───荒岩───
彰利 「ちゃっちゃらちゃちゃーん、ちゃらちゃちゃ〜ん♪
ッちゃらちゃちゃちゃちゃ〜ん、チャチャチャチャ♪
……はい、今日もやってきました『対・荒岩流クッキング』の時間です。
前回はリトルグルメでオーマイコンブを目指したけど、
所詮リトルグルメではオーマイコンブが精々で美味いとは言えなかった。
よって今回は確実に美味いと言いたい料理を作りたいと思います。
いつか究極のメニューと至高のメニューに打ち勝つことを夢見つつ、
今日はレタスを使ったエクセレントな料理を目指します。
前回はこのレタスに納豆かけてレンジでチンしてオーマイコンブでしたが、
今回は一味も二味も違います。じゃないとまた俺が吐く。
前回なんてオーマイコンブファアッ!とか言って吐いちまった。
そのケンプファーを彷彿させる言葉を踏まえ、今回は本格的に行きましょう。
リトルグルメを目指したとはいえ、レタス様を汚したことをここに謝罪する」
悠介 「遊ぶな」
彰利 「スパゲティにお茶漬けの素をかけてお湯をぶっかけオーマイコーンブ!」
悠介 「そして黙れ」
彰利 「知ってるかい?キュウリにハチミツかけるとメロンの味になるんだぜ?
でも噛めば噛むほどハチミツが溶けて、やがてキュウリの味に戻る。
その瞬間の味……これがまたヒドイんだ。
大体にしてメロンはポリポリ鳴らねぇだろ……」
悠介 「試したのか」
彰利 「いただきさまー!」
悠介 「………」
彰利 「ちなみに俺はリトルグルメの会員ぞ?
昔、なんかそんなものを本誌で募集(?)してたから戯れで入ったのだ。
使い道もなく何かをする際に入れるわけでも見せるわけでもないこのカード。
捨てて誰かに見られるのも嫌で捨てるわけにもいかず、
ほんとにただ邪魔なだけの存在になり、今も尚、処分に困っている。
財布にキャッシュカードとかと一緒に入ってたりするから、
この財布だけは落とすわけにも見せるわけにもいかねぇ。
落として交番に届けられたり身元確認のために覗かれてみろ!
俺は現役のリトルグルメイターという十字架を背負って生きることになる!
あ、ちなみに会員規約(?)がリトルグルメを作って知らせることなんだが、
ただの一度として作ることも知らせることもなかった伝説がだな」
悠介 「……会員カードを見せながら解説するな……涙が止まらねぇ……」
彰利 「………」
彰利もやがて気まずそうにカードを仕舞った。
彰利 「……捨て身のシャレにもならんとはな……このカード」
そして悲しそうに呟いた。
大体、オーマイコンブってどういう意味なんだ……。
彰利 「料理、しようか」
悠介 「……そうだな……」
悲しそうに言う彰利に続き、俺はフライパンを手に持つのであった。
並べられた料理を満足気に見た。
そして手を叩き合わせてうっしゃあと声を弾かせる。
それから俺とジャック彰利は料理を運び、ひとまずは一息ついた。
彰利 「FUUUM、この凄まじき豪華絢爛さ。
俺と悠介が手と手を取り合って製作すれば、こうも素晴らしく仕上がるものか。
これも愛と友情とゴリー・エスペシャルの為せる業か」
悠介 「愛とゴリー・エスペシャルは関係ない」
彰利 「フッ、友情が確信と変わっただけで、このジャックは満足よ。
さあ、腹を空かせた人々を呼びこもうか」
悠介 「そうだな。それならまず助っ人になりそうな奴から呼びかけた方がいいな」
彰利 「俺と悠介の愛があれば!それさえあれば!他に何もいらねィェー!!」
悠介 「どう呼ぶつもりだよお前は……」
彰利 「イエース、あっしにドントウオーリャァーッ!!匂いで釣るのよ匂いで!」
悠介 「そんなことやってたらせっかくの料理が冷めるだろうが。
手っ取り早く水穂かセレスに呼びかけてだな……」
彰利 「フフフ、甘いわダーリン。どうせなら身体に響かせて呼ぶのよ!
見よ!我が体内の深仙脈!物質を伝う波紋・土気色の波紋疾走!」
彰利が畳みを殴る。
するとズギューン!と、何故か金属板に弾丸ブチ込んだような音が響いた。
声 「うぁあああぁあああぅぅっ!!」
間も無く、叫び声が聞こえた。
ちなみにセレスっぽい。
彰利 「……ああ!吸血鬼だから!」
彰利がポン、と手を打った。
そんな彼をボギャアと殴ると、彼はダニーッ!と言って倒れた。
彰利 「……な、なにをするだァーッ!ゆ、ゆるさん!」
悠介 「アホかお前は!いつから波紋使えるようになったんだ!」
彰利 「それがねぇ、まさか成功するとは思わなかったんよ。俺も驚いてる」
悠介 「………」
もはや本当に、こいつに常識を望むのは無駄なのだろうか……。
彰利 「それより偶然かもしれんし、探してみましょ?」
悠介 「……そうだな」
頭痛のタネに手を引かれ、俺は広間をあとにした。
屋根裏に行くと、その場はとても暗かった。
悠介 「相変わらず暗いな……。足元とか見えないぞ……」
少なからず慌てていたのか、懐中電灯も持ってこなかった。
彰利 「おーし、そんな時こそアタイの出番YO〜ゥ。
さぁ、鈴に慄け!これぞ真のジャックランタンぞ!
フェェエエエイスフラァアッシュ!」
ギシャァアア!
光の届かない闇の中。
南瓜の穴から光が溢れ、闇にくっきりとその輪郭を現した。
彰利 「どうだい?これこそジャックラン」
悠介 「怖ェよ!」
彰利 「なにぃ!?提灯みたいでステキじゃない!
アタイの言葉を遮ってまで怖いなんて言うんじゃありません!」
悠介 「無茶言うな馬鹿!怖いもんは怖いわ!」
ほんとに呆れる。
確かに足場くらいは見えるようにはなったが、
こいつの顔から出てる明かりだと思うと嫌な気分だ。
彰利 「仕方ない……。それなら南瓜グッズに同梱されていたランタンを使おう」
悠介 「持ってきてたんなら最初から使えドアホゥ!」
彰利 「物事には順序ってもんが必要でしょう!?
青筋立てて本気で怒らないでダーリン!ええぃもういいわい!着火!」
───。
彰利 「アレ?つかねぇザマス」
しきりに『?』を飛ばしている彰利。
そりゃあなぁ。
どう見たって飾りっぽいしなぁ。
彰利 「チィイ!飾り物だったとは!
よくもアタイの純なハートを弄んでくれたわねィェーッ!!」
彰利がランタンを振りかざした。
俺はそれを止めようとするも───
彰利 「なんてね♪」
叩きつける気はなかったようだ。
彰利 「こんなものが無くたって、アタイの顔があらァな」
アンパンマンより性質悪いって……。
彰利 「さぁ原因究明ぞ〜!ランラ・ランラ・ラ〜ン♪」
彰利───否。
ジャックがスキップをしながら闇の中へ進んでゆく。
ちなみに光っているのが口と目だけなので、前方しか照らせない。
つまり彰利が先に行くと闇が広がるのである。
広い家というのも考えものだ。
屋根裏まで広いってのもなぁ。
───ちなみに言うと、実は去年まではここにも光も差しこんでいた。
が。
セレスがここを使うと言ってからは真っ暗だ。
もともとはルナが使っていた(浮いて寝てた)んだが、
『浮いているならどこだって同じだ』というバリバリの説得力で追放された。
ともなると、もちろんルナも黙っているわけもなく……。
現在は俺の部屋の押入れでドゥウルァェムォッスォオオオウをやっている。
不平を漏らすルナを宥めるにはそれしか方法が無かった。
無念だ。
彰利 「オウオウ、シケたツラしてどしごぶはぁっ!」
悠介 「ぎゃああ!!」
突如、ジャックの口から光とともに血液が飛び出た。
彰利 「げふっ!がはっ!く、口の中を切っただけだ!」
悠介 「吐血するくらいならやるな!
あーもうどうすんだよ!服に着いたじゃないか!」
彰利 「お望みとあらば、全てを染めるほどに吐血してみせるが」
悠介 「いらん!」
彰利 「残念だ。じゃあ吸血鬼さんを探すかぁ。フェイスフラァーッシュ!」
悠介 「服は無視か!?」
ギシャアア!
彰利 「お?悠介悠介、今なんか見えたぞ」
悠介 「まったく……なんだよ」
彰利 「ん、ちょっと待ってみ?」
ジャックが手探りで何かを掴む。
彰利 「紐?この感じからして……あれ?パルックさんか?」
悠介 「電気か?」
彰利 「引いてみなきゃ解らんけど。まあその線が一番妥当じゃろうの。引くぞ?」
悠介 「おう」
───カチッ。
闇の中で音が鳴った。
途端。
ガボンッ!!
彰利 「な、なにギャアアアアアアアァァァァァァァ……ァ……───」
悠介 「あ、彰利!?」
謎の音とともに、彰利の声が遠ざかっていった。
な、なんなんだ一体……。
目の前は依然として暗いまま。
これは……引き返した方がいいか……?
い、いや!一度決めたらやらねば!
事実、恐怖心はあるが、それよりもセレスが気になる。
もし彰利の馬鹿の波紋が本物だったらそれこそ吐血していることだろう。
そんな状態のまま放置していたら干からびるか血を求めて暴走するか、だろう。
そんなことは冗談じゃない。
セレスがどう思っているかは知らないが、俺にとってはもう家族同然だ。
望むのは今の環境。
誰ひとり……その中で誰ひとりとして欠けてちゃいけないんだ。
だから、たとえ理不尽なトラップがあったとしても引くわけにはいかない。
悠介 「……っ」
ゴクリ、と。
闇の中で喉が鳴った。
小さな音だったのだが、それがやけに大きく聞こえた。
悠介 「………」
ズッ、ズッと足の先で落とし穴か何かが無いかと用心してコツン。
悠介 「!」
嫌な予感。
つま先が何かに当たった途端、ゴコンッ!という鈍い音が鳴ったのだ。
悠介 「な、なんだ!?何がくるん」
ドゴォッ!
悠介 「だぁっはぁっ!?」
脇腹にとんでもない衝撃が走る。
それに習うように俺の足が屋根裏の足場から離れて、事実上、俺は空を飛んだ。
ドンッ!
悠介 「───はっ……!」
そのままの勢いで壁らしきものに当たり、俺は横たわった。
悠介 「ぐっ……いっつぅ……!」
これは……まいったな……。
悠介 「……なりふり構ってられないな……。懐中電灯が出ます……」
ポムッ。
カチッ。
創造した懐中電灯のスイッチを入れ、辺りを照ら
彰利 「ダーリン!!」
悠介 「ぎゃあああああああああああああああああああああっ!!!!!」
ゴバガォオオオオオオオンッ!!
彰利 「ギョァアアアアアアアアアアアアッ!!
アバガオゴガゲガオゲッギャアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
バチィッ!ばりばりばりぃいいいいいいいっ!!
彰利 「ギャッ……ギャアアアアアアア!!おちつ……っダーリ───!
おちおげがばびゃぁああああああああ!!アゲッ……おげがぁあっ!!」
ぎしゃあああああん!どがしゃあああああああああああん!!
ばりばりばりばりぃいいっ!!
彰利 「ギャアア!ギャアアアアアア!!」
どしゃあ。
悠介 「はっ……はぁ……はぁ……!」
彰利 「………」
ふと我に返れば、泡を噴いて気絶した彰利が、
俺の手元から落ちた懐中電灯に当てられていた。
悠介 「あー……すまん、今まで感じたことのないような貞操の危機を感じた」
思わずフッ飛ぶほどの掌抵を水月にブチかました後、思いきり裁きを流してしまった。
おかげで意識を保ってるのも大変だ。
理力にも影響しているのか、月鳴力使ったはずなのに結構意識が遠のいた。
悠介 「うぅ……」
ランダムに歪む景色の中で懐中電灯を拾い上げ、闇の中を裂くように照らした。
右から左へ。
ぐるりと照らしてゆくと、何かが見えた。
悠介 「……?」
その場所を照らしてみる。
すると、セレスが棺の前で倒れていた。
ちなみにこの棺は俺がリハビリも兼ねて創造してみたものだ。
そのあと俺は数時間気絶したが。
彰利 「わぁ、もしかしてほんとに俺、波紋を成功させたの?
ウィル・A・ツェペリさんの意思を継いでいけるの?
ジョナサン・ジョースターのように紳士的になれるの?」
悠介 「知らん。俺に訊くな。泡噴くほどに気絶してたのに平然と起きあがるな」
彰利 「こんなこともあろうかと、インパクトの瞬間にバックステップを」
悠介 「それはもういい。それよりもまず、セレスの状態を確かめよう」
彰利 「ぬう……いきなり噛まれたりするなよー?」
悠介 「すくなくとも、どっかのジャックランタンよりは安全だろう」
彰利 「なにぃ、それは俺のことかい?
ていうかダーリン、俺だって今は好きで南瓜かぶってるわけじゃないのよ?」
悠介 「うそつけ」
彰利 「ゲェーッ!最初から信じてもらえちゃいねぇーっ!
ダーリン!?ゼノをブチノメして家族増えてから思ってたんだけどさ!
アタイってほんとにダーリンの友達に入ってるの!?」
悠介 「アホか、そんなこと訊くまでもないだろ」
彰利 「やっぱり……やっぱりそうなのね……!?
アタイの他に男が出来たんでしょ!?どうなのよぅダーリン!」
悠介 「激しく嫌な誤解すんな!
ああもう、どうして俺がこんなこと言わなきゃならないんだよ……。
いいか!?俺の周りにお前以外の男が居るか!?
お前以外の男と話してるのを見たことあるか!?ええっ!?」
彰利 「だって……気持ちは言葉にしなきゃ伝わらないのYO……?
最近あんまりにヒドイし殴るし冷たいし……。
ふざけて疑いを持つフリをしてもいいじゃない……」
悠介 「……やっぱりフリか」
彰利 「おうよ!俺ほどダーリンを信頼してる輩は他にゃあ居ねぇぜ!?
むしろ俺こそがダーリンの守護神!ダーリンの心!
悠介を心より信頼し、その全てを愛しているのよ!
そう、それはやっぱり友情!信頼という名の友情YO!
そう、そうじゃねぇか!悠介が俺以外の男と話しているところなんざ!
この俺様はずぅっと見たことなんぞ───あったぁあああああっ!!」
悠介 「あ、彰利?」
彰利 「そうか!なんてこった!奴か!」
頭を振りながらオーマイガッ!オーマイガッ!と叫んでいる彰利に話し掛けた。
彰利 「そういうこったなダーリンこの野郎!
いやむしろあの魚類を見逃していた自分が許せねィェーッ!
こうなったら奴を夜道でそっと愛してやる!見てやがれオイちゃん!」
悠介 「アホゥッ!」
ごすっ!
彰利 「ギャア!」
悠介 「どうして俺が及川と友情築かなきゃならんのだ!」
彰利 「ええっ!?でも他の奴に比べりゃ心開いてるじゃん!」
悠介 「そうだとしても友達じゃないだろうが!少しは先読みしろ!」
彰利 「だってィェーッ!」
悠介 「イエーじゃない!」
彰利 「ぬうう、それならアタイはどうすりゃいいのよ!」
悠介 「………」
彰利 「ダーリン!?」
悠介 「言えるか馬鹿!」
彰利 「!? な、なに!?なんなの!?もしかして告白!?
言って!言えコラダーリン!告白してくれるんでしょ!?」
悠介 「んなもんするか!」
彰利 「なにぃ、だったらなんだと言うのかねッッ!」
悠介 「ぐ……」
彰利 「ダーリン!?」
悠介 「し……」
彰利 「し!?」
悠介 「し、信じろ」
彰利 「え?」
悠介 「……その、だな。俺を、信じろ」
彰利 「………」
悠介 「だぁっ!もうこんな話は止めにするぞ!」
彰利 「ダ、ダーリンたら、自分を信じろだなんて……解ったわダーリン!
アタイ、ダーリン信じてどこまでも一生付いていくわーっ!」
悠介 「来るな」
彰利 「ええっ!?」
悠介 「セレス?セレス〜。だいじょぶか〜?どうしたんだ〜?」
彰利 「白々しく無視すんじゃねぇよダーリン!
アタイの目を見ろ!そして解ったら帰れ!」
悠介 「あーもう……あのなぁ、俺はお前以外に友達なんて要らないんだよ。
俺がお前を殴ったり叩いたりするのはお前が馬鹿ばっかりやってるからだろ。
大体にして、信じろっていうのもそう言うしかないからだろうが。
俺は本当にお前以外の男連中と仲良くしている憶えはないよ。
あ、言っておくけどな、それだって変な意味じゃないからな。
俺はお前と違ってノーマルだからな。
だからあまりホモッぷり全開で俺の周りで騒がないでくれ。
ツッコむのも疲れてきた。気が向いたらこれからは無視するからな」
彰利 「前半の言葉は嬉しいけど、後半は他人のフリするってことですか!?」
悠介 「そうでもない。多分、他人のフリしてたって、させてくれないだろ」
彰利 「当たり前じゃねぇのダーリン!
挫けたからって奈落の底に落ちていくほど待ってられねぇのよアタイは!
この弦月彰利を!お舐めじゃないよ!?」
悠介 「舐めるか。腹壊すわ」
彰利 「そういう意味じゃねィェーッ!ダーリンの馬鹿ー!」
悠介 「ああもう、解ったからジャックの穴から溢れる程に涙流すな」
彰利 「それもそうね。ああところでダーリン」
悠介 「ダーリン言うな。……なんだ」
彰利 「早くせんとメシが冷める。俺様と悠介の合作が」
悠介 「……解ってて邪魔してるのかと思ったぞ」
彰利 「バッケヤラァ!ダーリンのバッケヤラァ!!
俺様はレタス様を使ったものを粗末に扱うほど腐っちゃいねぇぜ!?
レタス様万歳ーッ!万歳ーッ!万歳ーッ!ウォオ万歳ーッ!
リトルグルメでオーマイコンブの時も泣きながら嘔吐を我慢して食ったもんさ」
悠介 「……お前さ、ほんとにレタス好きなのか?」
ささやかな疑問を語ってみた。
どうにもこいつは粗末に扱っている気がする。
新しいメニューを探すにも、味を予想することが出来る人ならそんなもんは作らない。
彰利 「好きよもう大好き!
レタスに納豆乗せてレンジでチンでオーマイコンブは駄作だったが食ったし、
その後は懺悔をするかのようにここの神社で百度参りして脱水症状になって、
数日強制入院したし、その後に筋肉痛に襲われて泣きながらリハビリしたし」
百度参りで脱水症状って……ああ、だから一時期全然来なくなったのか。
彰利 「ヒデェわよダーリンたら!一度もお参りに来てくれねぇんだもんYO!」
悠介 「知らなかったんだから仕方ないだろう」
彰利 「うう……ヒドイや」
ああもう埒があかん……。
ほんとはこいつ、解っててやってるんじゃないか……?
悠介 「今度そんなことになったら、知ったら行くから。今は呼びこみしてメシ食うぞ」
彰利 「あ、そうか。メシが冷めてしまう」
うんうんと頷くと、彰利は一歩踏み出しガコォッ!
彰利 「え?あ、ギャアアアアア!!」
彰利が消えた。
足場を見てみると、そこには穴があった。
……何故に、屋根裏に落とし穴が?
ていうかどこに繋がってるんだこれは。
彰利 「ぬあぁああああっ!」
落ちた彰利だったが、根性でワサワサと這い上がってきた。
彰利 「ふう……俺を落とそうだなんて、セレスたんたらお茶目なんだから」
いいのか、それで。
彰利 「ていうかすまねぇ。実は屋根裏にはトラップが一杯なんだ」
悠介 「どうして」
彰利 「屋根裏っていったら忍者の住処だろう?
それなのにただの屋根裏なんて忍者な人々に失礼じゃないか」
悠介 「……つまりお前の仕業かい」
彰利 「実はそうでしたー」
ジャックランタンの上からでも解るほどに、彼は微笑んだ……気がした。
悠介 「……どうする気だ」
彰利 「フフフ、俺が考えるに───
先程のセレスさんの叫び声はこのトラップによるものだろう。
実は仕掛けの中にすりおろしニンニクが飛んでくるトラップがだね」
悠介 「じゃあ高い確率で吐血してるってことじゃないか!」
懐中電灯で照らしてみると予想通り、セレスの口辺りから血が広がっていた。
こりゃヤバイ。
久しぶりの吐血だ。
悠介 「セレ」
ガボンッ!
悠介 「なッ!?あ、うぉわぁああああああああああああっ!!!!」
突然割れた足場に吸い込まれるように落ちた。
彰利 「ダーリン!?ダーーーリーーン!!」
悠介 「アホォッ!彰利のアホォオオオオオオオォォォォォ……ォ……───」
…………
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