ホントに半端な物語 もしかして由未絵さんの親族にあたる人とか? それとも由未絵さんの隠し子…… 柾樹 「って、馬鹿か俺は!!」 大体、由未絵さんは叔父さんが好きだったんだ! そんなことあるわけないだろうが!! ……いや待てよ? もしかしたら叔父さんの鬼姉の……? 柾樹 「叔父さん」 凍弥 「ん?」 柾樹 「叔父さんの姉の葉香さんに子供は?」 凍弥 「ああ、奴ならまだ独身だ」 柾樹 「………」 なんか生々しい……。 チィ、この線じゃなかったか。 そこで俺は考える。 ひょっとして俺の妹!? 柾樹 「……そんな訳あるか」 凍弥 「なにをさっきからブツブツ言ってるんだ?」 柾樹 「いやですね?夕のことについて少々」 凍弥 「夕なら外に出ていったみたいだが」 柾樹 「いや、そうじゃなくてですね……。 そうだ!!叔父さん! 由未絵さんの誕生日とか解りますか!?」 凍弥 「当たり前だ」 柾樹 「もしかして1月18日のO型で、 好きなものはハムサンド、 嫌いなものは冷えたコロッケパンじゃ……」 凍弥 「……詳しいな」 柾樹 「………」 なんてこった……。 どうせなら『違う』って言って欲しかった……。 俺の予想から察するに、夕は…… 柾樹 「………」 凍弥 「どうかしたか?」 柾樹 「……叔父さん、ちょっと話を聞いてもらえますか……?」 凍弥 「今まで聞いてたが」 柾樹 「今度のはシリアスで、尚かつ混乱を招きます」 凍弥 「……解った」 俺と叔父さんは場所を移動して、俺の部屋に来た。 柾樹 「信じてもらえないかもしれないけど……。 もしかしたら夕は……」 凍弥 「由未絵かもしれない……だろ?」 柾樹 「はい……って、なんで知ってるんですか!!」 凍弥 「あの口調にあの間抜けっぷり、 そう考えない方がどうかしてる」 柾樹 「………」 俺の推理って何なの……? 凍弥 「でも、由未絵はもう居ない。 葬式にも出た俺だ、それだけは確かだ」 柾樹 「じゃあ……生まれ変わり?」 凍弥 「……その線は俺も考えた。 だが、あの天然ボケな性格なんて、 そうそう引きずれるものじゃない」 柾樹 「なんで、そう思えるんですか?」 凍弥 「直感だ」 柾樹 「……夕も以前、そんなこと言ってましたね」 凍弥 「ああ、そうだったな」 柾樹 「でも……そうなると、あいつは……」 凍弥 「……柾樹」 柾樹 「ウィ?」 凍弥 「夕がどこから来たのか……解るか?」 柾樹 「ええと……森、とか言ってたけど」 凍弥 「森……?」 柾樹 「ハハハ、もしかして、 あの丘のことだったりして……」 ボカァッ!! 柾樹 「ギョォッ!?」 凍弥 「おそらくその通りだ馬鹿者!!」 柾樹 「お、おそらくって…… 確信も無いのに殴らないでくださいよ!」 凍弥 「ついでだ、とっとけ!!」 柾樹 「………」 夕の気持ちが少し解ったような気がしました。 凍弥 「とにかくだ!夕を探しに行くぞ!!」 柾樹 「腹減れば帰ってきますって」 凍弥 「やれることはやる!! 後悔なんて言葉はもううんざりだ!!」 柾樹 「……そうですね」 凍弥 「よっしゃーーーっ!!森だ!丘に行くぞ!!」 ……なんか叔父さんが若々しい……。 ドカァッ!! 柾樹 「ヒィッ!?」 何故か俺の視界を包丁が横切る。 凍弥 「……なんか今、余計なことを考えたか……?」 ギクゥッ!! 柾樹 「め、滅相もない!!」 凍弥 「そうか、それはよかった」 柾樹 「って、どこから出したんですか!この包丁!」 凍弥 「ドナルドマジックだ!!喜べ!!」 嬉しくねぇ!! 尤もな意見だと思う。 凍弥 「いいから行くぞ!!」 柾樹 「いってらっしゃい」 凍弥 「……コラ」 ……殺気!? 凍弥 「一緒に来ないのなら、 お前の食事の全てを糠味噌にするぞ」 柾樹 「糠漬けなら好きだから平気ですぞ」 凍弥 「糠漬けじゃない、糠味噌だ」 柾樹 「味噌!?」 凍弥 「味噌」 柾樹 「………」 凍弥 「………」 柾樹 「脅迫、って知ってますか?」 凍弥 「由未絵が俺にしたものだ」 柾樹 「………」 なんかやっぱり泣けてきました。 『紛れも無くボツ』 Menu