12/“紳士であるためには女性にやさしくする”を前提にしているとただの女ったらしになる
紳士! ジュィウェエエントュリュミュィェエエエ〜〜〜ンヌ!!
紳士って呼ぶよりジェントルメンって呼んだほうがしっかりしてそうなのはどうして?
うんまあそんなことはどうでもいいんだ。
中井出「さてみんな。
知っての通り、時期的に考えて今日の夜あたりにでもヘルマン伯爵が来る。
そこで誰が彼を出迎えるかなんだけど───」
ロビン「紳士と聞いてはこのロビン、黙ってられん〜〜〜〜っ!!」
中井出「黙れケツ」
ロビン「ケッ……!?」
中井出「で、この蟹股フルチンローリング奇声英国紳士以外の人を向かわせたいんだけど」
エヴァ「言いたい放題だな……」
中井出「うむ。この件についてはキン肉マン二世の29巻、
外伝の倫敦の若大将を参考にしてほしい」
場所はフェルダール、浮遊島の一つの月の祭壇。
そこで儀式をするために、能力使えないっていうのに無理矢理やってきました。
三度のメシより武具が好き……こんにちは、中井出博光です。
ちなみにこの場には僕とロビンとキティしか居ない。
“みんな”と言ったのは、現在全体チャット状態だからである。
ロビン「そ、それでお前はこんな場所に何をしに来たのだ〜〜〜〜〜っ!」
中井出「ヘルマンさんのこと華麗に無視だなオイ……まあいいや。
先にやっちゃった方がスッキリするし」
エヴァ「なんとなく付き合ったが、ここに何があるんだ?」
中井出「ここが月の祭壇ってのは知ってるよね? ここでは月の加護を得ることで、
対価を支払えば無茶が出来るルールがあるんだ。
ついさっきブラックノートン先生に作らせたんだけどね」
ロビン「……キミってほんと、
ゲームマスターのくせに自分だけじゃなんにも出来ねぇよね」
中井出「俺らしくていいじゃない」
ハイ。
そんなわけで今回ここに来たのは、レベルを対価として支払い、武具能力を復活させようってことが目的です。
一つずつエジェクトするのが大変だから、だったらレベルよりもオラ能力がええだ! と、こうしてやってきたわけです。
中井出「おぉおお……つ、月の加護よ〜〜〜〜っ!
天より降りし眩き光よぉおっ! 私の願いを叶えろっ!
わ、私がお前を呼び出したのだ! 私の願いこそが叶えられて当然!」
エヴァ「……三流のやられ役が吐く台詞だな」
中井出「思わず呼び出した相手に殺されそうだよね!
一度言ってみたかったんだこれ!《キラキラ……!》」
エヴァ「いや……お前がいいならいいんだけどな……」
中井出「あ、あれ? なんでここで溜め息?」
目を輝かせながら言ってみれば、あっさり溜め息でした。ホワイ?
まあいいや! そんなわけでイベント開始!
天の声『……よくぞ来ました、人の子よ。
貴方はこの場で、己の経験を対価に何を望みますか?』
中井出「あ、はい。レベルを対価に全武具の戒めを解放してください」
天の声『……いいでしょう。貴方の武具と貴方のレベルとを量ります。
───…………全ての武具能力の解放に必要なレベルは1192万2916です。
対価交換を実行しますか?』
中井出「なんと!? のっ……残り44レベルっすか!?
フォーティーフォー!? マグナムエース!?」
天の声『皇竜王、英雄王の力を考えればおまけしてあるくらいですが』
中井出「グ、グウウ〜〜〜ッ!!
で、ではその二つ分の能力を対価に、他の能力を強化してくれ〜〜〜っ!」
天の声『いいでしょう。ではフェルダールで言う初代ドリアード、
ローラとの交渉の結果の通り、人器を極大強化、
ユグドラシルやマナなどの極大強化をします』
中井出「おお、それがベストです。ではよろしく」
僕が立つ祭壇に下りる光が一際強くなる。
と、ピピンッていつもの音がして、我が能力が───……ハイ、底辺に。
その代わりに溢れ出るマナ! 充実するユグドラシル! ユグドラシルが栄えれば豊かになるヒロライン! 素晴らしい!
……あ。でも武器レベルも44だ。そりゃそっか、同調スキルもあったから、自分のレベルと武器の+が同じ数になるはずだったし。
エヴァ「……調べる⇒中井出博光…………おおっ、本当にレベル44だなっ」
中井出「すげぇだろ」《バァアーーーン!!》
ロビン「皮肉も効きゃあしないよこの子ったら……」
さあ、底辺男の誕生さ。
これできっとキティにも勝てない。だが死なない限りは希望はあるさ!
なにせ一発狙いの技がゴロゴロ転がるこの博光の武具ですから。
ロビン「しかしこうなると……オオ〜〜〜ッ、
い、今ならばこのロビンでも勝てそうではないか〜〜〜っ」
中井出「つーかお前はなんで来たの?」
ロビン「ロビンズイコンが久しぶりに反応を示したので来てみれば、
貴様がこんな場所でドロップアウトをしようとしていたのだ〜〜〜〜っ!」
中井出「ドロップアウトは貴様の専売特許でしょこのロビンめ!」
ロビン「な、なにをぬかす〜〜〜〜っ!
この紳士超人が超人をやめるなどと、どの口がほざく〜〜〜っ!」
中井出「ドロップアウトしたからお前、
蟹股フルチンで“ヒョオオ〜〜〜ッ!”とか叫ぶことになったんだろ……?
現実から逃げるなよ……」
ロビン「う、うるせーーーっ!!
原作でもそうだったんだからしょうがねぇじゃねぇか!!」
うん、あれは笑った。
腹抱えて笑った。
“ゆで先生はギャグを狙うよりシリアスを描いたほうが笑える”というのは、僕らの中では常識的な事実である。
他にもカオスが遺書のようなものを書いている時に、話し掛けたマンターロを何故か「クク〜〜〜ッ」と言いながら睨み、マンターロがそれに対して「ムウウ〜〜〜ッ」と返しているよく解らんところとか、妙に語尾を延ばしているところとか、大魔王サタン様が「グムムギギ〜〜〜ッ」とよく解らん唸りを上げているところから、ミートの後頭部に新幹線の破片がガンとストレートにぶつかったところとか、普通に見てても笑えるところは満載である。
クァンに「うるさい静かに見てろーーっ!」って逆ギレされて、「グ、グゥムッ」と唸っている観客も面白かった。
エヴァ「……なぁヒロミツ。こいつの中身は弦月彰利でいいんだよな?」
中井出「そ。ある時は紳士超人ロビンマスク、
ある時は微食倶楽部の海原雄山()、またある時は死神王。
それがこの男、弦月彰利だ」
ロビン「ナンバーワーーーーン!!」
説明をしてみれば、右手人差し指を天に掲げてナンバーワン宣言。
うむ、キティが引いてる。
中井出「この博光も合わせ、
主な行動が意味のないことばかりだからあまり気にしないように」
エヴァ「今となっては随分と解りやすい説明だ。もっと早くに聞きたかったよ」
中井出「聞いたところで結果は変わらんと思うけど」
ロビン「あ、ところでキミらってさ、もし子供が産まれたらどんな名前つける?
紀裡ちゃんは麻衣香ネーサンがつけたんしょ?」
中井出「いきなりだなオイ……俺?
俺なら“結婚宣言”と書いて“しぼうふらぐ”と読ませる」
エヴァ「子が泣くわっ!!」
中井出「とまあこんな感じで、咄嗟の問答にもツッコめるくらいの胆力がなくては」
ロビン「ウム。我らの相手などとてもとても」
エヴァ「…………同類視されるのが物凄く嫌なんだが」
失礼な。
嫌だという気持ちさえも楽しんでこその人生。
嫌がる相手も盛大にからかうべきさ。
中井出「じゃあマクダウェルはどんな名前をつけたい?」
エヴァ「うぇっ!? あ、え、あ、あー……相手にもよるが、その……。
に、ににに二文字目が“ギ”になるようにだな……」
中井出「ギギネブラか!!」《どーーーん!!》
ロビン「す……《ごくり……!》すげぇ……! こりゃ自殺モンだな……!」
エヴァ「ぎ、ぎぎ……?」
中井出「ぬ、ぬう……ギギネブラ……」
ロビン「し、知っているのか雷電」
中井出「う、うむ……ギギネブラ……」
◆ギギネブラ
モンスターハンター3に登場する、トライ版フルフル。
天井に這いついたりハンターを丸飲み拘束したりする嫌な敵。
ちなんで名付けられたら死にたくもなると思う。
そしてまずイジメに遭うこと必至。
*神冥書房刊:『ハンターがモンスターにつける名前の基準が解らん』より
ロビン「……キミ……」
中井出「俺……お前のこと尊敬するよ……。我が子になんて試練を押し付けようと……」
エヴァ「ち、違うぞっ!? ぎぎなんたらって勝手に言ったのはヒロミツだろ!?
なななんで私がそんな冷めた目で見られなきゃならないんだよっ!!」
ロビン「や、キミが二文字目がギになるようにって言ったんしょ。
他に二文字目がギなヤツなんざ───」
中井出「……ハッ!? そ、そうかあれがあったか!
この博光も耄碌しておったわ、よもやヤツを忘れるとは!
かつて存在したとされる絶対の存在!
そいつが放つものは全てを破壊し、圧倒的な力を見せ付けたという……!」
エヴァ「そ、そうだそっちのほうだっ! まったく、なぜギギなんたらなんて名前に……」
中井出「その名もラギュ・オ・ラギュラ!!」《どーーーん!!》
エヴァ「ちょっと待てコラァアアアアア!!!
わざとか!? わざとなのかお前っ!!」
中井出「いや……俺お前のこと尊敬するよ……。
我が子をあんなゼットンもどきと同じ名前にしたいだなんて……。
そりゃあ滅茶苦茶強いし、金子彰史曰く、
ワイルドアームズはトニーに始まりラギュ・オ・ラギュラに終わるゲームらしいが
なにもそんなヤツの名前つけなくても……」
エヴァ「違うって言ってるだろうがこのっ!」
バゴロチャドッパァアンッ!!!
中井出「ゴギャアアアアアアッ!!!!」
エヴァ「───へ?」
殴られた! ストレートで顔面ッッ!!
すると、まるで紙細工のようにゴヒャーと飛ぶ僕の体!
やがて僕の体は崖近くに存在していた出っ張った岩に直撃、それを破壊しても治まらぬ勢いのままに、月の祭壇のある浮遊大陸から落ちていきました……。
───……。
そんなことがあったあとの現実世界・IN・麻帆良。
現在、教室へ向けてンゴゴゴゴと無駄に迫力満点で歩いているところです。
中井出「《シュウウプスプス……》ちくしょ〜〜……」
まあその……ボッコボコ状態で。
我が体……激烈雑魚!!
44レベルではこんなもんなのかもしれんが、それでも弱すぎ! なにこれ! 死なない体だから平気だったけど、こりゃいくらなんでも弱い! 弱すぎるよ!
いや待て? 44だろ? 普通の人間より明らかに強いはずなのにこれって……もしかして44レベルなんじゃなくて、マイナス44レベルなんじゃあなかろうか。
中井出「フッ……今なら泣いた赤子だって一捻りだぜ?(俺を)」
エヴァ「弱くなるにも極端すぎだろお前……
普通は“10分の1程度の力しか出せない”とかだろうに」
中井出「でもスゴイんだぜ!? 何せ能力が引き出せる!
ゲフェフェフェフェその気になれば貴様とてイチコロよ!(俺を)」
エヴァ「力の解放状態じゃあなかったっていうのに、あの吹き飛び様を見ればな……」
中井出「グ、グーム」
いくらなんでも吹き飛びすぎだよ俺……まさかツッコミナックルで岩石破壊するほど飛ぶとは……まるで悪夢のような出来事だったンワァ?
だが仕事は仕事さ。
生憎の雨だけど、今日も頑張って学校にご奉仕するのさ。給料のために。
エヴァ「“創世の猫”によると、
お前は武具から能力を引き出すことしか能がないんだよな?」
中井出「うむ! 鍛錬とか修行とかそりゃもー全然やってなかったから、
武具が無ければ究極雑魚! ……博光です《脱ギャァアーーーン!!》」
エヴァ「だから脱ぐなっ! ……で、今はレベルを犠牲にしたから雑魚だと」
中井出「フフフ、断っておくがこの博光をただの雑魚と思うなよ?
俺がその気になればここら一帯が焦土と化すぜ? ……自爆で」
エヴァ「どこまでも格好がつかない男だな……」
中井出「ほっといてよもう!」
さ、教室です。
涙は見せても弱音も吐きまくる男……博光です。最悪だなオイ。
まあいいのさ、それが僕の人間らしさ。
泣いたっていいじゃない、弱音を吐いてもいいじゃない。
僕はその全てを許しましょう……だって僕だし。
中井出「セルフで自分を許してると、ちょっぴり寂しいね……」
エヴァ「いーからさっさと中に入れよ。後ろがつかえてるだろ」
中井出「《ゲシゲシッ!》ギャッ! ギャッ!
な、なにをするやめねぇか〜〜〜〜っ!!
背中が弱点だって言ったろうが〜〜〜〜〜っ!!」
能力復活に伴って、やっぱり復活の背中の弱点。
引き戸に手をかけたところでゲシゲシと蹴られ、もはやこの博光のライフポイントはたったの1です。
……弱ぇ……超弱ぇ……。
だが挫けない! 何故ならマグナムエースはアイアンリーガーだからだ!(意味不明)
さあまずは元気な挨拶さ! ガラリと開けて、僕のキミたちに明るい笑顔を!
中井出「みんなおはよう!
生憎の雨だけど、今日も頑張って《ボフッ》ギャアアアーーーーーーーッ!!!」
…………ドタッ。
開けた途端に落ちてきた黒板消しで死んだ。
エヴァ「え? あ、おいっ!? ヒロミツ!? オィイイイーーーーーッ!!?
黒板消しで死ぬなんて恥さらしにもほどがあるだろっ!? おーーーいぃっ!!」
いや……それ、散々人の背中を蹴ったキミが言います……?
───……。
ざわざわ……
中井出「ふ〜〜〜っ、死ぬかと思ったチェン」
ネギ 「や……実際心臓停止してたんだけど……」
さあ朝の会……もとい、HRです。
そういやなんでホームルームっていうんだっけ? まあいいや。
中井出「えー、では朝のHRを始めます。
ちなみにHRってのはヒゲ・レボリューションの略です。全力で嘘ですが。
以上、HR終わり!!」
ネギ 「まだ何も言ってないよ!?」
中井出「だって副担任って退屈なんだもん!」
ネギ 「退屈ならもっと長引かせる努力をしようよ……これも仕事なんだから」
中井出「グ、グウウ……ムムウ……」
退屈を長引かせても致し方なし。
ならば退屈をも楽しんでこその人生ということで、えーと……グムー。
中井出「じゃあ雨がひどいから今日のHRも授業もここまで!
外行ってドッヂボールしようぜ!?」
ネギ 「屋内なんだから雨で中止する必要ないよ!?」《がぼーーーん!》
中井出「グ、グウウ……じゃあ仕方ないから連絡事項を報せるよ?
なんだよもう……もうちょっとじらしたかったのに……」
明日菜「センセ、そんなのじらされてもちっとも嬉しくないから」
解ってます。
さて、連絡事項は簡単なことだ。
今日はいろいろあるから、たとえ用があっても外に出たらメーですよ? って。
ネギ (……コタローくんにヘルマンって人を迎えにいってもらってるんだよね?)
中井出(うむ。初めてのおつかいだ。
そいつが持ってる魔法の瓶をかっぱらってこいって指令を出しました)
ネギ (えぇっ!? 泥棒はいけないことだよヒロミツ!)
中井出(な、なにをぬかす〜〜〜っ! こ、これは必要なことなのだ〜〜〜っ!
この博光の未来を視る目が言っておるのだ〜〜〜っ、
ヘルマンさんの瓶を盗まねば、き、貴様らには呪われた未来しかないぞと〜〜っ)
ネギ (えぇえーーーっ!!?)《がーーん!》
途中からカナッサ星人っぽくなってたけどまあいいや。
さて、そんなこんなであっさりホームルームも終了。
各自今日という日を堪能すべく、行動に出始めた。……授業の用意だけどね。
───……。
カカカッカッ……と黒板に文字を連ね、クルリとターン。
中井出「えー、というわけでこの問題を……明日菜くん」
明日菜「ハイ。えーと……The party was concluded with three cheers.……
万歳三唱でそのパーティーは終わった」
中井出「はい結構。最近成績を伸ばしてきてますね、博光感激です」
そして実に七瀬チックな問答でした。
あやか(……どうなってますの、最近の明日菜さんの成績……!
ハッ!? もしやこれは挑戦!? この雪広あやかへの挑戦!?)
中井出「じゃあ次にリラックス問題。
英語とは全然関係ないから頭をやーらかくして軽く考えてね。
もはや皆様に忘れ去られし芸、“どどんまい”。
このポーズによく合うプロレス技はなんでしょう」
ネギ 「かっ……関係ないにもほどがあるよっ!?」
中井出「な、なにを言いだすのかねキミ! リラックス問題だって言ったでしょ!?
こんな延々と英語ばっかりペラペラソース言われたって身に着くもんかい!
だからハイリラックス! この問題の答えを〜〜───千雨さん! 答えて!
ちなみにわざと間違えたら飛びつきスウィング式DDTします」
千雨 「リラックス出来る要素がそれの何処にある!?《がーーーん!》
う、ぐ……こ、答えは……お、おおお……OLAP、です」
中井出「おおおマーーヴェエラス!! その通りだよちーちゃん!
パロスペシャルじゃないところが実に素晴らしい!
じゃあちーちゃんの英語の成績、満点にしとくちょー」
ネギ 「えぇえええーーーーーーっ!!?」
千雨 「なぁああっ!? ここっ……こんな問題で!? ……でもちょっとラッキー」
ネギ 「ちょっ……だめだよヒロミツ! 成績はきちんと調べて……!」
中井出「うむ! 現時点では満点! ここから減らすも保つもちーちゃん次第!
満点を維持したくば励むがよいわ! ボハハハハハハ!!」
千雨 「ぐっ……結局勉強しろってことかっ……!」
ネギ 「…………あれ? これって結構やる気が出る方法かも……?」
うむうむ、さあ続けましょう。
英語はどうにも苦手だが、そこはそれ、ホギーズブレインを利用してスラスラと。
……ちなみに。この世界ではフツーにキン肉マン二世が連載されてます。
ライトニングを知らなかったのは、ただ単にキティがキン肉マン二世を知らなかっただけかと。
───……。
キーンコーン……
中井出「うっしゃあーーーい本日の授業っ……コンプリーーーッ!!」
皆様 『イエーーーーーーーッ!!』
いろいろあって放課後のHR終了!
これより自由時間とし、もちろん僕は───…………どうしよう……。
中井出「あ、あのー、みんなー?
僕これから暇だから、暇潰しに協力してくれるとそのー……エヘヘ。
ってゲェエエーーーーーーッ!! 既に誰も居やしねーーーっ!!」
ば、馬鹿な……ば、馬鹿な……!
終わりを宣言したばかりだというのに、なんと足の速きこと……!
あ、でもキティだけは机に突っ伏して寝てる。
茶々さんは今日メンテだって言ってたし、ハカセとどっか行ったんでしょう。
中井出「……ねぇネギ。僕って副でも一応担任だよね……?」
ネギ 「そう思ってるなら真面目にしようよ……」
中井出「失礼な。この博光、いつだって真面目にふざけておるわ」
ネギ 「ふざけない努力をしようっ!?」
中井出「グ、グウムッ……そ、それは無理だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
唸りつつ、外を見やればやっぱり雨。
さて……コタロはきちんとおつかいを完了できているかどうか。
……あ、そういや何処から来るのかも教えてなかった。
いやそもそも知らなかったよ僕。
中井出「まあいいや、
コタロなら僕の想像を遙かに絶する結果を残してくれるって勝手に信じよう」
ネギ 「の、残さなかったら?」
中井出「え? メイプルリーフクラッチであの世へ送ってやるけど?」
ネギ 「……ヒロミツって時々普通に外道だよね……」
中井出「いや……冗談ナンスけど……」
素直なお子に外道と言われてしまった……。
もちろんその通りであると自負してるから、構いはしないのだけれども。
中井出「よし。じゃあマクダウェルでも担いでどっか行こうか」
ネギ 「ヒロミツは傘、持ってきてる?」
中井出「フッ……案ずるな。俺にはマクダウェルパラソルという最終兵器がある。
すげぇだろ、目からレーザー放てるんだぜ?」
ネギ 「仮にも生徒を傘扱い!? って、レーザーなんて放たないよっ!」
中井出「しかもこのパラソルの凄いところは、なんと目からレーザーを放てるところ!」
ネギ 「だから放たないってば!
や、やめようよヒロミツ、雨なら魔法で防げると思うから……」
中井出「ばかもん! なんでも魔法で解決したらあきまへん!
この科学の進んだ時代でも魔法だとか科学だとかに頼るから人間、弱くナリマス!
だからそう……先人たちが残した方法で、
もっとこの世に感謝しながら雨の中を歩くのです……!」
ネギ 「ヒ……ヒロミツ……! そ、そうだよねっ、なんでも魔法に頼ってちゃだめだっ!
探せば予備の傘を持ってきている人が居るかもしれないし、
そういうきっかけで人脈を増やしていくって方法も───」
中井出「ふ〜〜〜っ、しかしこんなところに傘があってよかったぜ。
このマクダウェルパラソルがあれば、たとえ豪雨の中でも平気だ。
目からレーザー放てるし」
ネギ 「放たないよっ! ってだからそうじゃなくてぇえーーーっ!!?」
よいしょと、眠りこけているキティを持ち上げる。
と、僕の服がガシリとネギに掴まれて……
中井出「ぬうう離せぇえええーーーっ!!
あ、生憎とこのマクダウェルパラソルは一人用なのだーーーーっ!!
い、いくら貴様とてこの傘は譲れねぇ〜〜〜〜っ!!
他に傘はあれども、目からレーザーを放てる傘はこれしかねぇ〜〜〜っ!」
ネギ 「なに平気で傘にすること前提で話を進めてるのっ!?
そんなことしたら師匠がまた風邪引いちゃうよ!?」
中井出「大丈夫。その時は僕がつきっきりで看病するさ……」
ネギ 「ひ……ヒロミツ……!《じぃいん……ハッ!?》
ってそれ、ただヒロミツがサボりたいだけでしょーーーっ!?」
中井出「ゲゲェ即効バレた! だだ大丈夫だってマクダウェルなら!
ほらっ、カード使えば平気だろうし、目からレーザーだって放てるんだぞ!?」
ネギ 「魔法に頼ってちゃダメッて言ったばっかりなのにっ!?
レーザーは関係ないけどカードに頼ってたら同じだよ!?」
中井出「グ、グムム〜〜〜〜ッ」
ならば仕方なし。
ここまで説得されちゃあ実行するわけにもいくまいよ。
中井出「じゃ、仕方ない……濡れて帰るか」
ネギ 「いやあの……予備持ってる人、探そうよヒロミツ……」
中井出「いや。きっとみんな今を生きるので精一杯さ。
他人のことなんて気にしてられない年頃さ。きっと自分の分しか持ってきてない。
そして生徒の見本になるべき僕らが傘を忘れたことを、
指差して笑うのさゴヘヘハハと」
ネギ 「そんな笑い方するの、ヒロミツだけだと思うけど……」
中井出「《ぐさり》……キミ、顔に似合わずひどいこと言うね……」
ネギ 「えぅっ!? な、なにかひどいこと言った!?」
いえ、真実しか口にしてませんけどさ……。
───……。
ドザァアアアアアアアーーーーーーーーッ!!!!
中井出「ふ〜〜〜っ、物凄い雨だ。このマクダウェルパラソルが無ければ大変だったな」
ネギ 「って、だから普通に師匠を傘にしないでよーーーーっ!!」
歩いて回って屋上!
考えてみりゃあ僕の家ってテントだし!
ログハウスへの転移もあそこから行けば早いしで、ネギと違って寮に向かう必要もなかったというわけだ〜〜〜っ!
というわけで豪雨の中を歩いてます。
しっかりとキティをタワーブリッジで傘にしながら。
中井出「ネギ、こんな雨なんだから寮に帰りなさい。
マクダウェルは僕が送っていくから《キラーーーン♪》」
ネギ 「歯を光らせながら言っててもやってることが外道すぎるよっ!?」
中井出「外道ですもの」《どーーーん!》
ネギ 「胸張って言うことじゃないよ!?」
中井出「安心をし……俺は言う」
ネギ 「安心できる要素が何処にもないんだけど!?」
ワハハハハ、あるさ! どれだけ外道に走ろうともこの博光! キティを見捨てるようなことはせぬ! ならばこそこんな無茶も出来るというもの!
エヴァ「ん、んう……ぅうっ!?
ぷわっ!? なななんだこれはっ! なぜ雨がっ!?」
中井出「ヒュ〜ハ〜〜ッ、ようやくお目覚めらしいぜ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
こんな体勢だというのに今まで起きなかったことを、
褒めてやりてぇところだ〜〜〜っ!」
エヴァ「ヒロミツ!? ぷわっ! なにがどうなってっ……!
お、おろせっ! いいからとにかく下ろせっ!」
中井出「だめだ! ……この雨を見て解らないのか……!?
こんな雨の中を濡れて帰ったら、風邪を引いてしまうだろ……!?(俺が)」
エヴァ「おぉおおおいっ!? それで人のこと傘にしてるのか!?
っていうかお前ももう顔とかびしょ濡れじゃないかっ!!
そこまで濡れて、今さら風邪とか言ってる場合か!?」
中井出「なんと!? せっかく下ろしてやろうと思ったのに今さらと申すか!
ならばこのままGO! タワァーーーブリッジ!!」
エヴァ「《メキメキメキメキ》もぎゃぁああーーーーーーーーーっ!!!」
中井出「そらそ〜〜らそ〜〜ら〜〜〜っ! こいつはメチャゆるさんよなぁ〜〜〜っ!」
ネギ 「……“許せん”じゃないの?」(もう諦めた)
中井出「何を言う。正しくは“メチャゆるさんよなぁ”だ。
“何をするだァー”に続く、ジョジョの名言ぞ」
ふう、しかしモノスゲー雨だ。
こりゃあおつかいに行かせたコタロもびしょ濡れに違いねぇ。
帰ってきたらエーテルアロワノンでゆっくり風呂にでも入れさせよう。
中井出「うーむ……なんかもうここまで濡れてりゃどうでもいいね。
デーモニッシェアさんを迎えに行こうか」
エヴァ「なんだか解らんがその前にまず離せぇえええ……!!」
中井出「僕とキミの仲じゃないか! 俺と貴様は……一心同体!!
僕はキミを離さないよ! キミが僕の仲間だから!
おおなんという心温まる友情……!
マクダウェルの胸もきっと張り裂けそうに違いねぇ〜〜〜〜っ!」
エヴァ「裂けるにしても別の意味でだこのアホーーーッ!!」
中井出「《ガッ!》おや?《ベゴキャア!!》ニーチェ!!」
キティの両手が僕の頭を掴み、狼髏館回頭閃骨殺を!!
あっさりと360度回転した僕の首は、支えを無くしたようにがくりと背中側へと落ち……!
中井出「ゴホホホホ……! 今のでこの博光を倒せたつもりかえ……!?
甘い甘い! 首を折られた程度でくたばるこの博光か!《どーーん!》
なんとも甘い考えをグオオ呼吸が出来ぬゥゥ……!!」
だらりと首が垂れているもんだから気道が……!
あ、いや……なんか光が見えてきた……! 心無い天使が空から来る! ネロをお空へ連れていく! そしてララァが音も無く走って───あ、あれ? 裸足? ───ア、アアーーーッ!! ララァかと思ったらあなたはサザエさん!
なぜこんなとこゴドシャアッ!!
エヴァ「ぶぴうっ!?」
ネギ 「うわわわわ師匠ーーーっ!!? ヒロミツ! ヒロミツーーーーッ!!」
光に誘われるままに倒れたら、丁度キティの顔面が屋上のコンクリへとゴドシャアと落下……これぞ世に言うデスパレーボムである。
もちろん僕もゴトーンと思い切りコンクリに頭を打ちつけ、というか自分の背中で下敷きにしてしまい、息がっ……息が───アオアーーーーーッ!!!
───……。
ザアアアアアアバチャバチャバチャバチャ……!!
中井出「ふ〜〜〜っ、死ぬかと思ったチェン」
ネギ 「だから……呼吸も心臓も停止してたよ……」
エヴァ「いくら不老不死だからって、痛いものは痛いんだぞ、この……!」
もはや濡れることも気にしない。
ザンザカと降る雨の中を歩き、ネギを寮へと連れていっているところさ。
そんな中でバシャバシャと二人の前に走りゆき、クルクルと回ってハイ一言。
中井出「ねぇ見て見て……? 世界に私達だけみたい……!」
エヴァ「ばぶふぅっ!? ぶはははははははははっ!! アハハハハハハハハ!!!」
ネギ 「え? え? 今の笑うところだったですか?」
中井出「うむ。コツは男のくせに乙女チックに振る舞うところです。
イヤー、しかしよく降るなぁ。これいつになったら止むのやら」
エヴァ「くふっ! ぷふっ……! そ、そう長くはぶふっ! 降らないそうだぞ……?」
中井出「えーからキミは笑ってなさい。
俺は楽しいを知らぬ者のためにこの世界に降り立った…………!」
超絶嘘ですが。
中井出「お? あげなところにステージが。
あそこってなに? 誰かが歌って踊ったりするの?」
ネギ 「あ、うん。そろそろ学祭の準備があるからーってみんなが言ってたから、
誰かがきっと歌ったりするんじゃないかな」
中井出「祭りか……いいね、祭り! 祭りは大好きである! ……って、ネギ?
あそこ……ステージの上に、なにやら蠢く物体があるんだけど」
ネギ 「え? …………あ、なんだろあれ」
エヴァ「くひっ……くひひっ……んん……? 魔族か? いや、使い魔的なものだろうな」
中井出「へー……なんかスライムっぽいね。うぞうぞ動いてる」
…………って、アレか! デーモニッシェアさんの使役物!
へー、やっぱここでバトるつもりなんだ。
とか思ってたら、ステージの上に作られた水球らしきものの中に、ボボンッと生徒たちが飛ばされてきた。
“扉”転移? ちっこいくせになかなかの高等技術をお持ちで。
つーか続々と飛ばされて来てるね。あ、明日菜くん。
おお、しっかりと那波さんまでもが……っつーことはコタロくんやられた?
そっかそっか、さすがにデーモニッシェアさんは本気出してなかっただけのことはある。
中井出「あ、あれが学祭で使うステージか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
どおれ今日は大暴れしてやるとするか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
ならば人質なんぞ必要無し。
彼女らはさっさと救いましょう。
中井出「よっしゃよっしゃ、属性解放も久しぶりだね。では元気よくいきますかっ!
我が右手に灼紅剣ジークムント! 我が左手に蒼藍剣ジークリンデ!」
霊章から二振りの大剣を取り出す。
うむ、レベルはマグナムエースでも能力は解放できるから軽い軽い!
中井出「さあGO! 紅蓮に創! 蒼碧に機! 連ねて一つの力と成す! 義聖剣!!」
双剣を長剣化し、稀紅蒼剣ジークフリードに。
するとそれぞれに込めた属性も混ざり合い、魔力と気のみでは終わらないアルテマアートを作り出す。
ちなみに使用出来る属性はオリジン抹殺から古の神々吸収に至り、とても増えましてござい。現在使用出来る属性と象徴はえーと………前に見たときとそう変わらん。
もちろんルドラ側のヤツらは、それぞれのかっぱらった武具を吸収したお陰で具象化された意思たちだ。
古の神々の力の恩恵で普通に召喚出来たりするけど、呼ぶことは滅多にない。
特にイドは絶対に呼ばん。
中井出「うう……懐かしい感触……! どうにも人器を自在に扱えるようになってから、
アトリビュートキャリバーの使用頻度が減ったようでいかん」
そりゃね、人器も素晴らしいが、ぼかー元々武具能力大好き人間。
人器も武具能力だけど、キャリバー使うのと人器発動とじゃあ何かが違うんだ何かが。
中井出「うーじゃ解放! 機械の創造世界、プログラム・ジェノサイドハート!!」
創造属性は世界創造を実現させます。
そこに様々な属性を混ぜることにより、たとえば雷の世界を創ったり神の世界を創ったり。応用はいろいろあるから、やっぱりそこはイメージ力。
ともあれ解放した途端、ザンザカ雨が降っていたのが嘘なくらいに雨が止み。
気づけばその場は機械だらけのジェノサイドハートのメインルームに……!
ネギ 「わっ、わっ!? なになになにっ!?」
エヴァ「世界創造!? 武具の力だけでそこまで可能なのか!?」
中井出「可能さ! …………所詮僕の能力じゃないしね……《ずぅううん……》」
エヴァ「いちいち格好つかないやつだなっ!
胸張って俺の能力だーくらい言えないのか!?」
中井出「語尾に“(笑)”をつけていいなら」
エヴァ「ああそうか……格好つける気はゼロなわけだな……」
中井出「うむ! その代わり広い許容、仲間を包み込む暖かさ、
そして頑丈なる堪忍袋を持っています。
いつも心にトキメケを。……博光です《脱ぎっ》」
エヴァ「なんで脱ぐっ!?」
武具に対しては謙虚な心。こんにちは、博光です。
俺の能力は武具と意思疎通するだけ。
器詠の理力……バストラルフォースってものだけだ。
創造の理力、死王の理力、次元の理力、器詠の理力。知る限りじゃ四つくらいだったか、それとも死王は彰利のでっちあげだったか。
創造、次元、器詠くらいしか鮮明に解るのがありゃしない。
それぞれ、イメージを具現化させる……つまり創造と、次元を操る力と、器を詠む力。
創造も次元も、晦やジークンの意志を受け取ったり融合したりしたお陰で使えるが、やっぱりそれは武具能力なわけで。
器詠の理力だってあの鎌が無いと使えないし……とことん雑魚ですね、俺単体って。
中井出 「というわけでたのもーーーっ! いきなりだが人質を返してもらう!」
スライム1『オオッ……? 攫った途端とは大胆ダナ……』
スライム2『引きずり込んでから1分も経ってないデスぅ』
スライム3『…………』
中井出 「えーとキミらスライムだよね?
我が3564プロはいつでもアイドルを募集している!
どうだね! キミたちもヒロラインでモンスターになってみないかね!」
スライム1『なるワケねーだろバカ』
中井出 「馬鹿とはなんだコノヤロウ!! もはやこの博光、辛抱たまらん!」
エヴァ 「随分もろい堪忍袋だなおいっ!」
エイィそんな言葉は知りません!
すでに場はバーチャルシフトで砂漠へと変えてある!
雨も無ければ、水を利用しての転移も不可能! やれるもんならやってみるがいい! 途端にその水分全て、この砂漠が吸い取るだろう!
中井出「おぉ〜〜〜りゃ〜〜〜っ!!」
博光の攻撃! バゴシャアッ!!
中井出「ぶべっしぇぇええーーーーーーーーっ!!!!」
カウンター! 幼児程度から小学生程度の大きさになったスライム子ちゃんに顔面を蹴られ、僕は砂漠をボサッバサッと跳ね転がった!!
中井出「グッ……ガハッ……! ちびッ子のくせになんてパワーだ……!」
エヴァ「おぉおおい!?《がぼーーん!》いくらなんでも弱くなりすぎだろぉおおっ!?」
中井出「グ、グウウ〜〜〜ッ……!!
い、今のでアバラが何本かイカレちまったらしい……!」
エヴァ「───! へ、平気なのかっ!? って、今蹴られたの、顔面じゃなかったか?」
立ち上がる……が、へへ……既に瀕死だぜ……!
なんと愚かな行動だったのだ……相手が悪すぎたぜ……!
中井出「せ、世界のなんと広いこと……。よもやこれほどまでに強い敵がおるとは……!」
エヴァ「いや……単に貴様が弱くなりすぎただけだろこれ……」
中井出「な、なにを言う! 44レベルだってそれなりに強いんだぞ!?
なのにこの有様……! きっと相手のレベルはとんでもないことに!」
エヴァ「……調べる……《ピピッ》───ふつーに倒せるほどの相手だが?」
中井出「なんですって!?」
ウム! 喋ってる間に回復した!
だから一応調べるを発動! すると───!
ピピンッ♪《外道スライムは計り知れない強さだ!》
中井出「計り知れない強さだって!! やっぱ強いんだよあいつら!」
エヴァ「だからどれほど弱いんだよお前は!!」
中井出「ウ、ウムム〜〜ッ! ならば仕方ない〜〜〜っ! すぅっ───“1”ィッ!!」
ランドグリーズを取り出して背負うと、そこにジークフリードを納めて一呼吸。
徒手空拳のままに烈風脚で一気に間合いを詰めパゴシャアッ!!
中井出 「ゲファーーーリ!!」
スライム1『オ? なんか当たったゾ?』
勢いを殺しきれずに、たまたま構えられていたスライムさんの拳に顔面から衝突。
一回転して地面にザムゥ〜〜と倒れ伏しました。
中井出「グ、グウウ〜〜〜ッ……!
ど、どうやら今のでアバラが3本イカレたらしい〜〜〜っ!」
エヴァ「おぉい!? 当たったの顔面だろ!? どうしてそれでアバラが折れる!?」
ネギ 「ど、どうしたのヒロミツ! ヒロミツが苦戦するほどの相手なの!?」
エヴァ「いや……ぼーや……真面目に受け取るなよ……」
いや……けどね? 僕これでも真面目なんですよ?
でもね? 能力解放してから自分のステイト見てみたら、なんかレベルが1になってまして。
アー……こりゃあどれだけ頑張ってもボコボコなわけだと呆れてしまった。
中井出「フッ……だが久しい気分だ……。
強くなりすぎたレベルにはほとほと飽きていたところさ。
いいだろう! このレベル1の自分を───覚悟とともに受け容れよう!!
だって武具が強けりゃどうでもいいし! ってゲェエーーーッ!!
ジークフリードまで“+”が無くなった状態になってやがるーーーーーっ!!」
弱ッ! でも攻撃力は他の初期装備なんぞとは比べものにならん!
だから、バカだから気にしないことにした。
中井出「へっちゃらさーーーっ!! つーわけだからいくぞっ! モンスター!
そしてネギよ! そろそろヘルマンのおっさんが来るから準備しとけ!
そいつは貴様が倒すんだ!」
ネギ 「え、えぇっ!? 僕が!?」
中井出「うむ! コタロもすぐに追いつくはずだ! 二人がかりでツブしなさい!」
エヴァ「……ふふっ。では私はのんびりとお前のやられ様でも見させてもらうとするよ」
中井出「うむ! よく見ておくがいいこの博光の《バゴォ!》ジェニィイーーーッ!!?」
喋ってる隙に頬を殴られました。
またも砂漠をゴシャシャーと跳ねる俺参上。
中井出「ごっ……がはっ! グゥ……アバラが5本イカレちまった……!」
エヴァ「モロすぎだろ! しかもまた顔面だったろ!? なぁ!? おいっ!?」
中井出「フ、フフフ……だがこの程度で俺は倒せないぜ……?
貴様ら随分と鍛えてあるようだが───生憎このワシは、強ぇえのよ」
ハーメルンのバイオリン弾きのドラム様の真似をしてニヒルにスマイル。
するとスライムたちが一斉に襲いかかってきておわぁあーーーーーーーっ!!?
ドカドカドスボゴガスゴスガス!!
中井出「おわーーーーーっ!!!」
ゴシャドゴゴスガスドゴバゴゴシャアッ!!
中井出「おわーーーーーっ!!!」
ガガスゴスガスドドスドスッ!!!
中井出「おわーーーーーっ!!!」
頭を抱えて丸くなっている僕を殴る蹴るどつく!!
お、恐ろしい……! スライムとは斯様に恐ろしき生物であったか……!
中井出「お、おぉおおお……! これが世に言う集団私刑というものか〜〜〜っ!
まるで手が出せーーーん!!」
エヴァ「いや出せよ!! 自分が弱くなっても能力は強いままだろ!?」
中井出「だまらんかスグルーーーーッ!!!
ここはボッコボコにやられておいて、
あとで能力を解放して勝つのが掟だろうが〜〜〜っ!
そしたら相手が“なん……だと……!?”って」
ドスドスガスゴス!!
中井出「おわーーーーーーっ!!!」
だ、だめだ〜〜〜っ、と、とても喋ってられーーーん!!
フッ……だが生憎とこの体は不老不死よ。どれほど殴ったところで俺の負けは有り得ねぇ〜〜〜っ!!
ゴホホハハハ……そうして殴り続け、疲れた時が貴様らの最後よ〜〜〜っ!!
中井出「フフフ……完璧な作戦《ドスドスドゴドス!》おわーーーーーーっ!!!」
グ、グウウ〜〜〜〜〜ッ!! ま、まるで攻撃が止む気配がねぇ〜〜〜〜っ!!
ど、どういうことだ〜〜〜っ、まさか敵の体力は無限だとでもいうのか〜〜〜〜〜っ!!
中井出「───? む、無限だと〜〜〜っ?《ガスゴスドス!》おわーーーーーっ!!!」
そ、そうか〜〜〜〜〜っ! あ、相手はスライムであり筋肉だなんていう疲労する繊維がありはしねぇ〜〜〜っ!!
つ、つまり俺がどれだけこうして殴られていても、あ、相手は疲れることなんてないということかーーーーっ!!
中井出「グ、グムーーーッ!! な、なんと卑劣な野郎どもだ〜〜〜〜っ!!
もはや勘弁なら《ガスゴスドスガス!!》おわーーーーーーっ!!!」
キックとパンチのラッシュだ! ウムム〜〜ッ、とても手が出せーーーーん!
だ、だが甘く見るなよ小娘どもめ〜〜〜っ!! たとえこの博光の実力がこの程度であっても、我が武具の真価はこの程度ではないーーーーっ!!
……つーか肉語(キン肉マン語)ってどもりすぎだよもう! でも大好き!
中井出「トタァーーーーッ!!」
足にドンナーを出現させ、雷を込めたスタンプでドゴォンと地面を踏み砕く!!
途端に砂の地面に雷が迸り、それをくらったスライムどもが一瞬、動きを止める。
その隙にヴァーーッとリンチ状態から超連歩烈風脚で逃れ、即座にデュエルディスクを装着!
さらにジェノサイドハートを解除すると、再び降り出す雨の中で長剣を双剣化。属性を込めて融合させ───然と創の世界、マナに満ちた世界を創造!
中井出「ワハハハハ! 場は既にこの博光が支配した! 俺のターン! ドロー!」
山札からシュピンとカードを取る。
取り出したカードは……華琳! 適当に取ったけど華琳ですって!?
中井出「ええい構いやしねー! 曹孟徳を攻撃表示で召喚!!」
引いたカードをディスクにセット!
するとゴシャーン♪と華琳が召喚され、パチクリと目を瞬かせた。
華琳 「…………ちょっと。これはどういうことかしら?」
中井出「あれ? 言ってなかったっけ? 俺、内包しているものなら、
デュエルディスクを使えば誰だろうとなんだろうと召喚できるんだけど」
華琳 「聞いていないわよそんなことっ!」
中井出「グ、グムムーーーッ! すまなんだーーーっ!
だが今はバトルの時、攻撃表示だから自由に攻撃していいよ?
敵はあのスライムだから。あ、あと───手札より魔法カード“覚醒”を発動!
このカードの効果により、華琳の潜在能力を解放!
場にカードを一枚伏せてターンエンドだ!」
華琳 「……はぁ。解ったわよ……───《キッ───!》」
華琳がこちらへ向かってくるスライム3体を睨む。
と、勢いよく突っ込んできていた3体がビタァッ!と突撃をやめた。
華琳 「私に歯向かうというのなら、精々最初から全力で来ることね。
殺す気で来ないのなら、貴女たちが骸と化すだけよ」
スライム1『人間が面白いこと言ってるゾ』
スライム2『身の程知らずとはこのことデスぅ』
スライム3『やることは同ジ。始末スルダ《スカッ───》…………ケ───?』
喋り途中だったスライムの一匹が、華琳の鎌、“絶”から放たれた鎌閃で両断されて崩れ落ちる。
そんな様子を、華琳はフッと失笑一発、見下した目でねめつけた。
華琳 「始末する? “された”の間違いでしょう?」
スライム1『オ、オマエ《ザガガガガガガガガガフィィインッ!!!》───ギ』
スライム1号、トンッと近寄った瞬間に微塵切りにされてボチャリと落ちた。
対する華琳はあくまで余裕の表情。
華琳 「不用意に間合いに入るなんて、とんだ馬鹿ね。
ああ、違うわね。近寄らなきゃ攻撃できないならそうすべきだわ。
───《ギンッ!》いいだろう、存分に来るがいい。
我が“絶”の鎌閃()を恐れぬのなら、覚悟を胸に前へと出よ!!」
ドォンッ! と地面に落とされた鎌の石突が、華琳の周囲の空気を一瞬吹き飛ばした。
おおぉお……ショックウェーブ出てたよちょっと……! ……彼女、いったいどれくらいレベル上げたのよ……。
絶もなんだかモノスゲー鋭くなってるし……大きさも変わった……よね?
スライム2『ア、アウ……!』
華琳 「退けば殺す。近寄れば殺す。
命乞いをし、我に下るのなら“明日を生きる”を許しましょう。
ただし、そのべちゃべちゃな状態で居ることは許さないわ。
きちんと可愛がれる姿で傍に居なさい」
中井出 「一言余計ですよ華琳さん」
華琳 「勝手に召喚されたんだから、私が何をどうしようと私の勝手よ。
それに───……《チラリ》」
中井出 「オ?」
ハテ? なにやら華琳さんが赤い顔で僕を見て……?
中井出「オウコラテメェなにガンくれてんだコラオウ? オ? もしかしてアレか?
俺とやろ《ザゴォッフィィインッ!!》ギャアーーーーーッ!!!!」
彰利の真似して睨み返したら、鎌閃飛ばされて左腕斬られた! 肩から先がこう……ア、アアーーーッ!! 腕がーーーっ! 俺の腕がーーーっ!!
中井出「フフフ……どうやらアバラが10本イカレちまったらしいぜ……!」
エヴァ「腕だろうがどう見ても!
というか何本あるんだよお前のアバラは!!」
中井出「だまらんかスグルーーーーッ!! それを訊くなーーーーーっ!!
って曹操さん!? これはあんまりじゃない!?
ちょっとしたオチャメじゃないかーーーっ!!
つーか弱ッ! 俺弱ッッ!!」
でもこうしてくっつければ、ちょちょいのパッパほ〜ら綺麗。ねっ☆
華琳 「うっ、うぅううっうっうぅううるさいわねっ!!
いいから貴方は私の傍に居て、私が間違いを犯した時は叱ってくれればいいのよ!
私は勝手にする! 貴方はそんな私の“行き過ぎ”を止めなさいっ!」
中井出「俺は嫌だぜ! 貴様にゃかずPがおるでしょーに!」
華琳 「なんだかんだで甘いのよ一刀はっ!
それに一刀は“私のもの”であって、私を叱っていい存在じゃないの!
解ったら返事くらいしなさいこのばかっ!」
中井出「馬鹿とはなんだコノヤロウ!!(返事)
よいですか華琳、これでもともに乱世を駆けた仲だから言いますが、
人よ、一途であれ! キミは既にかずPと恋仲……つーか子まで生した身である!
この博光のような存在……つまるところ、
能力で貴様らの心を操っていたような男をいつまで気にかけておるか!
信念に生きよ曹孟徳! 愛する者が居るというの他者に惹かれるなど今後道段!」
エヴァ「……言語道断だろ、それ」
中井出「ゲッ……し、知ってるよ!? 知ってるもん!
違うよ!? わざと間違えただけだよ!? ほんとだよ!?
ななななによっ! 勘違いしないでよね!?
べつに緊張をほぐそうとして間違えたわけじゃないんだからねっ!?《ポッ》」
エヴァ「頬を赤らめるな気持ち悪い!」
中井出「ひでぇ!!」
久しぶりにツンデレ怒りをしてみたら、やっぱり言われる“気持ち悪い”。
だがいいのだ、僕は強く生きる。
そして華琳よ……どうしてもやめぬと言うのなら〜〜〜〜っ!
中井出「俺のターン! ドロー! ───フフフ、遊戯よ。このデュエル、俺の勝ちだ。
華琳、大人しくサレンダーをしろ! 貴様に勝ち目はないぞ!」
エヴァ「お、おい? 敵視する相手が変わってないか?
いつからあの女が敵になったんだ?」
中井出「いちいちツッコまないでよもう! 話がちぃとも進まんよ!」
エヴァ「おぉおおお前がツッコまれるような行動しか取らないからだろぉおーーーっ!?」
エィイ構わん! さあ! 華琳の反応や如何に!?
華琳 「お断りね」
中井出「男割り!?」
華琳 「お断りよお断りっ! どうすればそう間違えるの!」
中井出「グ、グウ……だが、フフフ、いいのかな?
俺がこの魔法カードを発動させてしまえば、貴様はきっと後悔する」
ネギ 「……あの。ヒロミツ?
どうして味方を苦しめるカードが自分のデッキにあるのかな……」
中井出「ネギくん! 貴様はヘルマン氏の到着に集中してなさい!」
ネギ 「だってさっきからヒロミツが集中を散漫させるようなことばっかり……!」
中井出「大丈夫! 勝つのは僕さ! さあ大魔王華琳よ! 今こそが貴様の敗北の時ぞ!」
エヴァ「おいぃい!? 乱世を駆け抜けた仲はどうした!? いつから大魔王になった!」
中井出「フッ……乱世を駆けたからこそ一秒前の仲間が敵にもなるのさ……。
さあいくぞ華琳! 手札より魔法カード発動!!
“魔法少女マニュアル・やってけ! 新感覚ツンデレ☆魔法少女”!!
このカードの効果により、華琳! 貴様は強制的に魔法少女となる!」
デーン♪ デゲデーデデデーン♪
例の音楽とともに、デッキにセットしたカードの映像が場に出現!
カードから発せられた光が華琳を包み込むと、華琳に強制力が働く!
華琳 「まじかるぱ───、……!? な、なにっ!? 口が勝手に動く……!?」
中井出「ゲハハハハ! デュエルを甘く見たな遊戯よ!
カードとして召喚された者は、カードの効果に抗うことは出来ん!
さあ唱えるがいい! 呪いの言葉を!!」
華琳 「あっ、ぐっ……お、覚えてなさいよ博みっ───まじかるぱわーめいくあっぷ!」
OK! 言葉にしたからには後には引けない!
言葉を発した瞬間、華琳の体から目が失明せんばかりの強烈な光が発せられってギャアアアア目がぁああーーーーーっ!!!
中井出「へぇえああぁああ〜〜〜……目がぁ、目がぁああ〜〜〜〜っ……!!!」
い、いかん……! 凝視してた所為でまともに閃光をくらってしまった……!
こんなトラップがあるなんて聞いてませんよ孟徳さん……!
孟徳さん『お主こそ、万夫不当の豪傑よ!』
中井出 「も、孟徳さん! ってキミただ誤魔化しただけだよね!? ねぇ!?」
心の中の孟徳さんにツッコミつつ、目を癒してスッキリ爽快!
すると丁度光が消える瞬間がそこにあって、完全に光が無くなったその場には……立派な魔法少女がおがったとしぇ。
フリフリのフリル、短いスカート、白い手袋に大きなリボン、そしてマジカルステッキ。うむ、どう見ても魔法少女だ。
中井出「ぶほっ……う、うむブフッ……!
に、似合ってボホッ! ににに似合ってぷぶふっ!」
エヴァ「ぶははははははは!! ぶははははははは! ぶっは! ぶははははははは!!」
中井出「ば、ばかもーん! 人が必死でこらえてる横で盛大にぶふっ!
ぶははははははは!!! ばはっ! ウハハハハハハハハ!!!」
ネギ 「うわー、凄いですね! あんなに一瞬で変身するなんて!
これが噂の日本の変身ヒーローなんですねっ!?」
三者三様。
といっても途中から二様になった。
中井出「う、うむ! さあぶふっ! まま魔法少女マジカル☆曹操の攻撃! ぶふふっ!
さあ華琳! そのキラキラステッキを自由に振り回し、唱えなさい!
“リリカル・マジカル・るるるるるぅ〜☆ キラキラステッキ大変身♪”
その言葉で、どんな魔法も思いのまま! 敵を殲滅するのです!」
華琳 「…………」
スタスタスタ……
中井出「ややっ!?《バゴシャアッ!!》ジェーーン!!」
ホワイ!? スタスタと歩み寄ってきたマジカル☆曹操に顔面をステッキで殴打された!
しかもさらにさらにと追撃が!?
中井出「な、なにをするだァーーーーッ!! 敵はあっちではないかーーーーっ!!」
華琳 「……あら。今の私に敵が居るとしたら、博光。
それは貴方以外の何者でもないわよ……!!」
中井出「ゲゲェエーーーーーーッ!!?」
ゴシャッ! メシャッ! バゴッ! ゴドッ!!
中井出「ギャアアーーーーーーーッ!!!」
マジカル☆曹操が嬉々としてステッキを振るう!
確かに自由に振るって、とは言ったけどこの振り方って魔法少女としてどうなの!?
いたっ! いたたたっ! 血! 血ィ飛び散ってますよ!? 華琳さん!?
華琳 「リリカル・マジカル・るるるるるぅ〜☆ キラキラステッキ大変身♪」
ガスゴスゴシャベキガンガンガン!!!
中井出「ギャアアアーーーーーーーッ!!!!」
しかも呪文唱えてるってのに力入りすぎです!
も、もっとリラックスしてくれと言わざるをえねー!
リ、リラックス! 肩の力を抜いて!? リラックス! お願いだーーーっ!!
華琳 「マジカルぅ……───メテオ」
中井出「うぉおおおおおおおいぃいい!!?」
言葉を発した瞬間! 華琳が持っていたキラキラステッキが光とともに消え、然の世界の上空からは空気を裂く嫌な音とともに巨大隕石が……───何故か僕に向けて落下してきました。
中井出「キャーーーーッ!!」
華琳 「《がばっ!》うひゃあっ!? ちょっ……博光!? 急になにを!」
中井出「フフフ……安心するんじゃポルナレフ……。
この博光、貴様を残して独りでは逝かん……」
華琳 「つまり道連れってことじゃないの! ……悪いんだけど。
ナビの情報によると、ステッキによる魔法効果は私には一切通用しないそうよ?」
中井出「……………」
華琳 「………」
中井出「卑怯だぞてめぇ!!」
華琳 「ふふふふふっ……神も仏もこの世に居ないが魔法少女がここに居る!
我を崇め奉れ! 気分が良ければ助けてあげる」
中井出「フッ……いいだろう。答えは───馬鹿めだ!」
華琳 「なっ……!?」
抱き締めた華琳をさらに抱き締め、メテオに向けて背を向ける! ……なんか言いまわしヘン? と、ブートキャンプの真似をしてないでと。
華琳 「な、なななっな何をするつもりっ!? 断っておくけど脅しなんて───」
中井出「僕は背中でメテオを受け止めます。当然潰れます。
さて、そんな僕に抱き締められて逃げ場のない華琳さま。貴女どうなる?」
華琳 「───……」
中井出「………」
華琳 「卑怯だと思わないの博光!」
中井出「ゴハハハハハ! 最高の褒め言葉である! さあ……ともに逝きましょう……?」
華琳 「…………詰めが甘いわね。───戻りなさい!」
抱き締められたままの華琳さまが言を口にすると、メテオが消滅、ステッキに戻って彼女の掌に出現する!
中井出「フフフ、これよ。俺はこれを狙って───」
華琳 「リリカル・マジカル・るるるるるぅ〜☆ キラキラステッキ大変身♪
マジカルぅ…………静止衛星レーザービーム!!」
中井出「エ? いやあの……ちょっと待って欲しいかな……!?」
空を仰げば、木々の緑に囲まれながらも光差し込む蒼の空。
そこから、赤い線がピシュンッ……と僕をロックした───途端。
中井出「いや───!」
桃白白の気持ちが少しだけ解った。
だが───ああジョジョ、だが……!
中井出「し、知ってるンだぞ僕! 魔法少女パワーでは人は殺せない!
だからこれも平気だよ!? 平気なんだからねっ!?《ポッ》」
華琳 「人の目の前で頬染められても困るのだけど……当てが外れたわね。
確かに死にはしないわ。安心なさい? 瀕死になるだけだから」
中井出「はっ───……うわーーーーっ! フリーザ様ーーーーっ!!」
世界が白んでゆく刹那、僕は華琳を抱き締めたまま、ベジータに殺される前のドドリアさんが如く空を飛んで逃げました。
次の瞬間には世界は真っ白になって、まあ……確認出来たのはそこまででした。
───……。
シュウウプスプス……
中井出「グ、グウウ……ムムウ〜〜〜ッ……!
ど、どうやらアバラが27本イカレちまったようだ〜〜〜っ……!」
エヴァ「げっほごほっ……! だ、だから……どうなってるんだよお前のアバラは!」
吹き飛んだ世界。
僕が気を失ったからでしょうか、創造世界が消え失せていたこの場には既にスライムの姿は無く、敵が居なくなったことでデュエルも終了、華琳の姿も無くなっていた。
雨もすっかり止んでいたようで、いつの間にかこの場にはヘルマンさんがいらっしゃっていたのでした。
中井出「《シャキィーーン!》おおヘルマン伯爵! ヘルマン伯爵じゃないですか!
死ねぇええーーーーーーーーっ!!!!」
ネギ 「えぇええーーーーーっ!!?」
遭った途端に即攻撃!
しかし放った拳は簡単にいなされ、代わりにパガァンッ!!
中井出「ぶべっしぇぇえーーーーーーーっ!!!」
顔面に悪魔パンチをくらってしまいました。
吹き飛ぶ僕! 転がる僕! 滑る僕!
だがまだだ、まだ死なん。生憎このワシは……強ぇえのよ。
中井出「グムム〜〜……5番と6番を持っていかれたようだ〜〜〜っ!」
エヴァ「いや……もういいけどな……?」
わあ、もうスルーで行くつもりらしい。
でもOK、十分に楽しんだ。
中井出 「さあゆけネギよ! 人質はこの博光が解放するから、
貴様は好き勝手にその悪魔をブチノメすがよいわ!」
ネギ 「え───う、うんっ!
───僕の生徒に手を出すなんて、どうしてこんなひどいことを!」
中井出 「そうだ! お陰で殴られまくったりメテオくらいそうになったり吹き飛んだり!
たっ……大変だったんだからねっ!?《ポッ》」
ヘルマン「よく解らんが、何故このタイミングで頬を染めるのかね?」
中井出 「え? いや……なんでだろ……」
エヴァ 「頼むからお前は少し黙ってろ……」
中井出 「あぁんひどぅい!」
でも気持ち悪いとか言われなかったからいいや。
中井出「さて、そろそろコタロも来る頃だし───っと、来た来た。
え〜〜〜と……ポップコーンが出ます《ポムッ》」
コタロの到着を待ち、乾かした観客席に着席。
水の膜に囚われた生徒たちは、トリックブラストで内側から水膜を破壊、転移させることで観客席に落ち着かせ、ヒートウェイヴ(弱)で体も髪も乾かしてやると、即座にブリュンヒルデで象った服を着せてやってハイ終了。
つーかなんでこのちゃんと那波っちとせっちゃん以外裸だったんだろ。
風呂にでも入ってたんかな。……おお、確かそうだったね。
エヴァ「それが出来るならどうして最初から……」
中井出「もちろん、楽しむためさ」
余興は必要です。それでも僕は僕なりに本気で戦ってたわけですが……うう、弱くなったなぁほんと。
そう言いつつ、最後に明日菜くんを解放。
腕を縛る鎖を鎌鼬で切断、やっぱり転移でこちらまで飛ばした。
明日菜「わっ、え、え?」
中井出「うむ。創造世界の中のことは知らんだろうからあまり気にせず。
これはネギとコタロ……主にネギの戦いだ。口出しも手出しもいけません」
何故か下着姿っぽい明日菜くんにも服を象って、着させる。
で、ポップコーンをもしゃもしゃ食いながら一人対二人のバトルを見るわけです。
エヴァ「最初からそのつもりだったのか?」
中井出「うむ。瓶を取ってこいって言ったのだって、
封印なんて無粋な決着をさせんためだ。で、これがその瓶」
コタロが持ってきていた瓶を影で強奪、手元に転移させた。
コタロの聴覚がそれを聞きつけて、僕を指差して驚いてますが無視である。
瓶を黒衣に仕舞い込むと完全に観客モードで、戦いが始まるのを待ちました。
いやしかしウマイな、ウマイウマイ。ポップコーン最強。
エヴァ「…………《そ〜〜……ビシィッ!》いたっ!?」
中井出「ノォゥ()!!」
エヴァ「それだけ山のようにあるんだからちょっとくらいいいだろうがっ!」
中井出「だめだ! 秘仙丹は秘密の丸薬なんだ!」
エヴァ「そんなことは聞いとらんわーーーっ!!」
やがて始まるバトル! こちらでも始まるポップコーンを巡るバトル!!
気絶中の那波っちの雄叫び……じゃなかった、那波さんはそのままに、生徒たちがハラハラする中、僕らの戦いは始まったのだ───!
……あ、ちなみに二人で騒いでいる間に、ポップコーンは生徒のみんなに食われました。
Next
top
Back