───既望───
───時間は流れる。
穏やかに吹く風を受けて、ゆっくりと。
境内を薄く埋め尽くそうとしている落ち葉をほうきで集めて、俺は溜め息を吐いた。
腕を伸ばして深呼吸をする。
……いい天気だった。
こんな景色を眺めるのも何度目か。
また新しく訪れた秋の気配に苦笑する。
ルナ 「ゆーすけー」
声が聞こえたとともに、巫女装束姿のルナが俺の目の前に現れる。
そして挨拶でもするかのように俺の唇を塞ぐ。
ルナ 「ね、悠介、遊びにいこっ?」
悠介 「はあ、馬鹿かお前は」
既に馴れてしまったルナのキス。
情けない話だが、そんなものに馴れてしまった自分とルナがちょっと悲しい。
昨日もルナに無理矢理キスをされ、しかも姉妹達に見られ、その場は戦場と化した。
あんなものはもう御免だ。
それに───
悠介 「お前ね、キスってのはもっと愛情込めてするもんだろ?
なんだよ挨拶代わりにキスするみたいに」
ルナ 「?変かな」
悠介 「………」
いや。
変なのはむしろ、こんなことを平然と説いて見せる自分。
馬鹿なのは俺だ。
いつからこんなのになったんだ俺は。
ルナ 「?」
悠介 「あー……いや、なんでもない」
俺の顔を覗くルナの額をペシンと叩き、ほうきを持ち直す。
ルナ 「あれ?掃除に戻っちゃうのー?」
例えるならば甘える猫。
そんな声で言うルナは案外嫌味なヤツだと思う。
だから俺は手を振り上げて───
ルナ 「わっ、わっ」
…………振り上げて、どうするというのだろう。
ルナは殴られると思ったのか、必死になって頭を庇っている。
悠介 「………」
ルナ 「え?」
振り上げた手を、ルナの頭に乗せて───ただ撫でた。
ルナ 「悠介?」
悠介 「……待っててくれな。すぐ終わらせるから」
ルナ 「え?う、うん……」
いつからだろうか、誰かを殴ることが無くなったのは。
なにか、俺の中で『誰かを殴る』といった感情が大切なものになっていた。
変だよな、明らかに。
人を殴るなんて滅多なことだろ。
それなのにそれが当たり前のように思えてしまうあたり、俺は中々に異常なんだと思う。
悠介 「よしっ、こんなもんだろ」
際限なく舞い降りてくる落ち葉を眺めながら溜め息を吐く。
さすがに延々と続けるつもりはない。
ある程度綺麗になれば問題ない。
悠介 「んー……っ!いい天気だぁ」
ぐぅっと伸びて、息を吐く。
悠介 「で?なにか用なのか?」
ルナ 「うん、遊びにいこ?」
悠介 「計画は?」
ルナ 「インド!」
悠介 「おっと、あんなところに落ち葉が」
ルナ 「あうぅうっ!冗談だってばー!」
俺の胴にタックルをして泣きそうな声を出すルナ。
悠介 「お前ね、どうしていきなりインドが出てくるんだ」
ルナ 「インドザリガニの存在を確かめてみたくて」
悠介 「勝手に行け、俺は知らん」
ルナ 「むぅ……」
悠介 「えーと、チリトリは……って、うおっ!?」
急に地面が遠く離れた。
ルナ 「こうなったら悠介の意見なんて知らないっ!」
悠介 「なっ───こ、こらルナっ!降ろせ!」
ルナ 「ヤ!」
悠介 「ひとことで打ち切るのはやめろ!」
そうこうしてる間に神社は遠く離れてしまった。
ルナ 「───離してほしい?」
悠介 「………」
フッ……死神も脅迫する世の中になりましたか。
チクショウ。
悠介 「いや、いい。それよりさ」
ルナ 「?」
悠介 「行きたい場所があるんだ。……いいか?」
ルナ 「ん、それはいいけど、何処?」
悠介 「ずっと先の方だ」
ルナ 「ん、らじゃー」
ルナが俺の腕を引っ張り、背中から腕をまわし、抱きかかえた。
悠介 「なぁ、この格好恥ずかしいんだけど」
ルナ 「いいのいいの、その顔が見たかったんだから」
悠介 「お前なぁ……」
笑いながら、空を飛ぶ。
ルナ 「………」
悠介 「………」
お互い、無言だった。
話すことがなかったわけじゃないけど、
それは別に言うほどのことでもなかったし、なにより……話す必要が無かった。
悠介 「全部、見たのか?あのとき」
ルナ 「うん?」
悠介 「記憶だよ。俺の記憶を魂結糸で見せたことがあっただろ?」
ルナ 「んー……うん」
ちょっと決まりの悪い顔をするルナ。
俺が怒るんじゃないかと不安なんだろう。
悠介 「気にするな、俺が覗けっていったんだ」
ルナ 「うん……」
悠介 「それに、嬉しかっただろ」
ルナ 「そうそう!わたしの見たことのない悠介がもうカワイくってカワ───あ゙」
はしゃいだ途端、ボフッ!と真っ赤になるルナ。
ルナ 「……ごめんなさい……」
しゅん、となって謝るルナ。
悠介 「気にするなって言っただろ?」
ルナ 「でも……楽しいことばっかりじゃなかったって解ったから……。
わたし、あの時に悠介助けて良かったのかなって……」
悠介 「………」
申し訳なさそうな、それでもそうあってほしくないという顔。
悠介 「……良かったに決まってるだろ、ばか」
ルナ 「…………うん」
少し涙目になって、それでもルナは微笑んだ。
そんな穏やかな時間に揺られ、俺達は空をゆっくりと飛んでゆく。
目的の場所へ、ゆっくりと。
そうして、暫く沈黙が続いたあと、突然ルナが口を開いた。
ルナ 「ねえ、悠介」
悠介 「うん?」
ルナ 「いま、幸せ?」
悠介 「───!」
……なぜだかわからないけど。
少し、胸が痛んだ。
ルナ 「……悠介?」
だけど悪い気分じゃなかったから。
俺は自信たっぷりに言った。
悠介 「言うまでもないだろ、ばか」
穏やかな陽の光にあてられて。
俺とルナは小さく笑い合った。
………………
そして静かにその場に降りた。
山の中にある、ひとつの廃屋。
弦月の家だ。
俺はゆっくりとその廃屋の裏に足を運ぶ。
そこからの景色はひらけていて、どこかで見たような原っぱがあった。
悠介 「………」
ルナ 「悠介?ここになにがあるの?」
悠介 「思い出、かな」
空を見上げながら言う。
ルナ 「ん……」
ルナが目を閉じて何かを考えている。
ルナ 「あ、ここ……」
そして、合点がいったらしい。
ルナ 「悠介、ここってあまりいい思い出無いみたいだけど……」
悠介 「ああ、でももう一度来たかった」
それがどうしてかは解らない。
解らないけど、どうしてももう一度来たかった。
悠介 「………」
ふいに、一本の大木が目についた。
悠介 「懐かしいな……」
うっすらと残る思い出。
そして───
悠介 「……そして?」
誰かと、一緒に、……誰?
悠介 「………」
思い出せない。
自分が誰かと一緒に遊んでいた記憶はある。
だけどその人物は思い出の中に姿が無い。
悠介 「……ルナ」
ルナ 「なに?」
悠介 「俺、誰かと遊んでなかったか?」
ルナ 「え?」
悠介 「ここで、誰かと……」
ルナ 「んー……あ、前に言ってた『あきとし』って人じゃない?」
悠介 「あきとし……?」
ルナ 「うん、ほら、前に結構悠介が言ってたじゃない」
悠介 「…………?」
あきとし?
…………解らない。
悠介 「……俺、そんなこと……」
いや、言っていたのは憶えている。
だけど、あきとしってのは誰だ?
どうして俺はそんなことを言っていたんだ?
悠介 「………」
大木を見上げた。
そこには昔の俺と、誰かが登っている記憶があった。
悠介 「ぐっ───!?」
頭が痛む。
ルナ 「悠介っ!?」
痛むけど、思い出せない。
そうやって俯いた瞬間。
悠介 「───あ」
声が出た。
そう、この大木だ。
その根元に、あれがある。
昔、誰かと埋めたアレが。
それを思い出すといてもたってもいられず、俺は地面を掘った。
ルナ 「悠介!?ちょ……な、なにしてるの!?」
悠介 「見りゃ解るだろっ!掘ってるんだ!」
ルナ 「そんな、手が汚れるよっ」
悠介 「構うか!」
ルナ 「……あ、じゃあわたしの力で」
悠介 「…………っ……掘りたいんだよ、俺が……!」
自分で言って気づいた。
自分が涙声だってことに。
ルナ 「ゆうすけ……」
悠介 「くっ……」
滲んだ視界のまま、地面を掘った。
自分がこんなにも涙もろかったなんて初めて知った。
掘れば掘るほど嗚咽は高まって。
苦しかったけど、ぼくは土を掘った。
…………やがて、それは何年かぶりに掘り返された。
ぼろぼろになったクッキーの箱。
それを見た時、どうしてだかわからないけど……ただ、涙があふれた。
苦しくてしかたがなかったけど、どうしてもその涙を拭う気にはなれなくて。
ぼくはしばらく、泣いていた……。
───いつか大きくなったら、これを掘ろう。
そんなことを言った記憶がある。
その誰かがなんて返事をしたのかなんて知らない。
思い出せない。
そこには本当に誰かが居たのかだって解らない。
それなのに、たしかにその約束はあって。
ぼくはまたここに来て……だけどその誰かは居なくて───
だから……ぼくは泣いたのだろう。
ルナ 「悠介……」
ルナが心配そうに声をかけてきてくれた。
それは嬉しかったけど、ぼくはただ、涙が枯れるまで泣いていたかった。
理由もなく、ただ溢れる涙。
それをこんなにも大切に思える自分は変だろうか、と……そう考えた。
だけど考えるまでもない。
だって、この世にあって、意味の無いものなんて無いのだから。
そうやって一頻り泣いたあと、ぼくはようやく涙を拭った。
悠介 「………」
滲む視界を払拭して、ルナに謝る。
それから、静かにその箱を開けた。
ルナ 「?」
ルナが覗く。
そこにはただのガラクタしか入ってなかった。
それでも良かった。
別に何かを期待していたわけじゃない。
子供の頃の『ぼくら』の宝物。
それが大人になったぼくらには必要のないものになってしまっていても、
それは確かに宝物だったのだから。
ルナ 「あ、悠介、蓋の裏に───」
悠介 「え?」
手に持っていた蓋を見る。
その裏側には手紙が貼り付けてあった。
このガラクタから見ればまだ新しい手紙。
『追伸 キミにまた会えて嬉しかった』
たったそれだけの手紙。
それなのに。
それだけなのに。
ぼくはまた、みっともなく泣いている。
その理由はやっぱり解らなくて。
ただもやもやと胸の中で渦巻いているこの悲しみだけが、ぼくの頬を濡らしていた。
再会と別れ。
この文字にはそれがあって、それが過去のものであることがとても悲しかった。
例えば自分以外のみんなに自分のことを忘れられたとして、
その人はその世界に存在していてもいいのだろうか。
何度会っても別れれば忘れられてしまうとしたら、それは存在していると言えるのか。
彼はその人を友達だと思ったとする。
次の日に会う約束をして別れたとする。
だけど、その人は彼のことなんか忘れてしまっていて……。
でも、彼は待ちつづける。
───やがていつか出会えたとして。
その人に『キミは誰?』と訊かれて、彼は笑っていられるだろうか。
でも───例えば。
その彼に、彼を覚えていてくれる人が居れば。
彼はそれだけで歩いていけるのかもしれない。
彼が、それを放棄しない限り───
悠介 「うっ……く……ぅう……あぁああぁ…………っ!」
涙の理由なんて解らない。
ただ、いつかと同じように、そう思った。
───ああ……ぼくはまた、大切ななにかをなくしてしまったんだ───
今度こそ涙は止まらなかった。
拭っても拭っても。
それが完全な別れだって実感してしまったから。
その相手が解らなくても、ぼくは泣くことが出来た。
だって……こんなにも悲しいから。
───やがて、うっすらと景色が赤らんでいった。
夕焼けが訪れる。
影となる場所を黒く染めて、目に映る景色を真っ赤に染める夕焼け。
そんななんでもないいつもの景色の中。
ぼくはその思い出をクッキーの箱に詰めて、お別れをした。
言いたいのはさよならじゃない。
伝えたいのはごめんなさいじゃない。
ただ、泣き顔のままの笑顔で、ありがとうを。
やがて土に埋もれて見えなくなる箱を見て、
ぼくはもう一度、涙した───
……ゆっくりと立ち上がる。
ルナが俺を心配そうな顔で見ていた。
そんなルナの頭を撫でて、俺は『行くか』と言った。
戸惑いながらも頷き、ルナは俺を抱えて飛ぶ。
───ゆっくりと。
静かにその景色は遠ざかる。
気を使ってくれているのか、あっと言う間に遠ざかることはなかった。
俺は誰にも聞こえないくらい小さな声で、ありがとうと言った。
そして思う。
もう、ここに来ることは無いんだと。
最後にまたありがとうと言って、成長したぼくは大きな木に手を振った。
またね、とは言わない。
約束をすることもない。
ただ、手を振った。
そこにはもう、誰も訪れないのだから───
───それは昔の物語。
幼いぼくらが夢見た未来。
その希望を持って、ぼくらはそれぞれの夢を描きながら歩いてきた。
その夢が交差することは何度かあったかもしれないけど、
ぼくらは一緒に歩こうとはしなかった。
それは結局、どんなに似せても描いた夢が同じにはならないから。
どんなに願っても、同じものは生まれない。
泣いたところでなんの解決にもならないことを、幼い内にぼくらは知った。
だけど本当に悲しいときくらい、泣いたっていいことくらい知っている。
だから───ぼくらは泣いた。
描いていた絵がキャンバスごと壊れてしまった時点で、ぼくらの夢は終わりを告げた。
それはとても悲しいことだったから。
だからぼくらは躊躇することもなく泣いたんだ。
体が震えた。
目が、頬が熱かった。
顔を上げてられなくて、屈みながら泣いた。
だけどぼくらはまた出会って、そして……笑い合えたから。
この夢は壊れてしまったけど、またいつか、別の未来で───
キミと、ぼくとで、また夢を描こうと。
ぼくらは指切りをして、お別れをする。
やがて消えてゆくぼくの友達。
ただ小さな声を残して、からまっていた小指が消えた。
『俺のことは忘れて、今の幸せを追いかけてみろよ、親友───』
そんな言葉が聞こえた瞬間。
ぼくの中で、大切なものが消えてしまった。
笑っていかった筈なのに、涙が止まらなかった。
なにがそんなに悲しいのかも解らないのに。
ぼくはただ、泣いていた。
───……とても幸せな夢だった。
その夢を、ぼくは目覚める最後の瞬間まで見ていたいと願った。
だけど、もう夢も終わって。
遠ざかる夕焼けに揺れる大きな木を眺めながら、ぼくはゆっくりと手を振った。
それで、友達の物語は終わった。
泣きたくなったけど、この時だけは泣きたくなかったから。
ぼくは無理矢理に笑顔を作って手を振った。
でも……風がぼくの目を閉じさせた瞬間。
大きな木の下で彼が笑ってた気がして。
ぼくはとうとう泣いてしまった。
名前を呼びたかったけど名前が解らなくて。
お礼を言いたかったのになんて言えばいいか解らなくて。
ただ、やっぱりぼくは泣くことしかできなかった。
手を伸ばしたけど届かなくて。
いつか、彼女に助けられたときのように……ぼくは大声で涙した。
そんなくだらない、子供の頃の物語。
もし、いつか別の歴史で未来が開けた時。
ぼくはこんな悲しみに気づくことなく、死ぬまで笑っていられるんだろう。
それがどんな未来かを想像してみたら、ぼくはちょっとだけ笑うことが出来た。
だから。
もう見えなくなったけど。
もう一度笑顔で、お別れをした。
───また明日、この場所で。
それは昔、言いたかった言葉だけど。
でももう、指切りをする友達は目の前には居ない。
だから風に乗せるように、相手の居ないお別れを言葉にした。
そして、ぼくも俯けていた顔を上げた。
さあ、歩き出そう。
遅くてもいい。
つまずいてもいい。
ただまっすぐに前を向いて、歩いてみよう。
振り返るのが悪とは言わない。
時には思い出して泣いてしまうのもいいだろう。
でも、泣いているとき以外は。
この歴史にある幸せをいつまでも追いかけ続けよう。
孤独だった少年が切り開いてくれた、この穏やかな未来の中で。
───静かに、夜が訪れた。
みんなと一緒に月を眺めながら、ぼくらもまた笑っている。
ふと、声が途切れたと思ったら、みんなが月を眺めていた。
綺麗な満月。
そんな満月に見惚れていたら、彼が笑いながら団子をよこした。
ぼくはそれを受け取りながら笑って、そしてまた月を見る。
なんの変哲も無い、どこにでもあるような風景。
それを想うだけで、ぼくは幸せだった。
いつか見た輝く月。
あれほどまでとはいかないけど、その月は綺麗で。
ぼくらはしばらく、静かに月を眺めていた。
そしてまた、くだらない話で笑い合う。
幸せな日常。
それは多分、いつか別の時間で叶うもの。
ぼくはそれを見れないけど、きっと彼は笑っている。
ただ、それを想像しただけでぼくは幸せだった。
───死神は言う。
創造の理力では絶対に創り出せないものがある、と。
それがなんなのかは解らなかったけど……今なら解る気がする。
日常という未来は、人が頑張って築いてゆくものだから。
だからもう、こんな力なんていらないのかもしれない。
ぼくは笑いながら夜空を見上げた。
満月を過ぎた既望の月が、夜空の隅に光っていた。
いつか目が醒めたら、そこには今まで通りの日常があればそれでいい。
望むものなんて何もない。
ただそこに、誰ひとり欠けることなく、居るべき人が居てくれたなら。
ぼくはきっと、いつまでも笑っていられるのだろう。
それはきっと遠くない未来。
彼が頑張って、足掻いた上で開ける運命の先にある未来。
必要なのは運命なんて軌道じゃない。
自分がどれだけ足掻いていられたか。
その結果こそが、その未来に続いているのだから。
ぼくは何もしてあげられないけど。
キミに助けてもらってばっかりだったけど。
でも、いつかキミが心から笑っていられる未来が開けるまで。
ぼくもまた、精一杯の幸せを集めよう。
───やがて訪れる、新しい未来を信じて───
───少年が笑っていた。
ひとつの家族に混ざって、元気に。
いつからか始まった孤独と誤解も緩やかに消えて、
その場に居た全員が心から笑い合っていた。
その時どうして少年が涙を流したのかは誰にも解らない。
ただ、いつか流せなかった涙を少年は流した。
そんな景色が、秋の景色へと溶け込んでいった。
それはきっと、遠くない未来。
いつか孤独な少年が開け放つ、穏やかな未来の物語───
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