182/不安に思わない、なんてことは、きっと無理なのだ やってきました、とある一室。 目立って存在するのは数個の椅子と卓のみ。卓の上にはトランプやメット、ハリセン等が置いてあり、壁には二胡が立てかけられている。 いわゆる遊戯室とも密かに囁かれている場所でございますが、そこに述を連れてまいりました。 城壁の上ではしっかりと兵に“サボり宣言”も伝えてきて……まあその、適当な将に伝言をと頼んできたわけですが。とてもとても驚いた顔をしたのち、“隊長は働きすぎなくらいですから、たまには昔に戻りましょうよ”なんて言って快く頷いてくれた。 その際、“今度酒でも奢るよ”なんて言ってしまったため、華琳にバレたらいつかのように怒られそうです。 「じゃあ述。……遊びながらお互いの胸の内を存分にぶちまけようぞ!《どーーーん!》」 「えぇえええっ!?《がーーーん!》」 特になにも教えられずに連れてこられ、着いた途端にこれ。 当然のことながら述は驚き、おろおろしだした。 だがこれでよいのです。最初から喧嘩めいた遊びをしながらの吐露なんて、この子に出来るはずがございません。 動揺しているからいいのです。動揺しているから吐き出せるものもあるのですから。 「よいですか述さん。溜め込む、ヨクナイ。今より父を父と思うな。ここでの俺は───ただの遊び人である! お前がぐうたらだと言っていた、まさにその通りのサボリ魔と受け取るのだ!」 「え、え……えぇ……?」 「返事!」 「は、はいっ!」 「うむよし! ではゲームの説明を開始する!」 冷静に考える時間は与えない。 必要なのは、場の勢い……そして、今は利用させてもらう“述の性格”だ。 強く言われたら断れないのか、“はい”と返事をしてしまってから不安そうにする述へと、畳み掛けるように説明。 不安を持った心のままで遊びは開始される。 当然困惑を増加させるために、遊戯の説明の際にも遠回しな説明をしてみたり、疑問に思った時には“し、知っているのか雷電”と訊くんだぞと嘘を教えてみたり。 そして───…………そして。 ……。 あれ…………っ? おかしいな…………! あれっ…………? あれっ………………? 「《ずぱぁーーん!》へぶっし!?」 「やった当たった!」 ハリセンが頭頂を叩いた。 「えへへぇ、あ〜がりっ」 「なんですって!?」 気の長い二人ババ抜きが終了した。 「弐壱弐参肆伍陸漆捌玖あがりっ!」 「ゲェエエーーーッ!!」 スピードであっさりと大敗した。 「これとこれとこれとこれとこれと……あがりっ」 「こんな筈はァアーーーーッ!!」 神経衰弱で、俺だけ衰弱した気分を味わった。 ……と、そんなわけで。 (この子……ゲームの才能ありすぎ……) 武官としてはとても意味が無さそうな才能が、今この場で……父の目の前で開花した。 よもや。よもやこの北郷が最初の数度しか勝てぬとは……! 「………」 「? どうしたの父上っ! もっと、もっとやろうっ!」 はっはっは、入って来た時はあんなに俯いておったのにこやつめ、はしゃいでおるわ。 口調もすっかりほぐれた感じになって、とても子供らしく喋りおる。 …………いや、別に悔しくないよ? ほんとだよ? 「じゃ、じゃあ新しいのやろうな! 次は───」 既存のゲームにアレンジを加えて始める。 最初は一勝。大人げなく心の中で“ッシャァ!”などとガッツポーズを取るが、 「うん、覚えたっ!」 「エ?」 次は……勝てませんでした。 ───……。 気づけば笑顔の花が咲く。 今さらになって気づけたことがあって、ようするに述には“人にぶつける不満”なんてものはなかった。 あるのは気を使いすぎるために生まれるストレスによく似た、けれど微妙に違うもの。 不満は自分の内側にしかなくて、それは自分の中で“仕方の無いことだ”と解決しているように見える。 だからストレスではなく、自分への情けなさみたいなものがあって……俺にぶつけた不満はあくまで“ぐうたらな俺への不満”だったわけで。 遊びに燥ぐ述は、歳相応のとても眩しい笑顔を見せてくれた。そこに不満の文字は一切ない。 (しっかしまあ、よりにもよって遊びの才能とは……。応用の方面に意識が回る性質なのか、一通りの理解を得ると、ゲーム全体のある程度のルールを覚えてしまった。元々武よりも文に強いんだから、当然っていえば当然だよなぁ) しかしそれでも頭でっかちってだけじゃあない。 ハリセンを取る手は速かったし、スピードで動かす手も速かった。 “ここにこれをこう嵌める”という頭の中の完成図があるものには、滅法強いタイプだ。 代わりに、そのピースがズレる……ピース? ちょっと違うか? ……あれだな、歯車がズレると、“それらが一気に動揺に傾く”って子だ。 だから常に予測がズレる“戦”ってものには滅法弱い。戦とまではいかなくても、鍛錬中の仕合とかでもそうだろう。 自分に合った氣の組み立て方も解っていないから、そこらへんもだ。 じゃあつまり、えぇっと。 「………」 「?」 じっと見つめてみると、こてりと首を傾げた。 小さな思春がそうしているようで、心がほわりと暖かくなって……な、撫でていいでしょうか。思春相手じゃ断られるから、こう、思春を撫でるつもりでそうしてみてもいいでしょうか。 誰かを誰かの代わりに〜とかひどいものだが、でも思春さんってばそういうことをとことん嫌がるんですもの。 なので今回だけ。ほにゃりと緩む頬を隠そうともせずに手を伸ばして、ヒタリと喉に冷たい感触がホワァアアーーーーーーッ!!? 「貴様一体これからなにをする気だ……」 「いらっしゃったんですか思春さんーーーーっ!!」 いらっしゃったようです。 馬鹿な……あんなに燥ぐ娘を前にして、少しの気の揺らぎも感じさせぬとは……! 思春って結構親ばか気質があると思ったから、今回ばかりは絶対に傍に居ないと思ったのに! でも考えてみれば俺の警護が仕事なんだから居ないわけがなかった! 「エ、エエト違ウヨ? 僕タダ娘の頭を撫でようトしたダけデ……!」 「ほう。娘以外に意識を飛ばしながらか」 「そんなことまで解るの!?」 すげぇ! 護衛さんすげぇ!! でも迂闊な言葉を吐き出そうものなら俺がいろいろと危険なのでストップ! ───あれ? ていうか。 「あのー……思春さん? もしかしてサボりを黙認するために、気配を消してたとか……」 「ぐぃぅっ!?《グボッ!》」 真っ赤になった。図星だったようだ。 しかも言い当てられたのがよっぽど意外だったのか、奇妙な悲鳴まであげた。 いかん、これは顔がにやけてしまう。 「そ、そっかそっかぁ。述のためになると思ったからかぁ。なんだかんだで思春って述に甘《ヒタリ》辛ァアアーーーーッ!!?」 喉に! 喉に鈴音が! なんで!? 娘に甘くて俺には辛い! 甘さと安寧を姓名に持つ人なのにとっても辛い! 「し、思春。提案がある」 「なんだ」 「晩御飯は適当な材料の適当な甘辛煮にしよう」 「………」 “何故急に食事の話に”とばかりに睨んでくる。 だがフフフ、甘興覇よ。この北郷とてなにも学ばず今までを生きてきたわけではない。 今朝のことも考えれば、思春が料理をしたがっていることなど明白! 「し、思春に作ってもらいたいなー、なんて《つぷり》痛ァアーーーーッ!!?」 「何故私が貴様の期待に応える形で料理を作らねばならん……!」 「ごごごごめんなさい調子に乗ってました! 俺も作る! 作ります! 一緒に作りましょう! むしろ朝のように俺一人でも───」 「!? い、いやっ! 待て!」 「ひぃっ!? ……エ? ま、待てって」 ……なにやら急に言葉を遮られた。ていうか普通にヒィとか言ってしまって、娘の前でなんと恥ずかしい……。 あれ? でも述の方を見てみれば、なんかいつもの光景を見るってくらい平然としてらっしゃる。…………俺ってそんなに日頃からヒィヒィ言って…………る、ね……。うん……。 「いいだろう。そこまで言うのならその、わ、私も料理のひとつやふたつくらいは」 「え、いや、俺が作るから思春は座っててくれても《ググイ》切れるーーーーっ!!」 「作ると言っている……!」 「ごごごごめんなさいお願いします一緒に作りましょう頑張って作りましょう!!!」 そこまで言って、ようやく鈴音が喉から離されました。 ……いや、なんかもう……改めて言うまでもないけど、俺って本当に支柱なのかな……。 護衛任務についている人にこそ一番刃を向けられてるのなんて、きっと俺だけだよね? 「まあそんなわけで、思春。述には遊びの才能がある」 「……どうすればそこまで極端に切り替えが出来るんだ、貴様は」 「…………慣れました……《ずぅうううう……ん……》」 「あ、う……そ、そうか。それは、その。なんというか……」 常日頃から似たような状況を味わい続けて何年になりましょう。 もはやこの北郷、トラブルに驚きはするものの、きちんと対処法を探せるくらいまで順応しましたわ。 珍しくも言葉を探して視線を逸らす思春さんは、俺に刃を向ける筆頭でございますから……この動揺にもいろいろと思うところがあるんだろうなぁ。 ちなみに二番手は春蘭か華雄だと思う。 桂花は刃は向けないけど、敵意と虫を差し向けます。 「遊びの才能ですか……?」 と、ニタリと笑いながら虫が入った籠を振り翳す桂花を想像していたら、戸惑いを混ぜた声で述が訊ねてくる。 おお、そうだ、桂花のことを考えている場合じゃない。きちんと教えてやらないと、この手の性格の子は妙な受け取り方をしかねない。なにせ俺がそんな感じだ。 「最初からきちんと説明するから、出来れば全部を聞いてから受け取ってくれな」 だからまずはこう言って、続く言葉をきちんと述に届くよう、ゆっくりと語り始めた。 ───……。 ……翌日……と言わず、当日の……しかも直後から、中庭に移動して、それは始まった。 述に教えたのは、いわば自分の中で自分の行動を組み立てさせる方法。 相手がこう来たらこう返す……セオリーを覚えさせるって意味でもあるが、そもそもこの都には達人がたくさんおります。 だったらそのセオリーを、時間がかかってもいいから嫌ってほど覚えさせれば、嫌でも述の腕は上達しましょうということで。 最初は不安そうだった述も“出来ることへの可能性”というものを抱けたのか、今は真面目な顔で身体を動かしている。 「父上ー!」 「おー!」 途中、ひと息つくって感じになると、その度に手を振られる。 どうやら遊戯室での一件で、随分とまあ歩み寄ってくれたというか、気安い相手と判断されたようで。 うん、それはいい。それはいいんだが……。 「なぁ思春」 「なんだ《ピグッ! ピググッ!》」 「俺一応、サボってるんだけどさ……堂々と中庭に出るのがどれほど怖いか……」 「あぁ隊長、それなら楽進さまが“隊長の分まで私が!”と、仕事の内容を聞かずに駆けていってしまいましたが……」 「……部下に恵まれすぎてて後が怖い……」 そう、現在は中庭。 そこで述の体捌きを見ながら、遊戯の中で感じたことを実践してもらっているところ。 サボったというのにノコノコと中庭に現れた俺を心配してか、すぐに駆け寄ってきてくれた兵に感謝しつつ……仕事自体も多いわけじゃないから、誰かが肩代わり出来る内容ではあったものの……。凪にはまたなにか、奢るか誘うかしよう。 …………それはそれとして、隣に立つ思春さんの顔がとても怖いのですが、何事? 何故か僕のことを見てきて、その顔がピグピグと引き攣っておられます。 もちろん見るだけなら変に思ったりもしないんだが…………俺、なにかとんでもないことをやらかしてしまったのでしょうか。 (な、なぁ……俺、なにか思春に言ったっけ……?) (え? なにが《ビビクゥッ!》ヒィッ!!?) 兵に訊ねてみれば、思春を見た兵が悲鳴をあげる始末。 ええ、怖いです。何故? 何故あんなに顔面を引き攣りあそばれてらっしゃるのか。 (隊長、またなにかいらない言葉でも言ったんじゃないですか……?) (いや“また”ってお前) つい冷静にツッコミを入れるが、困ったことに自分でも有り得そうだから悲しい。 ついに乙女心なぞ理解出来なかった俺だ。勉強は未だにしてはいるものの、8年以上を女性に囲まれながら生きてみても解らぬもの……それが乙女心。 この思春をして、乙女心という言葉が果たして当て嵌まるのかすら俺には解らない。 ……なんか、“あのなんたらをして”、って言葉、いいよね。一度使ってみたかった。 (あ、そ、それでは自分は仕事がありますからっ!) (エ? あ、ちょ、待───! この状況で俺一人って!) 止める暇もなく、兵はかつてない速さで駆けていってしまった。 そして取り残される、思春の隣の僕。 ちらりとご機嫌を伺うように見てみれば、般若ともとれる顔で僕を見つめる思春さん。 問1:素直な気持ちを5文字以内で述べなさい 答 :タスケテ 脳内でそんな問答が生まれた。 そんな僕へ、とうとう思春から声が投げかけられ───! 「ど、どうだ」 「し、死にたくないです」 「なっ!? 何故そうなる!?」 それが僕にも解りません! 訊ねられたら自然と口から漏れましたハイ! そして思春が珍しく驚いてらっしゃる! これは……よろしくない。 このままでは何も解らないままに大変な事態に……! なので謎だけは死って……ではなく知ってから、状況を受け入れよう。 「だ、だって般若みたいな形相で俺を見てて……俺、またなにかやった? 今日もやたらと鈴音を突きつけられたし……」 「般若っ……!?《ガァーーーーン……!》」 あ。 なんか物凄くショック受けてる。 般若……般若だったよな……? 怒りの形相で笑っているとでも言えばいいのか、ともかく般若っぽかった。 なのに何故こんなにもショックを受けているのか。 「……思春、もしかしてなにか悩み事とかあるのか? そういえば今日は朝から妙な感じだったし、なにか言いたいことがあるなら言ってくれ。俺、ちゃんと聞くぞ? ていうか周囲から鈍感とか散々言われてる俺に、“待ちながら解ってもらう”って方法はしないほうがいいぞ。自分で言ってて情けないけど」 「う……」 こればっかりは事実だから仕方がない。 俺が無理に解ろうとすれば、曲解して誤解しか生まないのはもはや周知。 なのでストレートに言ってくれたほうがまだいい。 ……だというのに、どうしてか皆様は俺にまずは気づいてほしいと願っている。 何故? と年頃の璃々ちゃんに訊ねてみれば、“乙女心が解ってない”と返される。 女性というのはともかく、“気づいてほしい”ものなのだそうで……んん、解らない。 気づけなかったら怒られるのが俺で、気づこうとして頑張ってみても曲解して怒られるのも俺で、だったらもう口で言ってほしいとお願いしてみても解ってないと怒られるのも俺で。 (…………) 最近……乙女心が怖いです。 最近? いや、これは前からか。 (さて、そんな軽い現実逃避はここまでにして) 問題は目の前の思春さん。 相当ショックだったのか、自分の顔をほにほにとほぐすように触りながら、珍しくも俯いている。 さあ北郷よ、これは試練ぞ。 ここで正解の選択を選べた時こそ、乙女心の扉を開ける雄と成り得るのかもしれない。 まずは疑問のかけらを集めよう。 何故思春は般若顔をしていたのか。 何故俺にだけ向けていたのか。 事前に俺がなにかを言ったりしていなかったか。 むしろ朝のこととかも考えてみたり。 一緒に料理がしたい? それとも一人で? …………いまいち纏まらないけど、答えは? 1:述に母親らしいことをしてやりたい。料理とか。 2:般若顔はウォーズマンスマイルの真似。つまり俺を(略) 3:父を圧倒し、常に母は強いと思わせたい。 4:いや待て、スマイル? スマイル……笑ってるだけ? 5:彼女なりに笑顔で居たいだけ? 6:と見せかけてウォーズマンスマイル 結論:パロスペシャル いやいやいや! いやいやいやいやいや!! 「…………《チラッ……》」 「?」 「……《ゴ、ゴクッ!》」 チラリと覗き見るも、少し俯きながらも疑問的な視線で返された。 そりゃあ恐怖で喉も鳴ります。 コ、コココここは、とりあえずなにか適当な話題でも振って! このまま悩みのことを訊くのはマズイ気がする! ウォーズマン的な意味で! …………どんな意味だそれ! ともかく視線を合わせずに……そ、そう! 述の鍛錬を見るついでみたいなきっかけで話をしよう! それがいい! 「そ、そういえばさぁ思春! 前に穏と延と一緒にいる時にさ!? なにやら妙な気配を感じてさぁ! ゴゴゴ護衛してくれてたならなにか知ってたり───と、か……」 マテ。護衛? そういえばあの場に居なかった……もとい、見えなかった存在が一人、いらっしゃった。 思えばあの妙な息を飲む気配って、穏や延じゃなくて、…………エ? おそるおそる、思春を見てみれば……うわ赤っ! 真っ赤すぎて怖い! うわやややヤバイ! このパターンはよろしくない! こんな状況だとまた鈴音が走る! 走───いや待て! 死中に活あり! 恥ずかしさからなのかどうなのか、いまいち赤くなっている理由が解らないままに、けれどわなわなと鈴音に手を伸ばしかけている思春さんを前に高速で思考! エェトツマリ!? ツ、ツマリ……ア、アゥワワワ……! ここここういう時って逆に思考って纏まらないよね!? おぉおおお思い出すんだ! 息を飲んだ瞬間を! あの時どんな会話をしてたっけ!? あぁあああそうこうしてる内に鈴音に手が! おぉおお落ち着け! やめるんだブロリー! それ以上気を高めるんじゃない! じゃなくてえーとえーと!! 美味しいオムレツを作る時はタマゴはってそれ前にもやっただろ!! 「───ハッ!?」 そんな時に思い返される走馬灯! じゃなくて記憶! そういえばあの時、俺は穏に“あ〜ん”の仕返しを……! ……な、なぁんだそういうことだったのか! 思春は俺と、あ〜んをしたがって───えぇえええええええええええっ!!!? =_=/イメージです ある晴れた東屋の団欒。 「やあ思春。今日は僕が昼食を作ったんだ。一緒に食べよう」 「蓮華さまは何処だ。蓮華さまを出せ」 「いやいやまあまあそう言わず。はい、あ〜ん」 「待て、私が先だ」 「え? 思春がしてくれるの? えと、じゃあ、」 「ああ、大きく口を開けろ。もっと、もっとだ」 「あはは、大丈夫さ。箸で摘めるもので、そんなに大きなものなんて───……あの。その箸でつまんでいるものはなんデスか?」 「鈴音だ」 「食えないよ!? ていうか箸でよく持ち上げられるね!? すげぇ! 指筋すげぇ!」 「さあ、食え。大丈夫なんだろう?」 「いやいやいやいや無理だから無理だって無理無理むおぎょろヴァーーーーーッ!!!」 …………。 -_-/かずピー …………。 「……空が青いヤー……」 軽い現実逃避をしました。 そして既に突きつけられている鈴音。 フ、フフフ……もはやこの北郷、こんな状況にも慣れたわ。 突きつけられるまでが怖いのは、きっと注射と同じなのさ。 引いたり押し付けられなきゃ斬れないんだもの、きっと平気。平気平気平気……! そんなわけですので考えましょう。 述が心配そうな顔でこちらを見ているけど、考えましょう。 述には“こうしなさい”とアドバイスを飛ばしながら、あくまで笑顔で。 ……笑顔? そうそう、笑顔だ。 焦りながらも考えていたことにもたびたび上がった笑顔。 もし本当に笑顔を作ろうとしていただけだとしたら、つまりはこちらの思春さんは……。 (あ) “お父さんとお母さんは、仲良しさんですねぇ” “ん……そりゃあ、まあ。むすっとしているよりは、こういう感じのほうがいいだろ?” (ア、アアーーーーッ!!) ハッと思い出したことがあって、意識せずに何故か肉チック(キン肉マンチック)に驚いてしまった。 そ、そう! そうだ! その後に息を飲む気配がして……! え、あ、じゃあなんだ? つまり、思春は“むすっとしている”自分をなんとかしたくて、手伝いをしようとしたり笑顔でいようとしたり? (あらやだ可愛い……! じゃなくて) はい俺、今の状況を冷静に分析してみましょうね。 今可愛いと思った相手に、刃物突きつけられてますからね? よし落ち着いた。物凄い速さで落ち着いた。 さてここで問題だ。俺は何をするべきか? 1:ほっほっほ、愛いヤツめ、とおでこをツンッとつついてみる。 2:にっこり笑顔で返して抱き締める。(前進したら首が飛びます) 3:刃を持って、指で少しずつ折る。(地上最強でなければ無理です) 4:無視して述のところへ行く。(バッドエンド) 5:恥ずかしさの限界を超える。(俺に幸有れ) 結論:……5 ……よし。覚悟を決めろ、俺。 般若顔だったけど、頑張って笑顔になろうとしたり、料理を手伝おうと団欒を目指してくれた女性に、せめてそれくらいを返せなくてどうする。 「思春」 「《びくぅっ!》なっ……なんだ」 「いつも護衛、ありがとう。思春が一緒に居てくれるから、いつも安心して無茶が出来る」 「う、なっ……!? な、なにを急に、貴様っ……」 素直に感謝をするというのは難しい。 が、出来ないことじゃあないのだ。やれないじゃなくてやらないだけ。 そんな時に感じる一時の恥ずかしさよりも、今この時に伝える感謝こそを前へ。 「え、えーと。俺は、思春の笑顔が好きです。たまに見せてくれる、無理のない自然な笑顔が。大体が蓮華を見ている時に浮かびやすいけど、最近じゃあ述を見ている時にも見せてくれて、そんな笑顔が好きです」 「え、な、なっ……!?」 「だから、これだけは覚えていてほしい。“むすっとしているよりは”って言ったけど、嫌いなわけじゃないんだ。だから、どうか無理だけはしないでほしい」 ……言った。 言った……けど、顔を真っ赤にして「なっ」ばっかりを口にしてあわあわ状態の思春を前にすると、やっぱり恥ずかしいことを言ったと強く自覚してしまい……つい、こう、誤魔化しみたいな行動を取ってしまい─── 「っ───」 なぁんてなっ! と言いそうになった口を強引に止める。 それだけは、それだけはやっちゃあなりません。 全ての恋に生きる猛者どもが歩んだ道の中、これをやって成功した例は極僅かである。 こと恋愛に関して言えば皆無と言っていい。これは言ってはならぬこと。 なので、乙女心とやらへの仕返しだとばかりに─── 「みんな乙女心とか言うけど、たまには男心も理解してくれな。俺、ちゃんと思春のこと、大切に思ってるから」 自分で言ってて顔が灼熱する言葉とともに、ツンと思春の額をつついてみた。こう……“こぉいつぅっ♪”とか馬鹿ップルがやりそうな感じに。 ええ、その。誤魔化しを口にしない分、突きつけられているものへのせめてもの反抗としてやったのですが。 ───ばたーん。 ……思春さん、それだけでそのままの姿勢で倒れてしまいました。 「ホワァアアーーーーーッ!!? 思春!? 思春ーーーーっ!!」 「はっ……母上ぇええーーーーーっ!!?」 顔は真っ赤。高熱でも出したかのように真っ赤。 目はうつろどころか閉ざされていて……気絶してらっしゃる!? 馬鹿な……! あの思春がこうもあっさり気絶しようとは……! そんな思春を、慌てて駆け寄ってきた述とともに介抱するわけだが…… 「ち、父上……一体何を……!? 母を指一本で気絶させるなんて……!」 「エ?」 こんな場面で生まれる盛大なる勘違いに冷や汗がボシャーと溢れ出た。 いや違うんだよ述さん! 俺べつに思春を倒すつもりなんて! ていうかやめて!? 驚きの中に尊敬を混ぜたような目で見ないで!? これ実力とかそんなんじゃないから! 奇妙な擦れ違いの果ての結果みたいなものだから! ああいやいやそれこそ違う! 今心配すべきは思春だ! ストレートに倒れたし、どこかヤバいところを打ったりしてないか……!? などと、焦りつつも冷静な自分をなんとか組み立てて、思春を横抱きにして樹の下へ。 持ち上げた時点で呼吸も確認したし、別に呼吸が異常ってこともなかった。 ただ赤い。めっちゃ赤い。 「ちちちちち父上、わわ私はどうすれば……!」 「まず落ち着こうな」 自分よりも慌てる人を見ると、人は冷静になれるといいます。 ……実際その通りなようで、驚いたり尊敬したり心配したりで頭の中がしっちゃかめっちゃかな述を見ていたら、妙に冷静になれた。 なので、齧った医療知識を糧に思春の様子を改めて見てみるも、やっぱり気を失っている以外に特におかしなところは見られない。 「父上! 私と勝負してください!」 「いきなりどうしてそうなる!?」 で、確認が終わったら終わったで、焦った様子の述さん暴走。 訊けば「私の目標は母上ですのでその母上を指先一つで倒してみせた父上に勝てれば私は───っほげっほごほっ! わ、私の夢は叶うのです!」……だそうで。とりあえず一息で喋ろうとするのはやめような。 コマンドどうする? 1:たたかう 2:ぼうぎょ 3:じゅもん 4:どうぐ 5:トルネードフィッシャーマンズスープレックス 結論:1 おい5。にげるはどうした。 でもとりあえず戦う。 娘の要望には応えましょう! そう……全力で! じゃないと下手すると負けるし。大人げない? 何をのどかな。 この世界の人、子供でも恐ろしい。なので全力。 「述! 全力でいくぞ!」 「はい父上! ぜんりょ全力!?」 けれどそんな僕のやる気とは別に、述さんがとても驚いてらっしゃった。 ハテ、こういう時って相手は“全力で来ないと許さんぞ”とか言う筈なのに。特に春蘭とか華雄とか焔耶とか祭さんとか───……キリがないからやめよう。 「あ、あの父上……? その、出来れば最初は練習ということで……その」 「………」 自分の娘だなぁと思った瞬間でした。 そしてもちろん、勝負の話は無くなった。 ───……。 そんなこんなで。 「はい腹!」 「はいっ!」 述の腹に向けて掌底を繰り出す。背が低いので、腰をどすんと落とした体勢で。 その際、震脚も利用して攻撃にプラスさせると、威力があがります。 それを実の娘の腹にめり込ませたわけですが、述はそれを少ない氣で受け止め、威力を分散させてみせた。 「〜〜っ……ぷっはっ! う、けほっ! こほっ!」 とはいってもあくまで分散。殺しきれるわけではないので、多少の痛みは残る。 以前から比べれば氣の総量も上がってはいるものの、述はこれでは満足できないらしい。その気持ちはよーく解る。うん解る。なにせこちらも氣しか頼れるものがない。 氣だけで成長して、氣だけであの関雲長を越えろと貂蝉さんは仰います。 ……勘弁してくれ。ほんと、本気で。 「うぅ……一回受け止めただけで、もう……」 俺の話は置いておいても、述の氣は本当に少なく、その落ち込み方も相当だ。 出来る限り支えながら、経験したことを教えて、自分の時より効率的に出来るようにと支えているものの、伸びのほうはイマイチ。 それでも述は武がいいと言う。 文の方では申し分ないというのに、なんというかもったいない……とは周囲の勝手な考えだ。才能を殺してしまうのはもったいないという言葉も当然あるが、本人がやりたいと言っているのならできるだけやらせたいと思うのだ。 これって親ばかかな。 ……親ばかだろうなぁ。 「父上……私も父上が仰るように、“お迎え”が来るほど拡張したほうがいいのでしょうか」 「やめなさい」 真顔で即答。 悩み多き娘に最短を教えてやれないのは心苦しいが、その最短は本当に危険だ。 「ですが、父上はまだまだ氣の総量が上がっているのでしょう……? なのに私は……」 「地道でいいんだって。俺なんて氣を見つけるところから始めて、これが氣だ……! なんてうかれてたら全く違ってて、こうすればきっと上手くなるとか思いながらやってたことが見当外れすぎたり……勘違いばっかりで………………」 思い返していたら悲しくなった。 思えば……いろいろあったなぁ。本当にいろいろ。 「なぁ述。お前は頭がいいんだし、」 「いやです」 即答だった。 「ちゃんと最後まで聞きなさい。頭がいいんだし、むしろ自分の中を頭で分析しきっちゃったらどうだ?」 「自分を分析……ですか?」 「そう。自分にはこれがここまで出来て、こうなった時はこれが出来るって、割り切っちゃうんだ。予想外のことが起きたらそれを勉強して、次に生かす」 「それ、ただの鍛錬と何が違うのでしょうか……」 「考え方の問題がだな。ただの鍛錬じゃなくて、自分が出来ることをきちんと学ぶんだ。自分を勉強し尽くす。もちろん成長するたびに勉強する箇所は増えるんだから、成長する限りは退屈はしないと思うぞ」 「そっ……そうすれば、私も強くなれますか!?」 「そりゃ、今よりは確実に」 「〜〜〜〜〜っ……!」 “確実に”という言葉が嬉しかったのだろうか。 述は表情をぱああと輝かせたのち、「はい、はいっ!」と二度三度と頷いた。 「で、ではまず何をするべきでしょうか!」 「心にもどかしいカタルシス?」 「……なんです? それ」 なんでもない。 さてなにを。なにをと来たか。 「じゃあ総量分析から始めるか。はい述、手ぇ出してー」 「はいっ」 素直だ。 さっと出された手をきゅむと掴んで、述を包むように氣を作る。 以前よりは明らかに気脈は大きくなっていて、けれどそれでもまだ細い。 いっそ本当に気絶するほど拡張してみたほうが……とは思ったが、あくまでそれは最終手段だろう。むしろやらせたくない。 じゃあどこぞの点穴でも穿つ? ……子供の頃にあの激痛は、やっぱりダメだ。 むしろ一気に開いた俺が馬鹿でした。よく生きてたよなぁ俺……。 「氣を練る速度は……ちょっと低いか」 「うぅ……頑張ります」 「ん、頑張ろう。ところで口調」 「いやです」 即答だった。 あまり堅苦しすぎるのって苦手なんだけどなぁ。 親子なのに丁寧すぎると、なんというかこう……なぁ? 丕も登もそこらへん、てんで聞いてくれないし。……延は元が元だから気にならなかったけど。 そもそも述さん。俺に尊敬出来るところがあるかどうか、見れば解るだろうに。 強き将、賢しき将、そしてそれらが慕う王が居る中、俺だけがどれをとっても中途半端なのだ。貂蝉の発言によって、“氣が無ければ大したことも出来ない”と確信出来てしまった悲しき雄よ。 「《ぽむぽむ》……? あの、何故頭を撫でるのでしょう……」 「なんとなく」 なのでなにを落ち込む必要がありましょう。 大人になれば、きっとキミは知識で俺を上回ろう。 大人になれば、きっとキミは俺以上の努力を覚えよう。 なにも今のみを嘆く必要はない。今は今出来る何かを磨き、先のことなどそれまでを積み重ねた自分に任せてしまえ。 それまでの準備が万全だったなら、きっとキミはいつか満足する。 それはキミが望む“満たし”ではないかもしれないが、誰かが望んだ満たしの先かもしれない。だったら何を嘆く必要がありましょう。 たとえ満たされず後悔だらけの自分に悲しもうが、だったらそこから到れる何かを探してみよう。どうせ歳を取らない馬鹿な親が、いつまでだって一緒に居るのだから。 その到った場所が既に老いた世界だろうが、何かを探すのはきっと楽しいから。 ……まあ、その時まで華琳が生きていて、世界が終わっていなければ、だけど。 「なあ述」 「? はい、なんですか、父上」 「お前が今見ている世界は、昨日よりも輝いてるか?」 なんとなくクサいことを訊いてみる。 言葉はアレだけど、思っていることそのままの質問だ。 それに対しての述の反応はといえば…… 「誰かに勝てる自分を知れました。もちろんですっ!《どーーーん!》」 ちっちゃな思春の容姿そのままで、胸を張って笑顔で言ってみせた。 俺はそんな笑顔に笑顔で返して───途端に冷静になって、“あれが、大人になると般若になるんだぜ……信じられるか……?”と孟徳さんに語りかけていた。 (敵ながら見事な働きよ。斬るには惜しいが、生かしてはおけん!) (孟徳さん!?) いやいや斬っちゃだめだからね!? 見事とか言いながらなにその切り替えの速さ! むしろ敵なの!? ああ、でも……いい笑顔だ。 娘のこんな笑顔が、こんなに近くで見られる…………やっぱり誤解、解けてよかった。 出来ればこんな笑顔が般若に変わってしまわないよう、これからも笑顔を引き出せる父親でありたいと思う。 (いい父親になろう。丕と登と延は、なんか俺を見る目が怖いけど) 述は……なんだろう、三人とは違う何かがある気がするのだ。 それこそ俺が8年以上も前から感じていた、将や王のみんなから向けられる“何か”が無いような……。 なんとなく思うことがある。 あくまで、本当になんとなくなんだけど、この“何か”を知ることが出来たら、きっと俺は乙女心というもののなんたるかを理解できるんじゃないかなぁと。 でも心が叫ぶわけです。“それを知ったら終わりです”と。 だから父は踏み込みすぎず、しかし危機には駆けつけられる父でありたいと常に思っているのですよ、述さん。 (こう……た、頼りがいのある父さまスゴイ! みたいに思われたい) 思いたいだけで、果たして自分にソレがあるかは解らないわけですが。 周りが優秀すぎるのが悩みって、贅沢かもだけど悩みは悩みだもんなぁ。 そりゃ、永遠の二番手が嫌だって人は悩むだろう。登の気持ちもよ〜く解る。 登と一緒に悩んだ述だって、何度もそれで苦しんだだろう。 問題なのはそこでどう切り替えられるかだ。 絶対に一番じゃなければ気が済まないのか、順位なんぞにこだわらないか、二番だろうが自分の中で最高に輝ければそれでいいか。 (華琳は……一番で居たいのかな) 俺は……一番で居たい鼻を折られて、一番を目指す人の夢を追って、今この場で……全員が作っている賑やかさの中に居る。 “目指した全員”で辿り着けなかったのは悲しいことだ。それは変わらない。 たまに夢を見て、死んでいった人に“自分ばかりが幸せでごめん”と謝っている自分が居て、目を覚ますと泣いていた。 都合のいいことに、夢の最後で“死んでいった彼ら”は笑っていた。隊の見習いの頃から一緒だった彼は、俺の首に腕を回して“いい世界にしてくれ”と言う。 仕事をサボって一緒に桃を食べた彼は、“みんなが苦労せずに物を食べられる世界にしてくれ”と笑う。 戦いが終わってみれば帰ってこなかった彼は、“人を潰すためのものなんて無い世界を頼む”と俺の胸をノックした。 本当に、自分勝手で……それが本当に頼まれたことなのかも自分がそう思いたいだけなのかも解らない夢。 そのたびに頑張ろうと勝手に思って、勝手に頑張って、勝手に落ち込む。 「あ、あの、父上?」 夢の通りに受け取っていいのだろうか……なんてことを、よく思ってしまう。 死んでしまった人たちの分まで、なんてよく聞く言葉だ。 それが死んでしまった人たちが望んだことなのかも知らないままに、口のない人の希望を勝手に決めて勝手に進む。 本当は“同じように死んでくれ”なんて言う人だって居たかもしれない。 “お前だけどうして”なんて思う人だって居るかもしれない。 上に立つのなら、誰かの希望を背負って立たないでどうする、なんて言われもするだろう。 ───支柱ってものになった。 国に返すために、出来ることを出来るだけやってきた。 笑顔はきっと増えてくれて、けれど……その影にある不満も、増えたのだと思う。 「父上!」 何かを為したあとに、“本当にこれでよかったのか”と不安を抱くのはいつものこと。 むしろ抱かなかったことなど無かった。 笑顔で何かを為した時ほど、心の中は不安でいっぱいだった。 誰が導いてくれたって不安は不安だ。 自分が絶対だと信じている人だって、些細なポカなど平気でする。 やらなければいけないことのハードルが上がるたび、自分がしたことで人の生活が終わる可能性までを考えると、恐怖でひどく喉が乾いた。 助けて、と唱えれば、誰かが助けてくれるだろうか。 助けてくれるのだろう。一緒に考えてくれるのだろう。 でも……じゃあ、その果ては? 誰も居なくなった先で、俺一人だけ老いずに生きて、その先でそれを口にして、誰が助けてくれるのだろう。 “───一刀。あなたが居た天で、“かつての王ら”に感謝する者は居た? それとも、そこに居たのはただ伝承を素晴らしいと謳う者だけ?” いつか、華琳にそう言われた。 そうだ……天で、過去の英雄に感謝している人は居たか? たとえ俺が戦の世界を見て、その世界を生きたとして、その後に産まれた人は過去の戦を生き抜いた人に深い感謝を抱けるか? それは、多分違う。 じいちゃんが戦争の中を戦って生き残ったとして、俺はそのことに関して感謝なんて抱けない。 その戦の辛さも、内容も、聞いたり見たりしただけで、その場にあった血の匂いさえも、簡単に零れ落ちてしまう命の軽ささえも目にしないで、生き残ったことへの強い感謝など抱けはしない。 華琳が死んだ先のこの世界に降りる“否定”と向き合う自分の隣。 そこに、自分を肯定してくれる人はどれほど居るのだろう。 そこに、米の一粒の大切さを知る人は、何人居てくれるのだろう。 いざとなったら孫に、なんて思っていたこともある。 でも……もし、自分しか居なかったら。 肯定する人が、自分しか居なかったら。 俺は……。
ネタ曝しです。 *あのなんたらをして あの勇次郎をして、とか言っていた男が居たッッ!! いえまあ、グラップラー刃牙の夜叉猿編のことなのですが。 最初の頃は勇次郎も夜叉猿で満足してたんだよなぁ……。 タイトルが範馬刃牙に変わり、ラストまで突っ走りながら、色々な方から○○○とはなんだったのかと言われたこの漫画。 個人的には天内悠が一番なんだったのか解らないキャラでした。 のちに烈海王はボクシングでどこまでいったのか……。 *タスケテ 書いている時は気にしていなかったけど、誤字チェック中に月姫を思い出しました。 琥珀さんより翡翠さんが好きです。書くとシリアスになりがちだけど。 月姫工場用SSでも、どーにも彼女を出すとシリアスになっていかん。 *ウォーズマンスマイル コーホー! キン肉マンより、ウォーズマンのステキスマイル。 このスマイルを見た者はなんというかそのー……無事ではいられねぇのじゃよ? そんなスマイル。 キョーハクDOGSで千代くんが真似ていたりもする。 握り拳に開いた手を当てて、ベアクローの形を取っているのがまた見事だった。 *パロスペシャル ウォーズマンの必殺技。 かつてのロビンマスクは彼のこの技に惚れて彼をスカウトしたらしい。 しかしのちにこの技はロビンマスクが教えたことになっていて、 さらにその後、表裏的な技があることが知られ、それをオラップといいました。 PALOの逆だからOLAP。 ゲームでオラップをかける時のケビンの声や、 パロスペシャルをかける時のウォーズマンの声が好きです。 *おぉおお落ち着け! やめるんだブロリー! それ以上気を高めるんじゃない! 映画版ドラゴンボールZより、パラガスさんの言葉的なもの。 パラガスの動揺した時の声っていいですよねぇ〜……! 大体が「おぉおおおお……!」って感じで始まるし。 *蓮華さまはどこだ、蓮華さまを出せ 千と千尋の神隠しより、カオナシのセリフ。 千はどこだ、千を出せ。 *ア、アアーーーーッ!! キン肉マン二世ではよくあるセリフ。だったはず。 シバーーーーッ! シバーーーーーッ!! *地上最強でなければ無理です 折れず曲がらずの刀を握力で折る怪力。 つくづく最強ッッ! そんな力があるのに、散々殴っても息子の頭蓋骨は砕けない。 ……こう書いてみて思ったんだけど、愚地克己の下段突きをくらったドイルさん、明らかに頭蓋骨ごと陥没してましたよね……。 よく生きてたなぁ。 *トルネードフィッシャーマンズスープレックス 凍傷が大好きなキン肉マンシリーズの技。 フィッシャーマンズスープレックスに大回転が加わったもの。 作中でケビンマスクが使っている。 *心にもどかしいカタルシス 一番偉い人へ、今何をするべきか。 とんねるずの歌、“一番偉い人へ”より。 おかげです時代に聞いて以来、大好きな歌。 これと“ひまわりの季節”が好きだなぁ。 次が後半戦になります。 ……本文はべつにそう長くは無いです。 Next Top Back