181/人それぞれの“勝手”の先 -_-/甘述 朝である。 「………」 本日快晴、素晴らしき朝である。 「きつっねっ色っに〜な〜る〜まで〜♪ お〜待〜ち〜な〜さい〜♪」 素晴らしき朝、という言葉については父の判断だ。 私はどんな朝が素晴らしいのかは……判断に悩む。 暑い日は涼しくあってほしいし、寒い日には暖かくあってほしい。 我がままだが素直な気持ちを抱き、今日も父を観察している。 数日前に父が倒れ、看病騒ぎで悪化し、それから復活までに数日必要となり……とうに復活してしばらく経った現在。 父は元気に朝食を作ってくれていて、私と母はその完成を卓で待っていた。 いた……のだが。 「あ、んんっ。……北郷、それは私が───」 「いいから、今日は俺に任せてくれって」 母の挙動が数日前からおかしい。 ちらちらと父を見てはそわそわとして、ぐっとなにかしらの覚悟を決めたと思えば、震えた言葉で父に語りかける。 その内容の多くは“なにかを手伝う”というものなのだが、父はそれをやんわりと断って作業を続行。 しゅんとする母には驚いたが、その驚きは必死に外には出さないように努め、私は状況を見守っていた。 と、いうかだ。 なにがあったらあの母がこんなになってしまうのだろう。 数日前のことを考えてみれば、いつも通り父の警護をしていたはずなのだが……ある日部屋に戻ってくるなり、私が恐れおののくほどの奇妙な顔で帰還を口にした。 ……結果、私はなにも悪いことをしていないのに気づけば謝罪していた。 “罪を謝ると書いて謝罪”と習ったというのに、必死になって許しを乞うていた。 その様は、一応笑顔のつもりだったらしい形相の母が驚くほど必死だったらしい。 (あれが笑顔だったと聞いた時ほど、母が不器用だったと知った日はなかった……) 原因は父にあるのだろうけど、母は当然なにがあったのかを話してはくれない。 父に訊こうにもどう訊いたらいいものか。 母のことだから気配は完全に消して警護しているのだろうし、その時のことを訊くのも……見えない誰かのことを当然のことのように訊くとなると、嫌な気分になるかもしれない。 ……なんというか、誇っていい仕事な筈なのに、母も大変な仕事をしているものだ。 「ところで、その。父よ……ではなくて、父上。今日はなにか良いことでもあったのか? 急に料理を振舞いたいなどと」 落ち着きが無い母に代わり、語りかけてみる。口調はちょっとおかしなまま。それでいいとは父の談。 父が相当な存在だと知って、拳骨を貰ってからというもの、どうにも自分の心に落ち着きがない。それは驚きと感激を混ぜ合わせたような感情で、当然それを感じるまで抱いていた軽蔑にも似た感情への後悔も混ざっていて、どうにもはっきりとしない。 ただ、別に話しかけづらいなどといったこともなく、むしろ以前よりは話せているくらいだ。 「別になにがどうなったとか、記念だとかそういうことでもないぞ? ただ今日はみんなに料理を! ……って思ったら、他のみんなは予定が入ってたんだとさ」 「ああ……なるほど」 だからか。 曹丕姉様が「また……? またなの……? “朝から仕事を頑張る娘”って褒めてもらいたくて、仕事を入れたのに……」と頭を抱えていたのは。 仕事といってもそうそう目立つものがあるわけではないものの、探してみれば細かいものは結構ある。それは手が空いている者が率先して行い、報告と結果を以って給金と成る。天でいうところの“あるばいと”とかいうものらしい。働いたその日に給金が貰える“しすてむ”らしく、すぐにお金が欲しい将の間では結構人気がある。 ただし、受けたからには途中で止めるなんてことは許されず、もしどうしても都合が悪いのであれば、代わりの誰かを紹介しなくてはいけない。……もちろん誰でもいいわけではなくて、力仕事だけなら力がある人だけが居ればいいというわけでもなく……効率を考えるなら、力もあって知識もある人が一番だ。 その点では関羽将軍はとても優れている。母も中々で、父の護衛が無い日、時間が空けば仕事を探したりしている。大体が街の中のことで、なにも将でなくてはいけないということもないから、力に自信のある兵なども小銭稼ぎに駆け回ったりしている。一人で不安な場合は二人で受けて、給金を山分け、などという方法を取っている人が大体だ。 ……って、今はそんな話はよくて。 曹丕姉様にしてみればよくはないだろうけれど、いいってことにしよう。うん。 「まあ記念とは違うけど、真桜に頼んであった手甲がようやく完成したんだ」 「手甲? ……あの父上がつけていた?」 「そう。呉で鍛冶職人の親父たちに作ってもらったやつなんだけど、あのままじゃまだ氣の通し具合が完璧じゃなかったから。その道を極めんとする真桜に頼んでたってわけだ。で、それがとうとう完成した。……完成するまでに随分無茶させただろって、怒られたけどな」 たはは、なんて苦笑しながら、父は頬を掻いた。 見せてもらおうと思ったけれど、さすがに厨房に手甲は持ち込んだりは─── 「で、これがその手甲だー!《どーーーん!》」 ……父は偉大だが馬鹿だ。間違い無い。そう思った、とてもさわやかな朝だった。 ほら、母も呆然としている。 「……父よ。厨房に手甲を持ってくるのはどうかと……」 「あれ? 呼び方が父上からランクダウンした? ああまあいいや、話しかけられなかった頃から比べれば、痛くも痒くもない。ああっと、話を戻して。けどなぁ述。お前もきっといつか解るぞ? 待ち望んでいたものが完成した時は、しばらくは肌身離さず持っていたいもんだって」 「そうだろうか。私には解らない」 「いや絶対解る。それが国の金じゃなくて、ちゃんと自分の金から出して作ってもらったものなら絶対。……速く走るためとか空を飛ぶためとか、いろいろなものに金を使ってる俺だけどな、これはもう喜ぶなってほうが無理だぞ」 父の話を聞くに、父の木刀は父の祖父から渡されたものらしい。 それ以外を武器に使うつもりはないと、ずっとそれで鍛錬を続けている。 ではその手甲は? と訊ねてみれば、これは相手の武器を逸らすこと前提のものだ、らしい。 武器は木刀だけでいい。だから剣を作らずに手甲に金を注いだと。 ……お陰で金欠なのは、まあいつものことだと微妙な顔で胸を張っていた。 やっぱり馬鹿だ。でも、なんだか可笑しくて笑いそうになってしまう。 「真桜にいろいろ調整してもらったから、氣が通りやすくなってるんだ。お陰で氣をクッションにすることで、相手から受ける衝撃を緩和しつつ逸らすことも可能に! なんだろうなぁ、ファンタジーもので戦士が武具に金をかける時に気持ちって、きっとこんな感じなんだろうなぁ」 「ふぁんた?」 「? 父さんはグレープ派だ」 「ぐれ……?」 時々本当に意味が解らない父だ。 ただ、“ふぁんた”というものには派閥が存在するらしいということが解った。 「まあま、ともかく食べてごろうじろ。今日は気合を込めて作ったから、普通の味だぞ〜」 「……父上。それではいつもと変わらないのでは」 「普通の中でも最上級の味わい。超一流のB級の味……ごらん、あれ」 よく解らない言い回しをする父は、どこかやけくそ気味だった。 「もうな、父さんいろいろと悟った。普通の最高を目指して、その上にはなかなかいけないなら、きっと俺には何かが足りない。じゃあそのなにかってなんだろう」 「時間では?」 「………」 言おうと思っていたことを言われて、寂しい顔をする子供のような目で見られてしまった。 「い、いや、時間を言い訳にするには、我らが覇王さまが規格外すぎてさ……」 「父上は孟徳母さまよりも時間が無いだろう。娘が鍛錬といえば付き合い、呼ばれれば喜んでと走り、警邏も手伝い、夜には自分の仕事もして、朝も早い。……どこに料理の腕を上げる時間があると?」 「……あれ?」 ……え? いや待て。まさか自分で気づいていなかったのか? 誰がどう考えたって異常だろう。 父の在り方を理解してから、その生活を母から聞いて驚いたものだが……なるほど、“国に返す”という行為は楽ではないのだ。 というか、母よ。なにか喋ってほしい。そしてその顔面の痙攣は笑おうとしているのか。怖いから勘弁してくださいお願いします。 「や、華琳だって相当仕事してるだろ。俺以下ってのはないと思うぞ? 俺から見ても、“うへぇ……”って思うくらいだし」 「孟徳母さまの仕事に、娘“達”とのなにかは含まれているか?」 「あるだろ。丕に勉強教えたり、丕に王としてのあれこれを教えたり、丕に……あ」 「……いや、むう……そういうことだ。私たちの父は父上だけだが、母は別だ。加えて、父上は他の将の皆様との時間もあり、街を歩けば民に、城を歩けば兵にと、時間などいくらあっても足りない状況だ」 「ウーワー、改まって言われると、笑いながらそれだけのことをこなしてきた自分が実に化物みたいだ。そうだなぁ、そりゃ倒れるよなぁ」 まるで他人事のように苦笑いをこぼしながら、頬ではなく後ろ頭を掻く。 よくもまあこれだけ振り回されて、怒りのひとつも落とさないものだ。 「父上、質問をひとつ。その、天では人は怒らないのか?」 「いや、0,1秒のうち100人以上は怒ってると思うぞ」 「そんなに!?」 「怒らない人なんて居ない居ない。心の中で平和を願う存在でも、誰かに苛立ってるもんだって。で、いい加減怒り方も忘れた人だけがついには心を病ませて、真っ白な世界に……」 「それはよく解らないのだが……つまり天でも怒る人は怒ると」 「うん……ていうか、なんでそんなことを? 天のことと怒ることと、なにか関係あったか?」 「ああその……。父上は怒らないから」 「?」 言ってみれば、首を傾げられた。 そして言う。「怒ったじゃないか」と。 いつだろう。 「娘に拳骨なんて、って随分と怖かったもんだなぁ……痛くなかったか?」 「あれで怒っていたと!?」 いつのことかと考えてみれば、和解をした日の拳骨の瞬間だったらしい。 あれは……怒るではなく叱るではないだろうか。 「父上……あれは叱るというだけで、怒るのとは違うと思う……」 「え? そうなの?」 きょとんとした顔で言われた。 ……この人が本気で怒ったら、いったいどうなるのか。 子供の相手をしている時でさえ、こんな威厳もないような返事をする父だ。 きっと怒る時も“こらこらぁ〜”とか、“だめだぞ〜”とか、気の抜けた感じなのだろう。 「……? あ、こら述。食べ物を弄びながら考え事をしない。摘んだら食べる」 「え? あ、ああ……ごめんなさい」 ……謝りつつも、やっぱりこんなものなんだろうなぁ、なんて思った。 思いながらも、やっぱり考え事をしていた私は、父からの言葉もつい適当に聞き流してしまい─── 「っと、その串、ちょっと尖ってるから気をつけるんだぞ。って、まあふざけてない限りは刺さることなんか───」 「《ビッ》っ、いたっ……!?」 「ハ───《ぶちり》」 ───その日。 私は父の大激怒という姿を、初めて見た。 -_-/一刀くん こ〜〜〜ん……。 「で……何故あなたは人の部屋に来てまで、部屋の隅で蹲っているのかしら?」 「フフフ……ワイは男やない……鬼や……馬鹿鬼や……っ……!」 華琳の部屋の隅にて、T-SUWARIで涙する男がおる。 誰かもなにも確認する必要もなく、この北郷めにございます。 どうぞ気軽に“泣いた馬鹿鬼”とでも呼んでくださいますよう……。 「その様子からするに、なに? また誰かに向けて怒りでもしたの? 美羽以来かしら」 「や……述がさ、食事中にふざけて、串で指切ってさ……。注意もしたのに右から左へだったみたいで……その……」 「……はぁ。どこまで予想通りなのあなたは……。相手のこと以外で怒れないの?」 「? や、自分自身のことで怒ることなんて、今さらあるか? みんなには迷惑ばっかりかけるし、もっと頑張らないといけないんだから、怒る前にやることがあるだろ」 「……言い方が悪かったわ。怒る理由はないの? 何かに対しての怒りは感じないの?」 「って、言われてもなぁ。べつに怒らなきゃいけないこともないし、仕事も楽しんでやれてるし、みんなとの時間も楽しいし、目指す場所に向けての鍛錬も出来てるし、娘たちとの時間も取れてるし……」 「睡眠時間は?」 「ほぼ無い《ゴチャア!》ほべぇあ!」 顔面を前蹴りされた。そして黒でした。 「いがががが……! ひ、人が体育座りしてるからって、普通前蹴りするか……!?」 「黙りなさい。つい最近過労で倒れたくせに、睡眠時間を削ってまで何をしているのよ」 「青春謳歌!《バッ! べしんっ!》痛い!」 言った瞬間に顔面を伝説のピーカブーブロック! しかし頭頂を叩かれた。 ふ、ふふふ……さすがの強さよ、覇王孟徳……! 見事にこの北郷の一手先を歩みおったわ……! 「つくづく奇妙なところで人の希望の裏を歩くわね……。たまには予想通りに歩みなさい」 「そうしたらそうしたで、“それだと面白くない”とかはっきり言いそうな気がするんだけど」 「ええ言うわね」 「どうしろと!?」 鼻と頭を同時に撫でるという奇妙なポーズをしつつ、見上げた孟徳さんは片手を腰に当てて溜め息。 あー……これはまた無茶が走るパターンですか? なんだか華琳の溜め息を吐くと、なにかしらを強制的に決定される前兆だって思ってしまっているのは……もう長年の付き合いから得ている直感的な……何か? 「で……今回は何を仰るのでしょう」 (そんなところばかり察しを良くしていないで、女心を察しなさいよ、まったく……) 「華琳、聞こえなかったから聞こえるまで何度も」 「なっ……普通、そういうのは“もう一度”と言うでしょう!? なによ“何度も”って!」 「むしろそれだけ大きくはっきりとものが言えるのに、どうして毎度毎度小声でぼそりと言うんだよ! それで聞こえなかったら男の所為になる不条理こそをなんとかしてほしいんだけど!? で、なに?」 「……普通に話を戻すのね」 「人間ってね、順応出来る生き物なんだ……」 「蔭りいっぱいの、“人生に疲れた顔”で言われても対応に困るのだけれど?」 そうは言うけど覇王様。 僕もうなんかいろいろ振り回されすぎて、人に向けて怒るとかそういうことをする自分を忘れていたのです。 ほら、こう、学生していた頃より、怒ってしまう最低ラインが遥か高みにいってしまったというか。そのくせ力は思うようについてくれません。 や、でもさ、考えてもみてくれ。周囲には自分より優れたお方しか居なくて、力でも知識でも勝てなくて、なのにやたらと振り回されて、愚痴をこぼせる相手はオヤジの店の人々だけで、でもここ数年は子供のこともあって滅多にいけなくなって…………ほら。こうなったらもう、自分の中のいろいろなラインを高めたり下げたりするしかないじゃないですか。 このまま自分を殺していけば、なんだか座禅組みながら空だって飛べる気がするよ。 ……そんな北郷が本日、娘に向けて雷を落としてしまいました。 (人って……誰かの危機に、あれだけ怒れるんだなぁ……) 華琳の時には……手は出たけど撤退を優先させる意識のほうが強かった。熱くなった頭を冷やすって名目だったし、仕方ないって部分が強くて。 美羽の時にはそれこそ爆発。血が出たってだけでブチーンとなにかが切れましたよ。 その時は落下からなんとか守れたけど、述のはアレだ。注意しておいたのにボーっとして、ブスリといった瞬間にブチーンだった。別に全ての話を聞けとは言いません。今まで無視とかされてたし、それはむしろ平気だ。 けど、注意くらいはきちんと聞いていてほしかった。 (気づけば“なにやってんだこの馬鹿!!”……だもんなぁ……) 穴があったら入りたい。 痛い思いをしたのに、その上で怒鳴りつけられる心細さ、知っている筈だったのになぁ。 「はぁ……」 子供ってのはやんちゃだ。当然俺もそうだったし、剣道を始める前でもあとでも、そんなことは何度もあった。 格好のいい剣士になったつもりで、家の中で竹刀を振り回していたことがある。 当時、漫画やアニメなどで出ていたキャラの真似をして振ったそれは、戸棚のガラスを破壊した。割れたのは下方の隅の部分。当然めちゃくちゃ怒られて、じいちゃんからは拳骨までもらった。 業者を呼んで直してもらうことになったけど、それまではセロテープで止めていたっけ。 丁度人手がなかった業者はその日には来なくて、で、俺はいつもの調子で水を飲むコップを取るために戸棚を空けた。 セロテープは頑張ってくれたんだろうが、乱暴に開けられたソレからはガラスは簡単に落ちて……俺の足の甲に縦にぐっさりと刺さった。 (あれは痛かったな……) 叫ぶなんて選択肢も出ないくらい、ただただ驚いて固まった。 そんな俺に気づいた母さんに“なにやってるの!”と怒鳴られて、泣きながら大きな破片を引き抜かれた。 父さんには拳骨をもらい、じいちゃんにも拳骨。そののちに日を跨ぐほどの説教。 仕事が速く終わったらしくて駆けつけてくれた業者さんの横で、がみがみと怒られた。 あの心細さは異常だった。 悪いことをしたのは確かに自分だったけど、硝子が降ってくるなんて思わなかったし、驚いたのも痛かったのも自分だった筈なのだ。 なのに母を泣かせてしまい、拳骨をくらい、さらに拳骨をくらって、説教までされた。 今ならただただ心配してくれたんだというのも解る。 解るけど、解るまであの心細さだけを教訓にするのは辛いと思う。 「そんなわけで華琳。俺、述を慰めてくるよ」 「怒鳴ったというのに? せっかく反省に向かっていた心が、甘やかされるわよ?」 「鞭は拳骨の痛みだけで十分だよ。俺は、誰かが辛い思いをしてるなら、飴をあげられる人になりたい。……俺も、随分と殴られて育ったからさ」 「それが今のあなたを作っているのなら、益々ほうっておくべきだと私は思うのだけれど」 「俺から言わせてもらえば、俺のようになっちゃだめだよ。なんでもかんでも中途半端で、自分が持ってた夢まで腐らせるようなヤツにはなっちゃいけない。だから鞭は他のみんなに任せて、俺は飴をあげたいんだよ」 自分の気持ちを真っ直ぐに言ってみれば、華琳は……やっぱり少し呆れたような顔で目を伏せての溜め息。 けれど少ししてふっと笑った。 「まあ、そういうところがあなたらしいとは思うけれど。あなたの場合、あげる飴を間違えて怒られそうね」 そんな、とても胸に突き刺さって否定し辛いことを仰った。 むしろ“やべぇ……やりそうだ……”と素で思ってしまった。 こう、無意識に“開いた口の傍の虚空に手を持ってくるあの姿勢”を知らずに取っていたほど。一度こんなポーズを自然にしてみたいと思ったことはあったが、まさかこんな場面でやることになろうとは。 「なによ。自信がないの?」 「いや、あるよ───ってどっちの自信? 飴を間違えるほう? それとも───」 「あら。間違えるほうに決まっているじゃない」 「ないよそんな自信!! ま、間違えるもんか! 俺はいつでも娘に対しては正解の道を! 正解のっ……せ………………はうっ!?」 「ふうん? “正解”ね。……なら一刀。あなたがここで落ち込んでいる理由はなんだったかしら」 「…………《ずぅうううう…………ん……》」 思いっきり間違えてました。 自信もへったくれもございません。 むしろ間違えていなかったら、そもそもの問題として嫌われたり“ぐうたらだ”とか思われたりもしなかったのだ。 アー、ナンダー、最初から間違えまくりじゃないかー。 「い、いや。悩むことはたっぷりしたんだし、今は落ち込むよりも行動! ってわけで行ってくる!」 「あ、ちょ、ちょっと待ちなさいっ」 「《ぐゴキィッ!》んがぁっご!?」 立ち上がると同時に、その勢いを疾駆に転じた瞬間、襟を掴まれて喉を詰まらせた。 く、首から妙な音が鳴ったけど、大丈夫? 大丈夫だよね? 「げぇっほごほっ! あ、あの……華琳? 段々俺の扱い、雑になってきてない……?」 自分の心配もほどほどに振り向いてみれば、なんだかしゅんとしている華琳さん。 …………エ? 華琳が、あの華琳さんが、しゅんと……!? 「え、ちがっ……こほんっ。……ざ、雑にしているつもりはないわよ」 と思ったらハッとして、雑ではないと申してくれました。 …………なにが起きた。え? このおろおろしている可愛い物体、華琳さん? 「……その。大体? 人の部屋に無断で入って、することが隅で落ち込むだけなの? 仮にもどころか、正真正銘の覇王の部屋まで来て、することが落ち込む? 良い度胸ね」 ……ちらちらこちらを見ながらも、言葉を選んで仰っているようで……あ、あれー? 華琳ってもっと、考えが纏まってからズバズバ来る人じゃ……いや本当になにが起きた? ───もしや影武者!? いやいやいやいや落ち着け! 前にもこんな考え方で思春に怒られたじゃないか! こ、ここは、そう、まずは状況を纏めるべきだ……! (俺、落ち込む。華琳の部屋で。……待て、なんで俺は華琳の部屋で落ち込んだ) 二歩目から早速躓いていた。 そりゃあ華琳に相談すれば解決するんじゃないかとは思いはした。 だからって無断で入って隅でメソメソって、もはや怪奇のレベルでは? ……ああ、なんだか物凄く“なるほど”がやってきた。納得出来なきゃ嘘だよこれ。 することが隅で落ち込むだけで、勝手にやってきて勝手に走り去るんじゃそりゃあ怖い。 つまり俺が取るべき行動は───! 「仕事、なにか手伝おう!《どげしっ》うごっ!」 前蹴りが腰に決まった。 「手伝ってもらうほど困っていないから結構。……はぁ。一刀……あなた、少しは良くなったと思っても、結局は一刀なのね……」 「俺が俺じゃなかったら、なんだと……」 「人の話に踏み込んでくるようになったし、知ろうとする覚悟もあるのに、どうして肝心なところは一刀のままなのよ……」 「やっ! だから俺が俺じゃなかったら何になるんだ!?」 まさか本当にメタモルフォーゼ!? たまになんでもありなのがこの世界だから逆に怖いよ!? 「え、や、ええとそのぅ、俺今の自分嫌いじゃないし、得体の知れないなにかになるのだけは勘弁というか……その、本当に俺、どうしたら……?」 「いいから少しゆっくりしていきなさいっ!」 「ぎょ、御意」 結局言われるままに腰を落ち着けることに。 そう。仕事をする大きな机の横の円卓の椅子に、文字通り腰を落ち着けた。 そこで少々真面目に深く考えてみる。 (ぬう。こんなふうに華琳が俺を呼び止めるなんて、もしかしてなにか異常事態が……?) いつもだったらなんでもないふうに的確なアドバイスをくれたりして、出て行く時にも軽口で送り出してくれるのに……今日ってなにかあったっけ? もしかして何かの記念日を俺が忘れているとか………………思い当たらない。 ええっと、一年前とかになにかした? ケータイは……なんかもうそろそろ危険な感じがしてならない。電波を拾おうといつでも頑張りすぎてるから、そろそろ天に召されるかもしれない。 これとももう長い付き合いだな……よくぞこの世界で壊れず、今までを供に在ってくれました。 ……言った途端に破壊フラグでも立ったんじゃないかと不安に思うも、まあ……多分大丈夫、と思いたい。 そしてケータイのカレンダーにはこれといったことは書かれていなかった。 (……普通に考えてみよう) いつもこういう時に大げさに取ってしまうのは俺の悪い癖だ。 なので普通に。 ………………? えと、俺と普通に話がしたかった……とか? いやむしろ、まずそっちを考えるべきだろ俺。 どこまで非日常的なものに慣れれば、一番最初にそっちの考え方を放棄できるんだよ。 結論。話をしよう。 「あれは今から36万───いや、数十分前の出来事だ」 「桁がおかしいわよ」 まったくです。 そんなわけで、先ほど起きた出来事を事細かに、時に雑談を混ぜつつ話すのでした。 どっしりと腰を落ち着かせた途端、華琳から放たれる覇気ともとれる威圧感が無くなったことに関して、この北郷……決して突っ込みませぬ。経験が叫んでおるのよ、それは地雷だと。 ……もっと常日頃から叫んでほしいなぁ。そうであったなら、そもそも首が絞まることもなかっただろうに。 ───……。 さて。 華琳にいろいろと話を聞いてもらい、例の如く盛大に溜め息を吐かれ、助言を頂いた現在。 中庭の、その城壁の上にて。 「…………《がたがたがたがたがた》」 「いや……あのなぁ」 思えば本気の本気で怒鳴ったことなど随分と久しぶり。 そもそも子供に向けてはやったことなどなかった筈である“それ”をまともに受けた述さんは、城壁の上の隅で泣いてらっしゃった。 探しているところを兵の一人が教えてくれて、辿り着いてみれば震える娘。 精神的に打たれ弱いんじゃ……とは予想したものの、ここまで弱いとは思わなかった。 ……いや、そりゃ弱いか。いくら天の子供よりも大人びていると感じても、まだまだ子供なんだ。 子供───……子供なのになぁ。 大体にして英才教育が行き過ぎてるんだよなぁ。武も知も“やりすぎじゃないか”と思うくらいにやってるし、それだって俺がこの時代に慣れているにも関わらず、そう感じるほどの量だ。 学ぶことの“種類”への文句は述べど、学ぶことに文句はないっていう、天の子供が見たら“ガリ勉”とかあだ名がつけられそうなレベル。 で、注意されることはあっても怒鳴られることなどなかったに違いありませぬ。 (───) 思考の回転を試みる。 こんな時、どんな言葉をかけるべきでしょう。 美羽の時と似たようなこと? でもあれって俺が積極的に動いたわけじゃないし。 え? じゃあまた時間で解決? ───いやっ、あの時は相手は美羽で、今回は娘だぞ!? 時間時間で先延ばしにしていいわけがないっ! 「述」 「ひうっ」 声をかけたら返事が“ひう”だった! ……ひうってなに!? 恐怖の表れ!? 恐怖言語!? 「あのな、」 「ご、ごめんなさいすいませんお父様! 私が悪かったのですごめんなさい!」 「へぁあっ!?」 まずはきちんと話し合いの姿勢をと思ったら、物凄い速度で謝られた。 などと考えている間も謝られている。 まずい、これってアレだ、自分で考えすぎて自分を追い込んで自分で立ち直れないタイプの謝り方だ。 思わず伝説の超野菜人的な悲鳴が口から漏れたが、俺はもはや子供から退くことを良しとは取れなくなっていた。退いた先でぐうたらだなんて誤解をされたんだ、今さら退くことなど出来ぬゥウウウ!! 「待て待て待てっ! 急に謝るな! 自分が悪いと決め付けるなっ! まずは話を───」 「私なぞが偉そうに母の真似をしてお父様に気安い言葉を投げることも! せっかくのありがたいご忠告を受け取ったにも関わらずモノにも出来ずに怪我をしたことも───!」 「いや、だから───」 「そもそも私のような出来そこないの未熟者がっ! 素晴らしき両親から産まれてきたこと自体が間違い───」 「待てコラ」 「《メゴキャア!》だっぱぼ!?」 たわけたことを言い始めた述の両の頬にソッと手を添え、メゴキャアと捻った。 ある意味で合掌捻り。合掌して捻りました。 そして……“だったのです”とでも続けようとした彼女の口からは、“だっぱぼ”という謎な言葉が飛び出し…………この大きく広い青の下の虚空へと……消えた。 などと少しサワヤカに纏めてないで。 うん……こりゃあれだ。多少乱暴だろうときっちり言ってやらんと駄目だ。 俺の精神テンションは今! 学生時代に戻っているッ! 竹刀を手に、剣道で挫折を味わったあの時にだッ! 未熟! 脆弱! あの俺がお前を叱るぜ! ……はっきり言って、そのくらいの自分のほうが察してやれる気がしたから。 「は、はだだだだ……!?《ズキズキズキズキズキズキ》」 「述。正座」 「は……?」 「せ・い・ざ」 「え、あ、は、はい……!」 首を押さえつつ涙目で俺を見つめる娘に、城壁の硬い石畳をちょいちょいと指差して座らせる。 え? 座布団的ななにかを? はっはっは、なにを仰る! ……たとえそこが何処であろうが、説教が始まるのがこの世界でございますよ? 説教ときたら正座じゃないですか。大丈夫、石畳の上など俺が何年も前に通過した場所だ。 「そ、の……。説教……ですか?」 「ああ。説いて教える。ガミガミ言うつもりはないから、言われて納得できたら受け入れること。認められない、受け入れられないっていうならそれでいい。それでいいから、湧き出す苛立ちに任せて、言われた言葉に反発するだけの人にはなるな」 「……難しいです」 「そっかじゃあ説教始めよう」 「返事が適当すぎませんかっ!?」 あんまりな反応に、涙を散らしながら言われてしまった。 だがこの北郷、もはや間違わん。 可愛い娘だからと遠慮はしない。むしろ隣に立つつもりで押しまくる。 「大事なことだからよーく聞くように。お前は産まれてこなければよかったなんて言おうとしてたけど、一度怒鳴られたくらいで生まれた意味ごと捨てるな馬鹿たれ」 「ば、ばばばばかたれっ……!?」 「お前の人生は怒声一発程度の価値しかないのか? お前がもし産まれずに流産してたら俺は泣いてたぞ」 「そんなの……お父様の勝手です」 「お前の意見も勝手だしなぁ……そか。じゃあお前も勝手に産まれたんだから、それで良し。次行こう」 「えぇえっ!?」 そしてあっさりと次の説教へ。 こういう場合、自分の意見ばかりを押し付けたって相手はなにも受け取らない。 だから冗談や軽口でも混ぜながら、重要なことは少しでも強調して教える。 説いて教えるのだ。怒鳴って解らせるのとは違う。 「お父様! いくら私が嫌いでも、突き放すにしてもそれはあんまり───っ」 「ん? ……ああ、うん。それで良し、じゃあ届かないよなぁ。じゃあ……ん、んんっ。あー……述」 「……な、なんですか」 適当な対応に怯えも多少は飛んだのか、述は少し睨むような目で俺を見る。 そんな述の目を真っ直ぐに見ながら、心を込めて言葉を届ける。 「……産まれてきてくれてありがとう。俺は、お前のことをとても大切に思ってるよ」 だから産まれてこなければなんて言うな。そう言って、正座している述の頭をやさしく……撫でようとしたんだが、恥ずかしくなって乱暴に撫でた。 対する述は、完全にポカーンとした顔だった。 ……待ちなさい述さん。あなた、一度怒鳴られただけで本気の本気で“産まれたことが間違いだった”と……? ……いや、考えるか。自分にコンプレックスを抱いている人なら、タイミングってものが重なるとどんな些細なことでも“最悪”として受け取ってしまう。 実際俺もヘコんだもんなぁ……鼻っ柱を折られた時なんかひどいもんだった。 「な、述。大人からの言葉って、受け止めづらいだろ」 「え、そ、そんなことは」 「視線を泳がせながら、どもって言っても説得力がないぞー」 「うぅ……」 「で、自分なりに頑張ってみてるのに、大人は自分が教えた通りじゃないと文句を飛ばしてくる」 「っ……、それは、その」 「だから言われた通りのことを頑張ってやってみたら、大人が教えてくれたやり方自体がいつの間にか変わってて、ま〜た怒られるわけだ」 「…………《……うずり》」 「悪いのは自分が教えたやり方を忘れた大人なのに、結局子供が怒られる。そのことを指摘してみれば、忘れたことさえ忘れてるから、その指摘すらが相手の怒るための材料になるわけだ」 「………《……こくり》」 「俺もな、祖父に随分と怒られたよ。母にも父にも怒られた。当時の父さんはな? 今みたいじゃなくて“受け入れるより反発できる俺、すげぇ”とか思ってたから、ろくに助言も聞かずに粋がってたんだよ。なにかといえば怒鳴って、気に入らなければ拳骨。子供の頃はそれが酷く嫌だった」 「ぁ……ぅ、ん……」 小さく。 自分が持っている弱さを吐き出してみれば、共感できるところがあったのか、述は少しずつだが聞く姿勢を固めていった。 そう、まずは聞いてもらうことが大事。 怒鳴るだけなら誰にでも出来る。ただ、それじゃあ説教じゃなくて、文字通り怒鳴ってるだけだ。 最初から怒鳴る気満々でぶつかれば、相手だって嫌な気しかしない。つか、そんな状態じゃあ受け取ってほしいものも受け取ってもらえない。 怒るのと説教とは違うのだ。叱るのともやはり違う。 “説く”とは解りやすく伝えること。 怒声では成り立たないし、そればかりが続けば説教以前にその人自身を嫌いになってしまう。 「じゃ、俺の恥ずかしい過去を話したところで本題だ」 「! ごごごめんなさ《ソッ》謝りませんごめんなさいっ!」 「や、謝ってるから」 またごめんなさいを言おうとした述の両頬に、手を添えた───途端、また謝られた。 なんというか、慌て方が実に鏡を見ているようで恥ずかしい。 「実はな。父さんも、自分で自分を傷つけて、母に泣きながら怒られたことがある」 「え───お父様も!?」 「ああ……ていうかそのお父様やめない? べつに“父よ”でもいいんだけど」 「嫌です」 即答だった。里村さんもびっくりの速度だ。 「はぁ……まあ、それはまたあとで。それでな、述。本題っていうのは俺が怒ったことだけど」 「ごごごごごごごごめんなさい……! わ、わたし、私……お父様が怒鳴るほどの間違いをしてしまって……! ごめっ……ごめんなさっ……!」 「アレーーーーッ!!?」 なんだか怯え方が異常でした。 なにこれどうなってるの!? とばかりに近くに控えていた兵士さん二人に視線を送ってみれば、「あー……そうですよねぇ、そりゃそうですよねぇ」なんて頷き合っている み、妙ぞ。こはいかなること……!? などと戸惑っていたら、兵の一人がソッと近づいてきて囁いてくれた。 (隊長……! 隊長はもっと自分の在り方ってやつを客観的に見たほうがいいですよっ……!) (客観的って言ったって。俺にどうしろと……?) (ふざけたり、“つっこみ”で叫ぶことはあっても、怒る意味で怒鳴ったことなんてなかったじゃないですか……! そりゃ、子供はすごく怖く感じますよ……!) (え? そうなの?) そうだっけ? ………………そうだった。たぶん一番最初の相手は華琳。蜀の戦いの時、撤退を受け入れない彼女を叩いた時で、次は美羽か。 ああ……普段から周りに振り回されて泣いたり叫んだりだから、なんかもうあんまり違和感なかった! でもそこに怒りを混ぜるだけでもう違和感スッゴーイ! な、なるほど! これは怯える! 俺だって急に春蘭が勉強家になってたら……! しかも知性溢れる叱られ方でもされたなら、部屋の隅で怯える自信がありすぎる! そうか……俺はそれと同等のことを娘にしてしまっていたのか……。 同等…………ど、同等……!? (……そこまで悪くないよね?) (? なにがですか?) 正直、春蘭が華琳を超える知性を振り翳す姿を想像してみたら、それ以上のショックなどそうそうないだろうという結論に到った。 それを考えれば、俺が怒るなんてことくらいではとてもとても……。 「大変失礼しました……!」 「《ビクゥッ!》ひぃうっ!? どっ……どうして急にそんな低姿勢なのですか!?」 なので、述の正面に座って深々と頭を下げたら、とてもとても驚かれました。 だってさ、考えてみたら解りそうなことだけど、述にしてみれば俺が考える春蘭との差なんてどうでもいいんだもの。彼女にとって、存在するのは“普段から怒らない俺に怒鳴られた”って事実だけ。 そこで春蘭のことを引き合いに出したって、ただの言い訳以外のなにものでもないのだ。 悪いことをしたならきちんと謝る。これ、大事。相手が大人だろうと子供だろうと、悪いことをしたと思ったなら謝る。たとえ奇妙な躊躇に襲われようと、タイミングを逃したと思おうと。むしろ心にひとつの芯を通そう。悪いと思って、それを謝ることに“タイミング”なんてものは存在しないのだ。 このタイミングで言ったんじゃ許してもらえない? 違う。 許してもらうことを前提で謝るのは、償う気が全く無いのと同じだ。 むしろ怒られて当然って状況に飛び込もう。そして存分に怒られるのだ。 そこから始まるのは説教か? 関係ないことに派生しやすいただの怒り任せの罵倒か? それら全てを受け入れる覚悟を持って聞く姿勢に立った時、少なからず知識を受け取ることは出来るだろう。 少なくとも、多少の“もう怒らせないようにする努力”くらいは出来る筈だ。 あくまで多少。全然怒らせないようにっていうのは、思っているよりも難しいのだ。 ……その怒らせないようにするって雰囲気だけで怒る人、結構居るから。 「話し合おうか。じっくりたっぷり。今日も仕事があるけど……うん、久しぶりにサボろう」 「え……そんな、いけません! お父様はご自分がどういった立場か、理解して───」 「仕事仕事で家族をないがしろにして、立派な父と言えるもんか。悩んでる時は素直に相談! 解決策が見つからないなら話し合うしかないだろ。このままじゃどっちか一方の意見を無理矢理押し付けることになりそうだし」 「あ……ぅ……」 むしろその一方というのが俺の意見で、述は無理矢理自分を押し込めてしまいそうだ。 だから会話。お互いの気持ちをぶつけまくって、いっそ今の関係さえぶち壊すつもりで洗い浚い話してもらう。 今の状況が壊れるのは怖いっていうのは、誰もが持っている気持ちだろう。ええはい、俺も実際怖いです。また嫌われたらと思うと、心臓がバクバクうるさいくらいです。 しかしながら、このタイプは本当に溜め込みまくって潰れてしまうから。 ならば、自分が嫌われようとも吐き出させるしかないでしょう。 以前は俺っていうぶつけ処が会ったからまだいい。 けど、今の述にはそれをぶつける相手すら居ないのだ。 「………」 でも待とう。ただぶつけ合うだけというのもアレなので───
ネタ曝しです。 *キツネ色になるまでお待ちなさい 記憶が確かなら、かなり前のウィンナーのCM。 揚げウィンナー? 高温で一気に揚げると失敗します。 中をほっくりと仕上げたいなら、あらかじめレンジで軽く温めましょう。 *ファンタ 凍傷はグレープが好きです。 ファンタではなく普通の味付き飲料ではアップル系。 アップル系の喉の通り易さは素晴らしいものがあると思ウノデス。 でも一番好きな炭酸飲料はドクターペッパー。 苦手な人が多いのが悲しい。そういう自分も昔は苦手でした。 *超一流のB級 レンタヒーローNo1のキャッチフレーズ。 歌が大好きだ。そ〜くせっき超〜人〜♪ レーンタヒィ〜ロォ〜♪ *ごらん、あれ 仙界伝封神演義、次回予告より。 歌が好きでした。OPもEDも。 *伝説のピーカブーブロック! 漫画版・天地無用!魎皇鬼より。 溜めて溜めてこらえてこらえて一気に放つ。 聖剣伝説は関係ない。 *あれは今から36万─── エルシャダイのルシフェルのセリフ ルシさんのイーノックの呼び方って、なんか“慣れてる”感じでいいよね。 *伝説の超野菜人 この俺を越えることは出来ぬゥゥウウ! ブロリーって、ほんといいキャラです。 最後はほぼ一発で終わってますが。 *俺の精神テンションは今! 学生時代に戻っているッ! ジョジョ第二部、シーザーの言葉。 貧民時代に戻ると、冷酷で残忍になります。 *石畳の上など俺が何年も前に通過した場所だ グラップラー刃牙より、烈海王のセリフのもじり。 キサマ等の居る場所は既に───我々が2000年前に通過した場所だッッッ! 通過はしていても、身に着けてはいないそうです。 *里村さん ONE輝く季節へより。 みさき先輩と里村さん、好きだったなぁ。 次で130話目でございます。 中半へ続きます。 前半、後半というのなら、真ん中は中半ですよね。 ちゅうばん、と変換しても出ませんでした。 Next Top Back