ふと、自分の人生を疑いたくなる。 呆れるほどに嫌な日常というものが 自分の目の前に身近にあるというのは…… あまり心地の良いものではなかった。 それというのも、やっぱり周囲に問題があるわけで。 そんなことを思い出しながら、 木の幹に寄り掛かり……風の行く末を見守っていた。 見上げればすぐそこにある花。 季節が変わっても、その景色は変わらずそこにあった。 -ヘッポコな一日のコト-
早朝の景色。 今日もいい御天気模様で。 タッタッタッタッタッタッ……。 そんな早朝の景色の中、急ぐ足音がふたつ。 まあ、俺と真由美さんなわけだが。 真由美「なにもさ、     こんなに早く出ること無かったんじゃないかな」 抗議する真由美さん。 当然の抗議だ。 なにせ、言い出したのは俺だ。 だがしかし、それは甘い考えだ。 あいつという男を知っている者なら絶対に俺と同じ行動をとっただろう。 遥一郎「いや、これくらい早く行かないと」 だから俺は当然のようにそう言う。 真由美「だって、まだ6時30分だよ?」 遥一郎「それまでに来なかったのは奇跡だね」 真由美「え……?」 遥一郎「まだちょっと距離あるし……少し話そうか」 真由美「それはいいけど……」 遥一郎「うん」 少しペースを落とし、昔話を開始した。 遥一郎「これはまだ俺が子供の頃の話だけどね」 真由美「うん」 遥一郎「あ、ちなみにあいつと会ったのは幼稚園の頃。     その頃から思考回路暴走してたんだけどさ。     盟友になったのは     あいつにクレヨン貸したのがきっかけ」 出会いは普通だったんだけどと付け足す。 遥一郎「今考えると……あの出会いですら、     あいつが仕組んだことのように思えるよ……。     まあ、それはもう諦めたからいいんだけど。     問題は盟友になってからだよ。     その日からというもの……」 真由美「……いうもの?」 遥一郎「どうなったと思う?」 俺は頭を痛めながら言ってみた。 真由美「うー……」 考える真由美さん。 遥一郎「じゃあ三択ね。     1:早朝、教えてもいないのに俺の家に来て、       何故か布団の中に潜り込んでいた。     2:早朝、教えてもいないのに俺の家に来て、       枕もとに立ち、じっと見下ろしていた。     3:早朝、教えてもいないのに俺の家に来て、       トイレットペーパーの先を三角にして       紳士であることをしらしめ、       わざわざ窓ガラスをぶち破って逃走した」 真由美「うわわ全部ヤだ!!」 遥一郎「ちなみに言うと答は全部。     しかも毎日来るから質が悪い。     決まって何故か早朝に来るし」 真由美「うわぁ……」 遥一郎「多分今頃、喫茶店の方に現れてると思うよ」 真由美「イヤだなぁ……。     あ、サクラちゃん大丈夫かなぁ……。     一応お母さん達に頼んだけど」 遥一郎「なにをしでかすか解らないからな、あいつ……」 例えばこんなことを話していると…… 村雨 「呼んだかい、この我を」 遥一郎「出たぁあああああああああっ!!」 村雨が現れた。 村雨 「なんだ強き友よ。     まるで化け物でも見たような驚き様だな」 化け物より質悪ぃ……。 遥一郎「で、なんなんだよその服……」 村雨 「何とは心外。コレ心外。     我が校の制服ではないか」 遥一郎「うそつけ!そんなテラテラしてハデな制服が」 村雨 「あるではないか、ここに」 くねっ、とポーズを決める。 真由美「………」 真由美さんはさっきから頭を押さえてる。 解るなぁ、その気持ち。 村雨 「最近話題のファッションセンスを集結した、     我だけのオーダーメイド制服!     実にナウ!!流行最先端は我の物ぞぉっ!」 遥一郎「………」 村雨 「世界が何かに流行るなら、     風邪だって喜んでひくぞ我は」 風邪が流行るとはよく言ったものだ。 遥一郎「俺、流行とか嫌いだから」 村雨 「無論。     我とて冗談じゃなければ     このようなこと口が裂けても言わぬよ。     人の評価で生きるのではなく、     自分さえ気に入れば、それはどの流行にも勝る」 遥一郎「お前のそういうところだけは嫌いじゃないよ」 村雨 「うむ、それでこそ強き友」 真由美「………」 真由美さんは尚更に頭を痛めてる。 どうにもならんよ、こればっかりは。 遥一郎「で、どうだった?喫茶店の方は」 村雨 「うむ、見事なまでに嫌われていたよ。     が、しかしだ。     怒った顔もめんこかったのう」 遥一郎「どこの言葉だ」 村雨 「ふふ、冗談だよ強き友」 遥一郎「今思ったんだけどさ」 村雨 「なにかな?強き友」 遥一郎「お前ってさ、俺のこと名前や名字で呼んだこと     無かった気がするんだけど」 村雨 「………」 遥一郎「………」 真由美「………」 あ、黙った……。 村雨 「………な、なにを言うかと思えば、     そそ、そんなこと」 動揺しとる。 めずらしい。 村雨 「まあ冗談だが」 スッと立ち直る。 村雨 「それは気のせいというものだぞ強き友。     我とて、汝を正式名称で呼ぶことくらい」 遥一郎「じゃあ、言ってみてくれ」 村雨 「望まぬところだ」 遥一郎「望め!」 真由美「………」 真由美さんは思いきり疲れた目をしている。 村雨 「遥……よ……よよよ……     ようよう……よ……よ……YO!!」 遥一郎「YO!じゃないだろこの馬鹿!!     やっぱり無理じゃないか!」 村雨 「ぬぅう、ならば友よ!     我の名をそっと口ずさんでみよ!」 遥一郎「神凪村雨」 村雨 「名指し!?名指しなのか友よ!」 遥一郎「別に指名してるわけでも     探してるわけでもないだろが。     なにを興奮してるんだよ」 村雨 「うむ、実は村娘=サクラの寝顔を見てから」 遥一郎「うぎゃああああああああああ!!変態!!」 村雨 「変態ではない。     ここまで己をさらけ出していることを、     むしろ誉めてもらいたいくらいなのだぞ」 遥一郎「知るか!いいから少し黙ってなさい!」 村雨 「つれないな。     いいではないか、欲望を口にするくらい」 遥一郎「俺はイヤなの!」 村雨 「なにぃい、貴様それでも日本男子か!」 遥一郎「お前は俺を何処の国民だと思ってるんだ」 村雨 「彫刻」 遥一郎「国じゃないだろそれはぁっ!!」 『ボツに気づき、この場で終了』。 後の展開はアナタの中で作成してください。 Next Menu