───冥月刀への道───
───……。
彰利 「いでで……くそ、なにも投げ捨てるこたぁないじゃないか……」
俺じゃなかったら死んでたぜ?
彰利 「ま、いいや。一応場所は教えてもらったし───」
あとはそこへ行って、刀を取り返すだけぞね。
───
で……
佐古田「な、なんのことッス?刀なんか知らないッス」
教えてもらった場所には、ひとりのおなごが居た。
たしか佐古田好恵とかいったっけ?
……こいつが?
彰利 「えーと……」
デゲデデッテデーーーン!!
マキィーーーン!!
彰利 「闇を照らす霊訓!心霊スポットからモノを盗むのはやめよう!」
佐古田「はい!吾郎さ───ハッ!?」
彰利 「……マジすか」
犯人発見。
月奏力で音楽を奏で、素晴らしき闇を照らす霊訓を唱えたら犯人を発見。
うむ、素晴らしい見出しだ。
てゆうかなんで知ってんの?
佐古田「……いきなりなにを言わせるッス」
彰利 「フッ、貴様が刀を盗んだことはもうバレてるのだよ。さっさと返せ」
佐古田「イヤッス。質に売って金にするッス」
彰利 「人ン家の家宝を質流しですか!?」
なんて度胸のあるヤツ!
それは誉めてやりたいところだった。
彰利 「けどダメね!それが必要なのだよ!人の命がかかってるのだからねッッ!!」
佐古田「ンなこと言って金をせしめようったってそうはいかねぇッス」
彰利 「……いい根性しとるねキミ」
ヒデェやつだ。
彰利 「ところでさ、よくキミ、あの地下から生き延びてこれたね」
佐古田「地下?あー、あの妙な骨のカラクリがあった場所ッスか。
動きが遅いから簡単に奪えたッス。驚いたから一応弱気退散しておいたッスが」
彰利 「……いい度胸しとるねキミ」
ただのカラクリ人形だとしか思ってなかったみたいだ。
彰利 「とにかく!それは返してもらうぞえ!」
佐古田「10万で手を打つッス」
彰利 「打つかッ!!」
足下見るどころか地低まで見すぎだこいつ!!
佐古田「安いくらいッス」
彰利 「高ェよ!渡さねぇってんなら力ずくで奪いますよ!?」
佐古田「フッ、やってみるッス」
佐古田とやら、刀をズオオと抜刀。
……いかんな、断影刀とはまさに『闇』という名の影を断つもの。
闇の要素の高い家系の者が食らったら───いやーーん!!
彰利 「しょお〜〜〜がねぇなぁあ〜〜〜〜〜っ!!!
こうなったらしょお〜〜〜がねぇえよなぁ〜〜〜ナランチャア〜〜ッ!!
───世界ォオオ!!───時よ止まれ!!」
ドォオーーーーン!!
冥月刀を構え、時を凍らせる!!
その隙に刀と長ネギを交換し、一息。
彰利 「───そして時は動き出す」
パキィンッ───
凍っていた時が砕け、元に戻る。
佐古田「───さあ、どうしたッス。かかってくるッス」
そして俺の視線の先には、長ネギを構えてニヤリと笑っている佐古田とやら。
なかなか笑かしてくれる。
彰利 「フッ……俺の負けだ。貴様がまさかそげなもので戦う気だったとは」
佐古田「驚いたッス?」
彰利 「……誰でも驚くと思うぞ」
佐古田「そりゃそうッス。
アチキとて刀なんぞ持ったのは初めてッスが、我流でも結構いけるものッス。
さあ……今からアンタを血祭りに上げてやるッス!」
長ネギで刺し殺されるのだろうか。
彰利 「まぁ待て、せっかくこの俺様が負けを認めてやったんだ、素直に退け」
佐古田「そうはいかないッス。アチキは来る者を拒んで、
退くものを地の果てまで追いかけて落とし入れる女ッス。
つまりアンタはここで後悔し続けるッス!!」
ビシッ!と長ネギで俺を指差す佐古田。
佐古田「………」
彰利 「………」
……気づいたらしい。
彰利 「仕方ない……そこまで言うなら、俺もこの刀でお相手しよう……」
佐古田「ま、待つッス!!一体どういう進化を遂げたら刀が長ネギになるッス!?」
彰利 「そんなもんは知らんが、
貴様がその長ネギでどうやって血祭りに上げてくれるのかが楽しみだ」
佐古田「お、落ちつくッス!さっきのは言葉のアヤッス!!
それよりもアチキと刀の進化について議論し合うッス!!
コンチク賞を総なめ出来ること請け合いッスよ!?」
彰利 「そんな賞はいらん」
佐古田「アチキも願い下げッス。だから許すッス」
彰利 「だめだ」
佐古田「むぐっ……!血も涙も無いヤツッスね……!!こうなったら……!」
む?
佐古田が背中に手を回して……なにやら箱のようなものを取り出した。
それを俺に差し出してくる。
佐古田「これで手を打つッス……!いわゆる賄賂ってヤツッス……!」
彰利 「ほ、ほほぅ?なかなか気の利くヤツじゃあねぇの」
佐古田「お代官様、ここはひとつ広い目で……」
彰利 「ほっほっほ、苦しゅうない苦しゅうない。で、中身は?」
佐古田「駅前で大人気の『メッサーノ』のたこ焼きッス……!
これを買うために二時間並んだッスよ……!」
彰利 「な、なんと……!そこまで並ぶってこたぁ美味いんだな?」
佐古田「モチのロンッス!さあ、冷めない内に食うッス!」
彰利 「オウヨ!」
早速蓋を開け、たこ焼きにご対面!
ブスゥッ!!
彰利 「ごわぁあああああああっ!!!!」
佐古田「ふはははははは!!引っ掛かったッス!!
それはたこ焼きとは名ばかりのサミンググローブトラップッス!!」
サ、サミンググローブ!?
ボクシンググローブトラップのサミング版!?
くそっ!勢いありすぎだぞコレ!
彰利 「あぁ〜〜っ!目がぁ〜〜〜……目がぁ〜〜〜!!」
ムスカくん、キミは英雄だ。
佐古田「そんじゃあさらばッス!刀を奪い返したいところッスが、
そんなことをしたら捕まりそうだからやめとくッス!
あっさり引っ掛かるなんて馬鹿ッス!アディオス馬鹿者!」
彰利 「な、なにを〜〜若造〜〜〜っ!!」
怒ってはみるが、足音は去ってゆくのみだった。
ぐ、ぐおおお……!!この俺が出しぬかれただと……!?
あのような小娘に……!?
ゆ、許さん……!いつか見つけたら復讐してくれる!覚えておれ小娘!!
…………はぁ〜〜〜〜〜〜〜あぁああ。
彰利 「ちくしょ〜〜〜……」
消沈した心のまま晦神社へ。
別にルナっちの月癒力じゃなくても、
冥月刀から引っ張り出した月癒力で融合は出来る筈。
でも来てしまいました。
彰利 「なんとなく、ここの方が喜ぶ気がするしね」
戻ってきてから封印し直したルナカオスの前に座る。
一応サポートもあった方がよいでしょう。
そんなわけで……
彰利 「ルナーーーっち!!カモォーーーン!!」
…………………………ルナっちは現れなかった。
彰利 「……いいや、ようは月癒力を発動させればいいんだし」
壊塵刀、滅人刀、断影刀を置いて、冥月刀を輝かせる。
彰利 「我、今、月の刀に願い奉る……。
血の盟約のもと、ここにある三つ振りの刀を融合し、
我に月の刀を与えたまえ……。我が名は……クラース=F=レスター」
……なにも起こらなかった。
彰利 「ごめん、ウソです。真面目にやるから融合させて」
───キィン。
冥月刀が鳴り、三つの刀が宙に浮く。
彰利 「すげぇ……これがポルターガイスト現象ってヤツか」
どさ、どささっ。
彰利 「ギャア!?刀が落ちた!」
くだらんことを言った途端、浮いていた三つの刀が落ちた。
彰利 「……今度こそ真面目にやりますから、お願いします」
…………キィイイイン……。
再び刀が宙に浮き、ゆっくりと重なってゆく。
やがて三つの刀は融合し、ひとつの刀となった。
彰利 「オオーウ。これでふたつになったねィェ〜〜」
でも俺、もう持ってるし……どしましょ?
とりあえずは悠介にでも預けておくかな……。
チャッ、と冥月刀2を拾い、神社へとキィイイイイン!!
彰利 「ギャア耳鳴り!?なんザマスか急に!!」
キィイイン!!キィイイイイン!!!
彰利 「いでででで!!耳痛いよコレ!なにコレ!!」
冥月刀2は、拾った途端に鳴り響きまくった。
耳が痛いことこの上ない。
てゆうかなに!?ほんとなに!?
ルナ 「うるっさいなぁっ!なんなのよもう!!」
彰利 「オウルナっち!助けて!なんとかして!耳痛い!」
ルナ 「それはこっちのセリフよ!
その刀、なんだか怒ってるみたいだからなんとかしなさい!!」
彰利 「へ───?怒ってるって?」
ルナ 「知らないっ!とにかく静かにさせないとホモっちヒドイからね!」
彰利 「なんで俺!?俺も被害者ですよ!?」
ルナ 「しのごの言わないのっ!早くっ!」
彰利 「グ、グムーーッ!!」
ど、どうすりゃ音が止まるんだ!?
もしや不良品かこれ!
彰利 「よ、よーーし!願いを言え!
どんな願いでも可能な限りひとつだけ叶えてやろう!」
ルナ 「ふーん、可能な限りとか言いながら、ひとつだけなんだ」
彰利 「ほっとけルナっち!で、なにかあるかね!?」
……キィン、キィンキン……
ルナ 「持っていてほしい、だって」
彰利 「定員オーバー。俺はもう既に持っている」
キィイイイイン!!!!!
彰利 「ウギャア耳痛ェーーーッ!!!ど、どうすりゃいいのかねルナっち!」
ルナ 「わたしに訊かれてもね……」
彰利 「グ、グウウ……!!」
キィン!キィイイン!!
ルナ 「持っていてくれないとヒドイ、だって」
彰利 「ガキのワガママですかっ!?なんですかそりゃあ!」
ルナ 「え?それはそうよ、だってこの子まだ子供だもの」
彰利 「───へ?」
ハタ、と悶着をやめた。
子供?子供って……
彰利 「どういうこったい。冥月刀ってのは中に人の魂入っおるんでしょ?」
ルナ 「確かに魂の鼓動を感じるわ。でも、それがどうやら子供みたいなの」
彰利 「……マジですか?」
冥月ってば子供だったん?
どうなってるのよ。
彰利 「ちなみにお歳はいくつくらいで?」
ルナ 「12〜16あたりじゃないかな」
彰利 「……子供と言うには微妙な数値ザマスね。
まあ20までは子供ということで、冥月は子供、と……」
しかし……俺はてっきり、もっと鍛錬を積んだ冥月が人身御供っぽくなったのかと……
それとも夜華さんみたいになにかの流派の免許皆伝とか?
彰利 「うむ、解らん」
ルナ 「なに威張ってるの?」
彰利 「やかましい。なにはともあれ、こっちの冥月刀は小僧に管理してもらおう。
俺がふたつ持つのはいろいろと大変かもしれないし」
ルナ 「そう?よく解らないけど、別にいいんじゃない?」
彰利 「まーまー、冥月刀って小僧の奇跡の魔法に惹かれてるみたいだからさ。
だから俺が無理して持つ必要無し。俺はこの一刀があれば十分だ」
ルナ 「ふーん……いいけどね」
……なんじゃい、含み持ったような顔しおって。
ルナっちってこういうことになると性格悪くなるよな〜。
って、俺も人のことは言えないかもしれんけど。
彰利 「そんなわけだから、俺はちと小僧と悠介の様子でも見に行ってくらぁ」
ルナ 「あ、それはダメ」
彰利 「なんでじゃい」
第一歩を踏みしめようとした途端、ルナっちが止めた。
なんだってんでしょ……ハッ!?まさか俺との決着をつけんがために!?
彰利 「いい度胸だルナっち……この俺に喧嘩を挑むとは……」
ルナ 「……なんのこと?」
彰利 「フッ、隠す必要はないのだよ。貴様が俺に挑もうとしていたことは解ってた。
さあ、今こそ拳を交える時だ!遠慮なくかかってきたまえ!
このダーリンを寝取った悪魔め!!クズがっ!カスがっ!ゴミがっ!」
ルナ 「───そんなつもりなかったけど、引き止める理由が見つかったわ」
彰利 「決着……つけようぜ」
ジリ、と地面を踏みしめる。
そして間合いを計り───
彰利 「炎が……お前を呼んでるぜ!」
せめて雰囲気を盛り上げようと、ライバル同士の登場デモを演出しようとしました。
すると次の瞬間にはアタイの景色は大回転し、
散々ボコられたうえに滝壷に捨てられたのでした。
───……。
彰利 「いでで……くそ、最近こんなんばっかだ……」
濡れた服と自分を月然力で乾かし、一息つく。
ルナっちと戦うと、大体が滝壷に捨てられてる気がするのは気の所為か?
彰利 「さてと、そげなことよりも悠介と小僧の様子を」
ルナ 「ダメって言ったでしょ」
彰利 「なにぃ!?」
ルナっちが現れた!
ルナっちは苛立っている!
彰利 「な、何故だ!?何故行ってはいけないんだっ!」
ルナ 「悠介、このところ調子悪いから。だからダメ」
彰利 「調子が悪いだと!?だったら俺の出番ではないか!俺が慰めてやる!」
ルナ 「それはもっとダメ。それは妻としてのわたしの役目だもの」
彰利 「………」
ルナ 「妻……妻として……」
あのー、自分の言葉に陶酔しながら顔真っ赤にさせる死神には、
どう対応すりゃいいんでしょうか。
彰利 「ルナっちってさ、いつまでもとんでもなく初々しいよなぁ。
そんなんじゃアレだろ?結婚式とかの日って大変だったろ」
ルナ 「え?なんでよ」
彰利 「ず〜〜〜〜っとニヤケ面で、
若葉ちゃんや木葉ちゃんなどの怒りを一身に買ってたとか」
ルナ 「……そういえばヤケに突っ掛かってきたかな。
『イヤミですかっ!そんなニヤニヤしてっ!』って」
彰利 「ビンゴですか……」
どうやら相当ニヤケてたらしい。
想像出来ないが、幸せになれるってのはよいことかと。
───なんてことを思ってる時だった。
声 「ルナさぁーーん!!」
ルナ 「え?」
彰利 「小僧の声……?」
切羽詰った声だ。
小僧がこんな声出すなんて珍しい───ってことは!?
ルナ&彰利『───悠介っ!?』
聞こえた声に悠介の声はなかった。
そして最近調子が悪いらしい悠介。
───イヤな予感が脳裏をよぎった瞬間だった。
───……そして俺が転移し、ルナっちが駆けつけた時には……全てが手遅れだった。
ルナ 「そ、んな……悠介……?」
悠介の顔には白い布が置かれ、駆け付けたルナっちと小僧は驚愕する。
凍弥 「彰衛門!ふざけてる場合じゃないんだって!」
彰利 「なんですと!?俺は真面目だこの野郎!」
凍弥 「こんな性質の悪い冗談はこれっきりにしてくれっ!」
彰利 「あぁっ!なにをする!!」
白い布が取られてしまった。
その下には、苦しそうにうめく悠介の顔が。
ルナ 「……ホモ」
彰利 「怖ッ!?」
ホモ!?今───直でホモって言いませんでした!?
いつもの『っち』はどうしたの!?
ルナ 「───覚悟、出来てるわね?」
彰利 「出来てません!だから見逃せ!」
ルナ 「………」
ルナっちがゆっくりとした動作で髪を止めていた空き缶のようなものを外した。
その途端、その場に凄まじい殺気が溢れる!!
彰利 「ば、ばかな……!この俺が気圧されているだと……!?」
向かい合っているだけで、肌が切り刻まれてるみてぇだ……!
こいつ……マジだぜ!?
ルナ 「───本当、馬鹿なことしたわね」
彰利 「バカとはなんだこのヤロウ!!」
ルナ 「ルナが自分で封冠を取っちゃうほど怒らせるなんてね。あなた……死ぬわよ?」
ば、ばかな……!だがこの波動は……間違いない───ママっち!
彰利 「ふ、ふはっ……こ、ここで安らかに眠るのはお前だーーーっ!!」
ルナ 「クスッ……バカな人」
精一杯の虚勢に、ママっちが微笑する。
が、次の瞬間には真顔に戻り、目を深紅に染めた。
それとともにママっちの髪がブワァッと広がり、辺りに死気を散らばせる。
彰利 「が、がが……!!ば、馬鹿な……ば、馬鹿な……!!
この俺が動けぬだと……!?この俺が……!?」
その殺気はハラショーなほどだった。
かつて感じたどの殺気よりも広く気高い。
そう、まさに……一流の“処刑者(”の殺気だぜ〜〜〜っ!!
彰利 「お子様ランチの旗、あげるから許して?」
ルナ 「ダメよ、だってあなたここで死ぬもの」
彰利 「いやーーーん!!!!」
死亡確定!?許す気無し!?
このママっち怖い!すっげぇ怖い!!
過去に会ったママっちとは大違いYO!?
も、もしや亡くなった望月恭介の魂が、
ママっちにそうさせているとでも……いうのだろうか……?
ルナ 「───恭介を侮辱しないでっ!!」
ビギッ!バッシャアアーーーーン!!!
彰利 「ウヒィイーーーッ!!?」
凍弥 「うわぁあああああっ!!?」
吹き飛ばされました。
ママっちがクワッと怒った瞬間、溢れ出てる殺気が一気に弾けました。
結果、俺と小僧は吹き飛ばされ、窓という窓は破壊しつくされた。
彰利 「てゆうか心読むんじゃあねぇーーっ!!エスパーかアータ!!」
凍弥 「声に出てたっ!思いっきり声に出てたぞ彰衛門!!」
彰利 「ゲゲェーーーーッ!!?」
凍弥 「なにやってんだよ!
こんなことしてたら悠介さんの苦しみが長引くだけだろ!?」
彰利 「俺はたとえどんな時でも、人をからかえる人を目指したかったんだ」
ルナ 「遺言はそれでいいのね?」
彰利 「原稿用紙500枚に遺言を書き溜めるから見逃してくれない?」
ルナ 「ダメよ、あなたはここで死になさい」
彰利 「殺す気100%ッスか……」
さて、まいりましたな。
ここはひとつ、心当たりにかけるしかないな。
彰利 「まあ待てママっち。貴様がどれだけ怒ろうと、悠介は助からん。
だが……解るな?わしなら出来るんだぜ?」
ルナ 「なにがよ」
彰利 「解らんヤツだなぁ。悠介を救えるって言っておるのよ」
ルナ 「そんな白々しいウソ、信じると思ってるの?」
彰利 「馬鹿め、救助方法を知らなければ唯一無二の親友で遊ぶわけがなかろうが」
ルナ 「───……」
彰利 「どうするね?信じるか、信じないか。
解ってねぇと思うが、ここで俺を殺せば悠介は助からねぇぜ?
解るな?わしなら出来るんだぜ?」
ルナ 「それはさっきも聞いたわ」
彰利 「何度だって言いたい気分なんだ」
ただの『うしおととら』の『とら』の真似だけどね。
彰利 「さあ!決断を!」
ルナ 「死になさい」
彰利&凍弥『えぇえええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!!!???』
予想外!!
なんとママっちはその手に“闇薙ぎの斬命鎌(”を出現させ、突っ込んできたのだ!!
その鎌がビジュン!と振られると、かつて過去で対立した時のように───
バガァッ!!ズガガガガォオオオオオオオオオオオオン!!!!!
彰利 「ヘキャアアーーーーーッ!!!!」
一振りでその場の景色を変えちゃいました!!
体がルナっちになってもパワーはそのまま!?勘弁してください!!
彰利 「オレの負けだッッ〜〜〜!!許してくれッッ〜〜〜!!!」
試しに屈みつつガードしながら敗北を認めてみました。
伝説のシコルスキースタイルです。
ルナ 「ダメよ、死になさい」
許してもらえませんでした。
彰利 「お、おのれ貴様っ!!悠介がどうなってもいいってのか!?」
ルナ 「わたしが好きなのは恭介だけだもの。
だったら、他がどうなろうと知ったことじゃないわ。
顔が似てるからなんだってゆうの?恭介は恭介、その男はその男じゃない」
彰利 「いやはやいちいちごもっとも!!だがなーーーっ!!
…………えーと、……おわぁーーーっ!!なにも思いつかーーーん!!!」
凍弥 「なんとかならないのかよ彰衛門!」
彰利 「無理!今までいろいろなバケモノ級の相手と戦ってきたが、
今、我らの目の前に存在せしママっちだけは無理!!
こやつにだけは勝てる気がしませんよ!!」
ルナ 「ルナが封冠まで取ってわたしを起こしたんだもの。
それはつまり、よっぽど頭にきたってことだから。
別にこの場に居るみんなを始末したってどうとでもなるわ」
彰利 「ルナっちなら悠介殺したら自殺するよ?絶対」
ルナ 「だったら殺すのはあなたたちだけね」
彰利 「俺を殺したら悠介が責任感じて自殺するぜ?そしたら連鎖してルナっち死亡」
ルナ 「だったらそこの男を」
彰利 「小僧を殺したら椛が悲しんで自殺して、ルナっちが責任感じて自殺」
ルナ 「……どうしろってゆうのよ」
彰利 「フッ、殺すなってことさね。今は引っ込みなさいな。
『自分』を崩してまでルナっちになったアータが、
今更しゃしゃり出るのはお門違いだぜ?」
ルナ 「……あなた、そんなことまで知ってるの?」
彰利 「伊達や酔狂で時空の覇者を自称してるわけじゃねぇのよ。まいったか」
ルナ 「───ふん」
ママっちがゆっくりとした動作で空き缶を髪につける。
すると、その深紅の目が薄い赤に戻る。
ルナ 「……次に悠介を使って馬鹿なことしたら本気で許さないからね」
彰利 「ぎょ、御意……」
射貫き殺すような視線で睨まれました。
これは頷かずにはいられません、押忍。
彰利 「さてとー……そんじゃ心当たりに頼ってみるから。悠介借りてくぞえ?」
ルナ 「わたしも行く」
彰利 「必要になったら呼ぶから。待っときんしゃい」
ルナ 「だめ、行く」
彰利 「………」
ルナ 「………」
彰利 「……やれやれ、仕方ないのう。その熱心さに負けたよ」
ルナ 「解ればよろしい」
ルナっち、ムンと胸を張って勝利者顔。
俺は小さく吐きながら悠介を背負うと───
彰利 「───だが、連れていくとは言っておらん!!さらばじゃーーっ!!」
ルナ 「なっ!?ちょ───ホモっち!?」
彰利 「とんずらぁーーーっ!!」
冥月刀から月空力を引き出し、転移で逃走!!
オオウ、なんてステキな戦術か!!
こうしてアタイは、ルナっちの悔しそうなフェイスを眺めながら逃走したのでした。
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