶を戻した理由を知りたいの。
悠介くんに縁のことを訊くのはそのあとでいい」
彰利 「………」
久しぶりです、このどっしりした歯ごたえ……じゃなくて空気。
粉雪、夜華さん、春菜さんが睨み合う中、
どうしてか一緒に座らされている僕の肩身はどんどんと狭まれていきます。
どうしたものでしょう……そう思って親友を見ますが、
手をひらひらとさせてニカッと笑うと、頑張れ、とだけ口が動きました。
なんてことでしょう、最初からこうなることを予測していたような反応です。
さては狙ってやがったんでしょうか。
悠介……恐ろしい娘ッ……!!
悠介 「……なんだか突然殴りたくなったんだがいいか?」
彰利 「いいわけあるかいっ!!」
忘れてました、彼の直感はランクA+級です。
娘、なんて喩えようものなら、いつ背中から刺されるか解ったものではありません。
彰利 「え、えーと……皆様に集まってもらったのは他でもありません……。
つーか春菜さんは呼んだ覚えないけど、この際だからお伝えします」
ゴクリと喉を鳴らします。
もうやぶれかぶれです、僕は今日鳥になる。
彰利 「僕、弦月彰利は───明後日、粉雪さんと結婚することになりました!!」
春菜 「え───」
夜華 「なっ……」
総員 『なんだってーーーーーーーっ!!!!!』
彰利 「ギャアもう!!キミたち聞き耳立ててんじゃありません!!
もう地界に帰ってなさいよもう!!
ていうか俺、キミたちには話したでしょ!?なんで一緒に驚いてるの!?」
中井出「ええい黙れヒヨッ子が!!
記憶を封じていたおなごにまず言うことがそれか!!恥を知れ恥を!!」
彰利 「これでも心の臓を抉り取られるような心境なんですよ!?ほっといてよもう!」
春菜 「〜〜〜……だ、ダメ!やっぱりダメ!!我慢出来ない!!」
夜華 「そ、そうだ!別に貴様がどうなろうとわたしには、その、関係ない、というか。
ああそうじゃない!!とにかく駄目だ!!その女との婚儀、わたしが認めん!!」
粉雪 「えっ……ちょ、待ってよ!一度は“これが最後”って決めたことでしょ!?」
春菜 「恋愛はキミが思ってるほど美しくないものなんだよ粉雪ちゃん!!」
粉雪 「な、なんですかそれ!決め事を破るっていうんですか!?卑怯です!
それに第一、彰利はわたしを選んでくれたんですよ!?今さらそんな───」
中井出「よし弦月一等兵!ここでなにか一発かませ!」
彰利 「ア、アゥワワワ……!!」
どうしてこんなことになってるんでしょうか……。
男の一大決心など、おなごパワーの前では無に等しい……そう言いたいのかゴッドよ。
悠介 「……、……そっか。それが聞きたかった」
と、ここでイセリアさんと話し合ってた悠介が頷いた。
そして、その爆弾発言を投下しちまったのです。
悠介 「姉さ───じゃなかった。先輩、篠瀬、空界って一夫多妻制度もあるらしいぞ」
おなご『───!』
ギシリ。
……その時、穏やかな庭園という場所が一気に凍りつくのを感じました。
春菜 「アッくんわたしと結婚しよ!わたしと!!」
夜華 「なっ───抜け駆けっ……じゃない!ふしだらなことを言い出すな!!
こ、こういうものはきちんと段階を踏まえて……!」
春菜 「だったら篠瀬さんはずっと知り合い関係続けてればいいんじゃないかな」
夜華 「うぐっ……!い、いや!
わたしは段階が大切と言いたいだけであって、なにも───」
粉雪 「あぁもう!なに勝手なことばっかり言ってるんですか!?
彰利はわたしと結婚するんです!
日取りだって決めたし、両親にも認めてもらってるんですからっ!!」
春菜 「わたし、両親居ないし」
夜華 「わたしは両親に捨てられた身だ。親の許しがどうとかなど、概念に無い」
粉雪 「〜〜っ……ああぁもぉおうっ!!
晦くん!?どうして今さらあんなこと言ったの!?」
悠介 「サン・ハイ」
総員 『面白いからだ!!』
悠介 「ちなみに空界に一夫多妻制度が無いかって詮索してきたのは中井出だ。
つまりこれは中井出の望んだ結果ってこと」
彰利 「中井出ぇえええっ!!てめぇえええーーーーっ!!!」
中井出「頑張れーーーっ!!まっ!なっ!」(ぶっ)
彰利 「ギ、ギィイイイイーーーーーーーーッ!!!!」
中村 「式には呼んでくれよ……?」
丘野 「両手に花束か……やってくれるぜ」
藍田 「式には絶対参列するからなっ!……パンツ一丁オリバの姿で」
彰利 「やめれ!!」
藍田 「クックック……人を散々コケにした罰だ……!
式ではこれみよがしの逆三角形で参列者の目を根こそぎ奪ってやるぜ……!」
丘野 「人として軽蔑されそうな状況だな、それ」(パンツ一丁で結婚式参列ってとこが)
藍田 「覚悟の上だ」
彰利 「そんな覚悟捨てなさい!!」
皆様の僕を見る目が英雄を見る目に変わっていきます。
恐らく僕に期待しているのでしょう、一夫多妻のクラスメイツ誕生の瞬間を。
でもいけません、僕は地界人なのです。
一夫多妻が許される空界という世界の人間じゃないのです。
ルヒド「クッ……フフフ……!安心していいよ……キミは死神王だからね……!!
今さら自分が地界人なんてこと、通用すると思ってるのかい……!?」
彰利 「ゲッ……あ、あらシェイドさん……ご機嫌麗しゅう……?」
ルヒド「麗しくなんかないっ!
やっと仕事から解放されると思ったのにこれはないだろう!?」
彰利 「大丈夫さ!暇死神代表のキミならやっていける!!」
ルヒド「キミがやるべき地界の物事も僕にやれっていうのか!」
彰利 「イエス!!」
ルヒド「───うん、じゃあ地界と冥界のことは僕に任せて、キミは空界で頑張って」
彰利 「あれ?」
ニコリと笑うシェイドさん。
しかしその笑顔が次の瞬間にはニヤァという顔に変わり───しまったハメられた!!
ルヒド「あははははは!!確かに聞いたよ!?空界で幸せに!!」
彰利 「ギャア待って!!今のはアヤ!!言葉のアヤってやつで───」
ビジュンッ!!───彼は虚空へと消え去りました。
彰利 「アイヤァアアアアーーーーーーーッ!!!!!」
なんてことでしょう、私はあまりの出来事に大変驚きました。
中井出「ブラボ〜〜〜……」
藍田 「ブラボーバキ、ブラボー」
中村 「ブラボ〜〜〜……」
彰利 「泣きながら拍手すんなぁあーーーーっ!!!!
待ちたまえ!彼はああ言ったが、べつに俺がどうこうってわけじゃねぇでしょ!?
だから俺はまだ地界人!!地界人YO!?」
悠介 「いや……ルヒドのことだから、
地界から弦月彰利という名を抹消してる可能性がある」
彰利 「え……じゃあなに?オイラ地界人じゃなくなったってこと……?」
悠介 「予想が正しければ」
彰利 「オッ……オーマイガァ!!(おかしすぎるわよ!!)
あ……じゃあ僕冥界に住むよ!死神だもんね!ね!?」
悠介 「その場合、日余との結婚はどうなるんだ?」
彰利 「しますよ失礼な!!そんでもって───」
悠介 「何処に住むんだ?冥界は生きた人間が気楽に存在出来るような場所じゃないだろ」
彰利 「…………く、空界に」
悠介 「空界に住むなら空界人ってことになるな。多重結婚大いに結構だぞ」
彰利 「ウ、ウウーーーーッ!!!じゃ、じゃあこうなったら天界に住む!!
それなら文句ねーだろ!えぇーーーっ!!?」
ルヒド「ちなみに言うと天界人は死神を嫌ってるから無理だよ?」
彰利 「ギャアもう!予想くらいついてたわ!そげなこと言いにわざわざ戻ってくんな!」
あははははと笑って再び消えるシェイドに、黒で象った石を投げた。
当然消えた後だから、そのまま大地に落ちる石。
……どうしましょう、俺……ピンチ?
春菜 「アッくん!」
夜華 「彰衛門!!」
粉雪 「彰利!!」
彰利 「ア、アゥワワワワ……」
こうして僕はどんどんと追い詰められてゆくのでした……。
ああ神様、どうかこの僕に、言い訳を考える時間をください……。
いや、くれなくても質問の全ては無視しましょう。
閃け!僕の頭脳!!
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